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2014年10月22日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】山下医科器械 短期調整一巡して切り返し局面、今期減収減益見通しは織り込み完了

 医療機器商社の山下医科器械<3022>(東1)の株価は、7月〜8月の安値圏1600円近辺で下値固めが完了し、9月末の1743円まで切り返した。その後は全般地合い悪化も影響して10月20日の1637円まで調整したが、8月安値1588円まで下押すことなく、21日には1696円まで戻す場面があった。今期(15年5月期)の減収減益見通しの織り込みは完了した可能性が高く、短期調整が一巡して切り返し局面だろう。

 九州を地盤とする医療機器商社である。医療機器の販売・メンテナンス、医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントを製造販売している。

 中期成長に向けて、九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略としている。医療機関向けSPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加に対応するため、13年7月に福岡SPDセンター(福岡県福岡市)を新設し、鳥栖SPDセンター(佐賀県鳥栖市)との2拠点体制とした。

 13年12月に判明した従業員による不正行為に関して、14年2月28日に独立行政法人国立病院機構から指名停止(14年2月28日〜14年11月27日)および一般競争参加資格降格(14年11月28日〜15年8月27日)の処分を受けた。当該処分の対象となる施設の前々期(13年5月期)売上高は全社売上高の1割強としている。

 なお不正行為の再発防止策に関しては、4月17日「再発防止策実施状況その1」、5月16日「再発防止策実施状況その2」、6月13日「再発防止策実施状況その3」、8月18日「再発防止策実施状況その4」を発表している。再発防止と信頼回復に向けて今後も実施状況を随時報告する方針だ。

 9月30日に発表した今期(15年5月期)第1四半期(6月〜8月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.4%減の105億82百万円、営業利益が45百万円の赤字(前年同期は1億51百万円の黒字)、経常利益が20百万円の赤字(同1億67百万円の黒字)、純利益が18百万円の赤字(同93百万円の黒字)だった。SPD契約施設数は増加したが、診療報酬改定に伴う償還価格の下落、消費増税の影響、大型設備案件の減少、国立病院機構の指名停止の影響などで減収となり、各利益は赤字となった。

 医療機器販売事業の売上動向を見ると、一般消耗品分野はSPD契約施設数の増加で同2.2%増の45億63百万円、低侵襲治療分野はサージカル備品の増加で同5.3%増の29億01百万円、情報・サービス分野は医療ガス設備工事の増加で同10.5%増の3億13百万円と堅調だったが、一般機器分野が大型案件の減少で同44.3%減の13億85百万円、専門分野が整形消耗品や眼科備品の減少で同9.0%減の13億58百万円と低調だった。

 通期の連結業績見通しは前回予想(7月11日公表)を据え置いて、売上高が前期比9.2%減の463億48百万円、営業利益が同73.0%減の2億26百万円、経常利益が同62.3%減の3億11百万円、そして純利益が同68.9%減の1億71百万円、配当予想が同36円減配の年間20円(期末一括)としている。

 国立病院機構の指名停止措置が上半期(6月〜11月)中継続すること、主要取引先である急性期病院の建替えや設備更新などの大型設備案件が減少すること、さらに償還価格の下落や消費増税の影響なども考慮して減収減益見通しとしている。ただし期初時点では入札案件などを見込まずに保守的な会社見通しを公表する傾向が強い。SPD契約施設数の増加などで一般消耗品の売上は堅調であり、Web通販(メリケア)の拡大や、物流費などのコスト削減効果も寄与する。通期会社見通しには上振れ余地があるだろう。

 株価の動きを見ると、7月〜8月の安値圏1600円近辺で下値固めが完了し、9月29日と30日の1743円まで切り返した。その後は全般地合い悪化も影響して10月20日の1637円まで調整したが、8月安値1588円まで下押すことなく、21日には前日比39円高の1696円まで戻す場面があった。短期調整が一巡したようだ。

 10月21日の終値1674円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS67円37銭で算出)は24〜25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2191円36銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支えている。今期減収減益見通しの織り込みは完了した可能性があり、短期調整が一巡して切り返し局面だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:28 | アナリスト水田雅展の銘柄分析