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2013年06月24日

【特集】観光立国ニッポン関連銘柄

■訪日外国人数が過去最高水準、富士山の世界遺産で人気に拍車

特集 訪日外国人数が増加基調で過去最高水準となっている。為替の円安の流れが追い風であり、アベノミクス成長戦略では訪日外国人数の増加で国内消費の押し上げを狙う「観光立国ニッポン」を重点分野と位置付けている。6月22日に富士山の世界文化遺産登録が正式決定したことも後押し要因となりそうだ。さらに20年夏季オリンピックの東京招致に成功すれば、観光関連業界にとって一段と追い風になるだろう。

 日本政府観光局(JNTO)が6月19日に発表した13年5月(推計値)の訪日外国人数は前年比31.2%増の87万5000人だった。5月としての過去最高だった08年の73万6000人を大幅に上回った。また単月ベースでは13年4月の92万3000人、10年7月の87万8000人に次ぐ過去3番目の高水準だった。国別に見ると、中国(前年比27.2%減)は尖閣諸島問題以降の前年割れが続いているが、韓国(同45.5%増)、台湾(同61.7%増)、香港(同82.2%増)、タイ(同67.8%増)などアジア諸国が特に高い伸びとなった。

 JNTO調査による訪日外国人数の推移を見ると、12年(確定値)は前年比34.4%増の835万8105人(うち観光客数は604万1645人)だった。13年は1月(暫定値)が同1.9%減の66万8610人、2月(暫定値)が同33.5%増の72万9460人、3月(暫定値)が同26.7%増の85万7024人、4月(推計値)が同18.4%増の92万3000人、5月(推計値)が同31.2%増の87万5400人となり、13年1月〜5月累計(推計値)は同20.9%増の405万3500人となっている。

 08年の世界金融危機、11年の東日本大震災と福島原子力発電所事故の影響が一巡したことに加えて、格安航空会社(LCC)の就航や航空座席の供給量拡大、継続的な訪日旅行プロモーションの効果、経済成長著しい東南アジア諸国の生活水準向上などが背景にあり、特に円安方向の流れが強い追い風となっているようだ。

■訪日外国人数の増加で旅行中の日本国内消費額も増加基調

 訪日外国人数の増加に伴って宿泊、買い物、飲食など、訪日外国人による旅行中の日本国内での消費額も増加基調となっている。

 国土交通省観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、12年の訪日外国人の日本国内での1人当たり旅行中支出額(推計)は11万1983円となり、11年に比べて1.7%減少した。国別には中国16万154円、米国13万244円、シンガポール11万2665円、香港10万9934円、マレーシア10万5676円、タイ10万4893円、台湾8万5266円、韓国6万1983円などとなっている。

 1人当たり支出額は僅かに減少したが訪日外国人数が大幅に増加したため、12年の訪日外国人の日本国内での旅行消費額(パッケージツアー参加費に含まれる国内収入分を加えた推計)合計は1兆861億円となり、11年に比べて33.5%増加した。国別には中国2688億円、台湾1648億円、韓国1466億円、米国979億円、香港655億円の順となり、費目別構成比は宿泊料金34%、買い物代31%、飲食費21%、交通費11%の順である。

 さらに、観光庁が4月30日発表した13年1月〜3月期の訪日外国人1人当たり旅行中支出額は11万2594円で前年比4.0%減少したが、旅行消費額合計は同13.2%増加の約2539億円だった。中国からの旅行者数減少で1人当たり支出額は減少した形だが、円安効果に加えて、格安航空会社(LCC)の就航拡大でアジアの若者が日本に旅行しやすくなったことも訪日外国人数の増加につながり、平均宿泊数の増加も消費額を押し上げているようだ。

■旅行会社やホテルなどに大きな経済効果

 訪日外国人数の増加や日本国内での消費額増加によって、旅行会社、交通機関、ホテル、百貨店、土産、飲食など幅広い分野で経済効果が拡大している。

 観光庁が5月21日に発表した12年度(12年4月〜13年3月)の主要旅行業者(58社)の総取扱額は、11年度比5.1%増の6兆3457億円となり2年ぶりに増加した。58社ベースでは07年度の6兆8163億円、08年度の6兆4394億円に次ぐ水準だった。世界金融危機や東日本大震災の影響が一巡した形であり、13年度は過去最高を更新する可能性がありそうだ。

 12年度の内訳を見ると国内旅行が同4.5%増の3兆9374億円、海外旅行が同5.3%増の2兆3419億円、外国人旅行(海外からの訪日旅行)が同44.8%増の663億円だった。海外旅行者数が過去最高を更新した一方で、国内も東京スカイツリー効果や景気回復で観光客が増加している。円安が追い風となって外国人旅行が大幅に増加したことも特徴だ。業者別では1位JTBグループ、2位阪急交通社、3位日本旅行、4位エイチ・アイ・エス、5位近畿日本ツーリスト、6位楽天トラベルだった。

 都市ホテルの稼働率も上昇している。日本経済新聞社の調査によると13年4月の東京地区主要19ホテルの平均客室稼働率は88.0%で前年比5.7ポイント上昇した。14か月連続で前年を上回り03年11月の89.0%以来の高水準だった。大阪地区主要15ホテルは89.8%で同0.9ポイント上昇、名古屋地区主要16ホテルは84.9%で同5.7ポイント上昇した。円安効果で外国人客が増加し、景気回復で国内ビジネス・観光客も増加している。客室稼働率上昇に伴って客室単価も上昇傾向を強めているようだ。

 内閣府が6月10日に発表した5月景気ウォッチャー調査(街角景気)によると、現状判断DIは前月比0.8ポイント低下して55.7だった。5月初旬の気温低下に伴う衣料品の販売不調や、5月下旬からの株価下落などが影響して2カ月連続の低下となったが、北海道の観光型ホテルではアジアからの観光目的旅行者数が回復して国内客も好調、近畿の観光型旅館では宿泊人員が7カ月連続で前年を上回り2年前の水準に戻ったなどの回答が見られる。観光需要の盛り上がりが地方の観光地にも波及しているようだ。

■円安進行が追い風、富士山の世界遺産登録やオリンピックの東京招致も期待

 訪日外国人数が増加基調となっている背景には、東日本大震災や福島原子力発電所事故の影響が一巡したことに加えて、アベノミクス効果などで為替の円高修正が進んだことも主要因と考えられる。

 為替の円安が一段と進行すれば、単に訪日外国人数の増加だけでなく、一方では日本人観光客の旅行先の国内シフトにも繫がるため、観光関連国内消費額を一段と押し上げる要因となりそうだ。

 カンボジアのプノンペンで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で6月22日、日本の富士山(山梨県・静岡県)の世界文化遺産登録が正式決定されたことも注目材料となっている。すでに大手旅行会社を中心として訪日外国人向けの富士山登山ツアーなどの販売が始まり、富士山周辺の宿泊施設では夏休みの予約が急増している模様だ。国内外の観光客の富士山登山・周遊ツアー関連、登山・サイクリング・アウトドア用品関連、土産・イベント関連など、関連ビジネスへの期待も高まるだろう。

 さらに20年夏季オリンピック開催都市が、9月7日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定される予定だ。20年開催都市については東京(日本)、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の3都市が招致を争っている。安倍晋三首相はIOC総会に出席して最後のプレゼンテーションに臨む方向で調整しているようだ。東京招致に成功すれば観光関連需要にとって一段と追い風になるだろう。

■「観光立国ニッポン」はアベノミクス成長戦略の重点分野

 安倍晋三内閣が決定した成長戦略では「観光立国ニッポン」を重点分野の一つに位置づけている。日本が持つ観光資源などのポテンシャルを活かして、訪日外国人数は12年の835万人を13年に1000万人、30年に3000万人超、そして訪日外国人消費額については12年の1兆860億円を13年に約1兆3000億円、30年に約4兆7000億円に増やす目標を掲げている。

 目標実現に向けた政策としては、日本ブランド発信に向けた省庁・関係機関の横断的体制を今夏までに構築する、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国からの観光客への観光査証(ビザ)発給要件の緩和を今夏までに進める、30年までにアジア1の国際会議開催国となるため世界トップ級の受け入れ環境を持つグローバル戦略都市を育成するとしている。

 そして政府は6月11日の観光立国推進閣僚会議で、東南アジア向けの観光ビザ発給要件を今夏から緩和することを正式決定した。タイとマレーシアからの観光客はビザ取得を免除し、ベトナムとフィリピンからの観光客は期限内に何度でも入国できる数次ビザを新たに発給する。すでに数次ビザを発給しているインドネシアからの観光客は滞在できる日数を延長する。なおシンガポールからの観光客はすでにビザ取得が免除されている。

 観光ビザ発給要件の緩和に加えて、外国人が空港以外で購入する化粧品や食品などの消耗品を免税対象に加えることや、海外富裕層の来日を促す誘致策なども検討する。海外富裕層に関しては、タイやオーストラリアなどが導入している「ロングステイビザ」を参考にして、数年間の日本滞在を認める制度を検討するようだ。

 羽田空港と成田空港の国際線発着枠拡大、入国審査のスピードアップなどの政策も推進する。14年3月末には羽田空港の国際線発着枠が現状の年6万回(昼間3万回、深夜早朝3万回)から年9万回(昼間6万回、深夜早朝3万回)に拡大され、国際線利用者数は13年度予想の約820万人から14年度には約1270万人に急増する見込みだ。成田空港についても14年度中に、発着枠を現状の年27万回から年30万回に拡大する計画だ。

 また6月19日には、国や自治体が管理する空港の運営権売却を認める民活空港運営法が参院で可決、成立した。大手商社や大手不動産などが関心を示している模様であり、日本の空港が本格的な民営化時代を迎える。着陸料の大幅値下げによる格安航空会社(LCC)の誘致、路線の維持・拡充、航空運賃の引き下げ、魅力的な商業施設の集積などが加速する可能性もあり、地方空港でも訪日外国人数の増加に繋がることが期待されるだろう。

■一段の規制改革も重要

 外務省が5月13日に発表した12年の査証(ビザ)発給統計によると、外国人に発給したビザ総数は前年比46.5%増の198万6539件だった。東日本大震災前の10年を上回り、韓国と台湾からの短期滞在者のビザ申請を免除した05年以降で最多となった。国別では最多の中国の前年割れが続いているが、一方では経済成長著しい東南アジア諸国向けの発給数が大幅に増加している。

 ただし、訪日外国人数は増加基調で過去最高水準だが世界的に見ると依然として水準は低い。日本は10年時点で世界30位であり、観光収入も世界19位にとどまっている。また、日本が観光ビザを免除しているのは13年4月時点で64カ国・地域であるのに対して、外国人集客で競合する韓国は110カ国・地域に達しているという。このため観光庁は、13年版観光白書で日本を「観光新興国」と位置付け、ビザ発給要件緩和や観光情報発信などに省庁横断で取り組む必要性を訴えている。

 中国に関しては当分の間、尖閣諸島問題の影響が残りそうだが、今後は経済成長著しい東南アジア諸国からの訪日外国人の取り組みが重要になり、ビザ発給要件を緩和する国・地域の拡大など、一段の規制改革も重要なポイントになりそうだ。

■「観光立国ニッポン」関連銘柄

 訪日外国人数の増加で国内消費への波及効果が期待され、旅行代理店、交通機関、宿泊関連だけでなく、リゾート・テーマパーク関連、免税店・土産店、百貨店・家電量販店などへの恩恵も大きいだろう。高度な医療技術を活用した「医療ツーリズム」の本格化も期待されるだろう。

 旅館・ホテル運営の星野リゾートは訪日外国人の取り込みを狙って、16年に東京・大手町に高級和風旅館「星のや東京」を開業させる。JR九州が10月から運行開始する超豪華寝台列車「ななつ星」は、3泊4日で運賃は1人最高55万円だが、将来は外国人観光客の取り込みを狙っているようだ。

 観光情報・プラン、宿泊予約、旅行スケジュール管理、目的地の天候情報、自動音声翻訳サービスなどで、訪日外国人にも対応したアプリケーション開発も一段と活発化するだろう。富士山関連として、登山・サイクリング・アウトドア・スポーツ用品などにも恩恵がありそうだ。

■交通関連

 東武鉄道<9001>、東京急行電鉄<9005>、京浜急行電鉄<9006>、小田急電鉄<9007>、京王電鉄<9008>、京成電鉄<9009>、富士急行<9010>、東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>、西日本旅客鉄道(JR西日本)<9021>、東海旅客鉄道(JR東海)<9022>、西日本鉄道<9031>、近畿日本鉄道<9041>、阪急阪神ホールディングス<9042>、南海電気鉄道<9044>、京阪電気鉄道<9045>、名古屋鉄道<9048>、日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>、スカイマーク<9204>、スターフライヤー<9206>など

■観光情報・旅行代理店・ホテル予約関連

 カカクコム<2371>、一休<2450>、オールアバウト<2454>、比較.com<2477>、ヤフー<4689>、楽天<4755>、ニッコウトラベル<9373>、ユーラシア旅行社<9376>、エイチ・アイ・エス<9603>、KNT−CTホールディングス<9726>など

■ホテル・リゾート・テーマパーク・遊園地・ゴルフ場・スキー場・芸能・エンタテインメント関連

 アコーディア・ゴルフ<2131>、PGMホールディングス<2466>、ゴルフダイジェスト・オンライン<3319>、オリエンタルランド<4661>、リゾートトラスト<4681>、リゾートソリューション<5261>、サンリオ<8136>、共立メンテナンス<9616>、グリーンランドリゾート<9656>、歌舞伎座<9661>、よみうりランド<9671>、常磐興産<9675>、東京ドーム<9681>、鴨川グランドホテル<9695>、東京會舘<9701>、帝国ホテル<9708>、ロイヤルホテル<9713>、ホテルニューグランド<9720>、藤田観光<9722>、京都ホテル<9723>、ジャパン・ホテル・リート投資法人<8985>、星野リゾート・リート投資法人(7月12日新規上場予定)など

■広告・誘致活動・イベント・地図・検索・サービス関連

 博報堂DYホールディングス<2433>、共同ピーアール<2436>、プラップジャパン<2449>、駅探<3646>、ヒト・コミュニケーションズ<3654>、ジョルダン<3710>、マクロミル<3730>、電通<4324>、インテージ<4326>、ウェザーニューズ<4825>、ゼンリン<9474>、昭文社<9475>、アサツーディ・ケイ<9747>など

■百貨店・免税店・土産店・和食店関連

 J.フロントリテイリング<3086>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、うかい<7621>、ラオックス<8202>、高島屋<8233>、日本空港ビルデング<9706>など

■富士山の世界文化遺産登録関連(上記銘柄以外)

 ウォーターダイレクト<2588>、アルペン<3028>、ティムコ<7501>、ヒマラヤ<7514>、アシックス<7936>、ミズノ<8022>、ゴールドウイン<8111>、デサント<8114>、ゼビオ<8281>、静岡銀行<8355>、山梨銀行<8360>、アシックス商事<9814>など。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:48 | 特集