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2015年02月26日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】Jトラストは調整の最終局面、16年3月期の収益改善期待で切り返しのタイミング

 Jトラスト<8508>(東2)の株価は安値圏でのモミ合い展開が続いていますが、14年2月安値まで下押すことなく反発して調整の最終局面のようです。第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は将来の黒字化を見据えた一時的営業費用の発生で赤字となりましたが、来期(16年3月期)の収益改善期待で切り返しのタイミングと考えられます。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開しています。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更)、クレディア(12年7月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いています。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進しています。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けました。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化し、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡しました。韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造改善を進める方針です。

 14年6月に発表した韓国スタンダードチャータードキャピタル(SCキャピタル)および韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行(SC貯蓄銀行)の買収については、15年1月韓国スタンダードチャータード金融持株会社が保有するSC貯蓄銀行の全株式を取得し、SC貯蓄銀行はJT貯蓄銀行に名称変更しました。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進めるとともに、SCキャピタルの株式取得に向けての作業を行うとしています。

 なお14年11月に自動車割賦金融業の韓国・亜州キャピタルの株式売却に係る優先交渉権を取得しましたが、条件合意に至らなかったとして2月13日に交渉終結を発表しました。

 アジアへの展開については、13年12月に子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携し、14年11月にはインドネシアの商業銀行であるムティアラ銀行を連結子会社化しました。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となりました。韓国・済州新羅ホテルでカジノ事業を行うマジェスターを含むJBAグループと協力関係を構築します。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出しました。

 なおアジアの不動産分野では2月3日、14年9月に株式29.5%を取得して筆頭株主となったシンガポールの不動産開発会社LCDについて、LCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して、所有する全株式を譲渡すると発表しました。本件取引により投資有価証券売却益を約10億円計上する見込みとしています。

 2月12日発表の今期(15年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、営業収益が前年同期比9.3%増の481億20百万円、営業利益が33億21百万円の赤字(前年同期は60億79百万円の黒字)、経常利益が3億16百万円の赤字(同56億08百万円の黒字)、純利益が11億42百万円の赤字(同25億85百万円の黒字)となりました。

 新規連結や新規貸付債権の増加などで増収となりましたが、第1四半期(4月〜6月)に親愛貯蓄銀行において債権売却損を計上したことで営業費用が増加し、販管費での貸倒関係費用の増加も影響して営業赤字となりました。営業外では株式交付費の減少や為替差益の計上が寄与しましたが、経常利益、純利益とも赤字となりました。

 通期の連結業績見通しは前回予想(8月13日公表)を据え置いて、営業収益が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円、配当予想(5月14日公表)が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としています。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しとしています。純利益については韓国SCキャピタルおよび韓国JT貯蓄銀行の株式取得に伴う負ののれん発生益が寄与する見通しです。

 第3四半期累計は不良債権売却による債権売却損計上や、不良資産整理に備えた貸倒引当金積み増しを行ったため赤字となりましたが、将来の黒字化を見据えた一時的な損失計上であり、第3四半期(10月〜12月)には海外事業の損失減少や為替差益の計上などで収益改善が進み、今後は収益構造の着実な改善が見込めるとしています。

 当面はM&A・事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動する可能性がありますが、クレジットカード事業の再構築、韓国事業の収益改善、アジアへの積極的な業容拡大戦略などで、来期(16年3月期)の収益改善と中期的な収益拡大が期待されます。

 株価の動きを見ると安値圏でのモミ合い展開が続いています。2月4日には930円まで調整する場面がありました。ただし14年2月安値905円まで下押すことなく反発して1000円台に戻しています。900円台が下値支持線となって調整の最終局面と考えられます。

 2月25日の終値1031円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.7倍近辺です。

 週足チャートで見ると900円台の下値支持線から反発し、戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めています。来期の収益改善期待で切り返しのタイミングと考えられます。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:05 | アナリスト水田雅展の銘柄分析