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2014年12月19日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トレックス・セミコンダクターは調整一巡して切り返し局面

 アナログ電源IC専門メーカーのトレックス・セミコンダクター<6616>(JQS)の株価は、11月の上場来高値1万2750円から利益確定売りで反落し、12月17日の6740円まで調整した。ただし18日には前日比600円(8.84%)高の7390円まで切り返す場面があった。調整がほぼ一巡したようだ。指標面に割高感はなく、中期成長力やウェアラブル端末・LED関連というテーマ性を評価して切り返しの展開だろう。

 アナログ電源ICに特化して開発・販売する国内唯一の専業メーカーで、入力電圧を希望の出力電圧に変換するVR(電圧レギュレータ)、出力電圧が常に一定となるように制御するDC/DC(コンバータ)、入力電圧を監視して設定電圧以下となった時にアラームを出すVD(電圧検出器)などを主力製品としている。

 小型化と低消費電力化に20年以上の実績を持ち、世界トップクラスの技術力を誇っている。超小型・薄型化と高放熱を両立する独自の超小型パッケージ技術「USP」などをベースとして、顧客の電子機器開発ニーズに対してソリューション提案できる「超小型電源ICに特化したアナログCMOSのプロフェッショナル集団」だ。

 生産面では一部製品の後工程だけをベトナム工場で対応し、大半の生産を外部に委託するファブレスメーカーであることも高収益に繋がっている。技術力や収益力の高さに加えて、財務面の健全性の高さも特徴であり、今期(15年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)末の自己資本比率は82.6%と高水準である。

 中期的な売上成長や一段の高収益化に向けて、注力領域をスマートフォン、デジタルカメラ、パソコン、デジタル家電などの民生用機器分野から、ヘルスケアやGPS関連などのウェアラブル機器分野、カーナビゲーション、モニタカメラ、ETC車載器、パワーウインドウなどの車載機器分野、ロボット、スマートメータ、監視カメラなどの産業機器分野に広げて、新製品開発を強化している。

 14年4月には世界的なパワー半導体メーカーである米IXYS社と相互販売提携契約を締結した。米IXYS社の製品は大きな電力を扱う分野で強みを持っているため、電力制御機器や太陽光発電関連など当社の産業機器分野の品揃え拡充に活用する一方で、米IXYS社の販売網を活用して当社製品の拡販に繋げる。

 なお12月11日には、15年1月14日〜16日に開催されるウェアラブル機器関連の開発技術展示会「ウェアラブルEXPO」に出展すると発表している。市場からの注目度の高いコイルとICを一体化した小型コンバータの製品ラインナップを中心に展示し、小型化・低消費電力化が要求されるウェアラブル機器の回路設計に最適な世界最小クラスの最先端技術も紹介するとしている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(11月14日に売上高と営業利益を減額修正)は売上高が前期比5.4%増の99億円、営業利益が同0.4%増の14億20百万円、経常利益が同12.0%増の15億円、そして純利益が同18.9%減の11億円としている。配当予想は記念配当20円を含む年間100円(第2四半期末50円、期末50円)で前期比60円増配となる。

 第2四半期累計(4月〜9月)は売上高が47億65百万円、営業利益が5億68百万円、経常利益が6億62百万円、純利益が4億25百万円だった。民生機器向けの売上が想定を下回ったため売上高と営業利益は計画を下回ったが、営業外での為替差益計上などで経常利益と純利益は計画を上回った。なお平均為替レートは1ドル=102円50銭で、想定の1ドル=100円よりドル高・円安水準だった。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.1%、営業利益が40.0%、経常利益が44.1%、純利益が38.6%とやや低水準だが、産業機器や車載機器向けが好調であり、ドル高・円安効果も寄与して好業績が期待されるだろう。なお想定為替レートは下期が1ドル=108円、通期では1ドル=105円38銭としている。

 中期経営計画では目標値として17年3月期売上高120億円強、営業利益20億円強を掲げている。民生用機器分野は価格競争が激化しているため、需要変動幅が比較的小さく、利益率も比較的高い産業機器分野、車載機器分野、医療機器分野、ウェアラブル機器分野を中心に拡販と高収益化を推進する方針だ。17年3月期の売上構成比の計画は既存の民生用機器分野37.7%、産業機器分野33.7%、車載機器分野14.0%、その他(ウェアラブル機器分野など)14.6%としている。

 アナログ電源ICの市場規模は13年が約8600億円と推定され、当社の市場シェアは約1%である。17年に向けて年平均6.6%の成長が予想され、寡占企業が少ないため当社の市場シェア拡大余地は大きい。技術優位性を武器として中期的な市場シェア拡大や一段の高収益化が期待される。

 株価の動きを見ると、11月の上場来高値1万2750円から利益確定売りで反落し、12月17日の6740円まで調整した。ただし18日には前日比600円(8.84%)高の7390円まで切り返す場面があった。調整がほぼ一巡したようだ。

 12月18日の終値7250円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS416円79銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS3433円14銭で算出)は2.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が18%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けた。サポートラインを確認した形だろう。指標面に割高感はなく、中期成長力やウェアラブル端末・LED関連というテーマ性を評価して切り返しの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:30 | アナリスト水田雅展の銘柄分析