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2014年08月18日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クレスコは6月高値後の自律調整一巡感、好業績を評価して上値追い


 受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は、適度な自律調整を挟みながら水準を切り上げて高値を更新する展開だ。6月30日には1311円まで上値を伸ばした。その後は上げ一服の形だったが、足元は概ね1250円〜1300円近辺で推移して6月高値に接近している。第1四半期(4月〜6月)の大幅増益も好感して自律調整一巡感を強める動きだ。再動意のタイミングであり、好業績を評価して上値追いの展開だろう。

 ビジネス系のソフトウェア開発事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売など)も展開している。重点施策としては品質マネジメント力の向上、新ビジネスモデルの創出、グループ連携強化による収益性改善、ニアショア・オフショア化(地方分散開発体制強化と海外開発体制整備)の推進などを掲げ、特にクラウド関連ソリューションやオリジナル製品(インテリジェントフォルダ、クレアージュなど)の拡販、組込型ソフトウェア開発事業の再構築などを推進している。

 得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンス戦略やM&A戦略も積極活用する方針で、13年4月にソリューション事業のクリエイティブジャパンを完全子会社化、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化した。13年9月には三谷産業<8285>とクラウドサービス事業で協業体制を構築した。また14年3月には、法人向け電子マニュアル/電子カタログサービス分野でゴマブックスと戦略的提携し、企業内文書デジタルサービス「Creage for Digital Publishing」の提供を開始した。

 14年6月には子会社クレスコ・イー・ソリューションと協業で、SAP基幹業務をモバイル化して業務効率を向上させる新ソリューション「Mobick(モビック)」の販売を開始した。マルチデバイス対応で、専用ハンディターミナルシステムから汎用タブレットを利用したモバイルシステムへの変更、外出先からの営業日報作成やワークフロー承認が可能になるなど、業務効率を格段に向上させるソリューションとしている。

 8月4日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比14.7%増の58億10百万円、営業利益が同72.5%増の3億80百万円、経常利益が同53.9%増の4億43百万円、純利益が同95.3%増の3億58百万円だった。主力のソフトウェア開発事業が好調に推移し、組込型ソフトウェア開発事業の営業損益改善も寄与した。受注高は同12.5%増の58億81百万円だった。

 セグメント別に見ると、ソフトウェア開発事業は主力の金融分野や公共サービス分野が好調に推移して売上高が同12.1%増の48億21百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同26.2%増の4億76百万円だった。組込型ソフトウェア開発事業はカーエレクトロニクス分野が大幅に増加して売上高が同30.2%増の9億72百万円、営業利益が同2.5倍の1億36百万円だった。その他事業は売上高が同18.9%減の15百万円、営業利益が8百万円の赤字(前年同期は6百万円の赤字)だった。

 通期の連結業績見通しは前回予想(5月7日公表)を据え置いて売上高が前期比8.5%増の239億円、営業利益が同15.4%増の16億50百万円、経常利益が同7.3%増の18億円、純利益が同14.7%増の10億80百万円、そして配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。第1四半期末の受注残高が35億41百万円と高水準であり、主力のソフトウェア開発事業の好調が牽引して増収増益見込みだ。

 国内のIT投資需要は、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合・再構築、ビジネスプロセスの可視化・最適化、ビッグデータの分析と活用、仮想化技術の導入、ソーシャル・テクノロジーのビジネス活用などで、高水準に推移すると予想される。今期は基幹系システムや情報系システムの需要が増加する見込みであり、日立グループ関連が主力のクリエイティブジャパンも寄与する。新ソリューション「Mobick」の販売本格化の効果も期待されそうだ。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.3%、営業利益が23.0%、経常利益が24.6%、純利益が33.1%と順調である。年度末にあたる第4四半期(1月〜3月の)構成比が高い収益構造を考慮すれば、通期上振れ余地があるだろう。

 株価の動きを見ると、適度な自律調整を挟みながら水準を切り上げて高値を更新する展開だ。6月30日には1311円まで上値を伸ばした。その後は上げ一服の形だったが、足元は概ね1250円〜1300円近辺で推移して6月高値に接近している。8月4日発表の第1四半期の大幅増益も好感して自律調整一巡感を強める動きだ。

 8月15日の終値1267円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS102円94銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS849円71銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形であり、13年秋を起点とする上昇トレンドに変化はないだろう。また日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復して再動意のタイミングのようだ。指標面に割高感はなく、好業績を評価して上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:38 | アナリスト水田雅展の銘柄分析