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2015年04月20日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カーリットホールディングスは16年3月期増収増益期待で切り返し

 自動車用緊急保安炎筒などを展開するカーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は、3月の戻り高値圏680円〜700円近辺から一旦反落したが、4月1日の618円から切り返している。15年3月期利益下振れ懸念を織り込んで調整が一巡したようだ。0.7倍近辺の低PBRも評価材料であり、16年3月期増収増益期待で切り返し展開だろう。

 日本カーリットが株式移転で設立した純粋持株会社である。化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、化成品関連、電子材料・機能性材料、危険性評価試験受託、2次電池充放電試験受託など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、スプリングワッシャー)を展開している。

 自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用を展開し、国内市場シェアは約8〜9割と想定されている。ボトリング事業は伊藤園<2593>向けが主力である。半導体用シリコンウェーハは小口径4〜6インチのニッチ市場を主力としている。海外は中国・上海、シンガポールに展開している。

 前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略で事業の多様化を推進した。12年1月に工業用塗料販売・塗装工事の富士商事、12年8月に耐火・耐熱金物製造販売の並田機工、13年10月に一級建築士事務所の総合設計、14年2月に各種スプリング製造・販売の東洋発條工業を子会社化した。

 そして15年2月に新中期経営計画「礎100」を発表した。18年の創業100周年を迎え、次の100年企業の礎となる事業基盤確立を推進する。目標数値は18年度の売上高650億円、営業利益35億円、15年度〜18年度4年間合計の設備投資額200億円とした。中長期目標は24年度までに売上高1000億円到達としている。

 基本戦略としては、成長基盤強化(新商品・新規事業の創出と育成、M&Aや資本・技術提携など)、収益基盤強化(既存事業での領域拡大、付加価値の向上など)、グループ経営基盤強化(グループシナジーの最大化、関連企業の統合・再編、R&Dの新体制構築、海外展開の強化、CSR経営の推進など)を掲げている。

 新商品・新規事業の創出と育成に関しては、ロケット用など高エネルギー化学物質の宇宙産業への展開、環境・エネルギー関連の次世代蓄電デバイスへの展開、ライフサイエンス関連のヘルスケア材料・農薬関連への展開、無機機能材料の展開など、重点分野を一段と強化する方針だ。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は売上高が前々期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比14.7%増収、35.5%営業減益、31.3%経常減益、4.3%最終減益で、通期見通しに対する進捗率は売上高70.7%、営業利益37.2%、経常利益40.7%、純利益57.3%とやや低水準だった。東洋発條工業の新規連結も寄与して大幅増収だったが、利益面では新規連結子会社ののれん償却を含む販管費の増加、2次電池充放電受託試験設備の償却負担、ボトリング事業での設備メンテナンスなどが影響した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)106億67百万円、第2四半期(7月〜9月)115億52百万円、第3四半期(10月〜12月)110億29百万円、営業利益は第1四半期54百万円の赤字、第2四半期2億67百万円、第3四半期3億82百万円である。

 今期(16年3月期)は、緊急脱出用ガラス破壊器具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、2次電池充放電受託試験の本格稼働に伴う収益化、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの拡販、ボトリング事業での新商品受注、並田機工のごみ焼却場向け需要増加などで増収増益が予想される。

 中期的にも積極的なM&A戦略の効果、新商品・新規事業の育成、経営資源の有効配分、グループシナジーの最大化などで収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、3月期末の配当権利落ちも影響して3月の戻り高値圏680円〜700円近辺から一旦反落したが、4月1日の618円から切り返しの動きを強めている。15年3月期利益下振れ懸念を織り込んで調整が一巡したようだ。

 4月17日の終値644円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は14〜15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。0.7倍近辺の低PBRも評価材料であり、16年3月期増収増益期待で切り返し展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 21:50 | アナリスト水田雅展の銘柄分析