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2014年08月28日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】Jトラストは下値支持線に接近して調整のほぼ最終局面、反発のタイミング

 Jトラスト<8508>(東2)の株価は、5月安値1037円から6月戻り高値1615円まで一旦切り返したが、反落後は1300円近辺でのモミ合いを経て、8月13日発表の今期(15年3月期)大幅営業減益見通しを嫌気する形で水準を切り下げた。ただし足元は1100円台で下げ渋り感を強めている。失望売りがほぼ一巡し、下値支持線に接近して調整のほぼ最終局面のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して反発のタイミングだろう。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取などの金融サービス事業、および不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、パルティール債権回収、KCカード(11年8月楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)などを傘下に置いている。14年3月には個品割賦事業などを展開するNUCS(宮崎県宮崎市)を子会社化した。

 14年6月には、子会社KCカードが15年1月5日を効力発生日として子会社を設立して「KCブランド」を中心とした一部事業を承継させ、同日付で承継会社の全株式をヤフー<4689>およびソフトバンク・ペイメント・サービスに譲渡すると発表した。また子会社NUCSの「NUCS」ブランドを中心とした一部事業をKCカードに承継させ、グループのクレジットカード事業を「NUCS」ブランドを中心として継続するとしている。本件取引によって発生する約404億円(株式譲渡対価約350億円、KCカードに対する貸付金の返済金54億円)の資金を、クレジットカード事業への再投資、グループ事業の強化、新規事業開設のための資金に充当する。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。11年4月に消費者金融の韓国・ネオラインクレジット貸付を子会社化した。そして12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月には韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月には韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化した。また13年12月にはJトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携している。

 14年6月には、韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の買収(株式譲渡9月下旬予定)を発表した。今回の買収により、子会社の韓国・親愛貯蓄銀行と併せて貯蓄銀行部門の営業エリアが韓国全土の約7割に広がり、韓国全土に対する営業強化が可能になるとしている。

 また7月30日に、韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡(譲渡日8月13日)すると発表している。高金利借入金を返済して今後は韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造の改善を進める方針だ。

 8月13日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、営業収益(売上高)が前年同期比9.5%増の159億28百万円、営業利益が3億58百万円の赤字(前年同期は22億25百万円の黒字)、経常利益が2億94百万円の赤字(同22億62百万円の黒字)、純利益が3億95百万円の赤字(同20億05百万円の黒字)だった。

 韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付の新規連結なども寄与して増収だったが、韓国・親愛貯蓄銀行における債権売却損計上などによる営業費用の増加、KCカードにおける利息返還損失引当金繰入額の増加、韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付の新規連結に伴う貸倒引当金繰入額の増加などで営業損益が悪化した。

 セグメント別に営業損益(全社費用等調整前)の前年同期比増減を見ると、金融事業は10億11百万円で同13億46百万円の悪化、不動産事業は2億41百万円で同2億18百万円の改善、アミューズメント事業は1億87百万円で同1億07百万円の悪化、海外事業は13億19百万円の赤字で同12億88百万円の悪化、その他事業は11百万円の赤字で同40百万円の悪化だった。

 通期の連結業績見通しは8月13日に開示し、営業収益(売上高)が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円とした。配当予想は前回予想(5月14日公表)を据え置いて前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 今後のさらなる成長のための基盤形成に向けて、M&Aおよび事業再編を活用した業態の構造的改革に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用などが増加して営業減益、経常減益の見通しとしている。ただし韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の買収で負ののれん発生益が見込まれるため純利益は前期並みを確保する見通しだ。当面はM&Aや事業再編に伴って収益が大幅に変動する可能性があるが、積極的な業容拡大戦略で中期的には収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、5月安値1037円から6月戻り高値1615円まで一旦は切り返したが、利益確定売りなどで反落し、1300円近辺での短期モミ合いを経て、8月13日発表の今期大幅営業減益見通しを嫌気する形で水準を切り下げた。ただし足元は1100円台で下げ渋り感を強めている。失望売りがほぼ一巡したようだ。

 8月27日の終値1144円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1000円近辺の下値支持線に接近して調整のほぼ最終局面のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:51 | アナリスト水田雅展の銘柄分析