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2015年04月27日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナは日柄調整完了して上値試す、中期的視点で評価

 ユーグレナ<2931>(東1)の株価は高値圏2000円近辺で堅調に推移している。日柄調整が完了して動意のタイミングのようだ。単なる食品関連企業ではなく、次世代型バイオ燃料に対する中期的視点の評価を高めて上値を試す展開だろう。なお5月13日に第2四半期累計(10月〜3月)の業績発表を予定している。

 05年に世界で初めて微細藻類ミドリムシ(学名ユーグレナ、虫ではなく藻の一種)の食品用途屋外大量培養技術を確立した東京大学発ベンチャーで、世界で唯一ミドリムシを数十トン規模で商業屋外大量培養している。ミドリムシは植物と動物の両方の性質を併せ持ち、59種類の豊富な栄養素をバランスよく含んでいることが特徴だ。

 ミドリムシを配合した機能性食品・化粧品などを製造販売およびOEM供給するヘルスケア事業で安定的なキャッシュフローを獲得しながら、微細藻類由来の次世代型バイオ燃料(ジェット燃料、ディーゼル燃料)や水質浄化などの開発・事業化を進める「バイオマスの5F」を基本戦略としている。

 ミドリムシ配合の機能性食品が人気化するとともに、食糧資源関連や次世代型バイオ燃料関連として注目度を高めている。各分野で日本を代表する大手企業との資本・業務提携、共同開発、コラボレーションが相次いでいることも注目点だ。

 中期経営計画では18年9月期のヘルスケア事業売上高150億円を目標として、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販とともに、イトーヨーカ堂との「ミドリムシカラダに委員会」など、ミドリムシ配合の商品開発で大手流通チェーン・食品メーカーとのコラボレーションが活発化している。また14年10月には武田薬品工業<4502>と包括提携した。武田薬品工業が健康補助食品「タケダのユーグレナ 緑の習慣」を発売し、ミドリムシ特有成分「パラミロン」の注目度も高めた。

 なお3月24日にユーキとアート・コーポレーションを株式交換(効力発生日5月1日予定)で完全子会社化すると発表し、4月24日に株式交換比率を発表した。ユーキ1株に対して当社3998株、アート1株に対して当社51株を割り当て、新たに53万5616株を発行する。両社は「ミドリムシのちから」ブランドでのユーグレナ機能性食品・化粧品の卸売事業などを展開し、全国1万3000店舗以上の販売店網を形成する大口OEM取引先である。完全子会社化することで販売網および販売ノウハウを取り込む。

 微細藻類由来の次世代型バイオ燃料では、JX日鉱日石エネルギー(JXホールディングス<5020>)および日立製作所<6501>と次世代型バイオジェット燃料の共同開発、いすゞ自動車<7202>と次世代型バイオディーゼル燃料「DeuSEL(デューゼル)プロジェクト」を推進している。いずれも18年の低コスト生産技術確立と20年の事業化を目指している。水質浄化技術では清水建設<1803>、佐賀市、火力発電所のCO2固定化技術では住友共同火力との共同開発も進めている。

 15年2月にはバイオ燃料精製実証設備の建設に向けて、米CLG社(石油メジャーの米シェブロン社とエンジニアリング大手の米CB&I社の合弁会社)と、バイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術を採用することに関する基本合意書を締結した。ライセンス契約等を締結して、バイオ燃料精製実証設備の設計・建設を開始する。

 また4月17日には、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校にて、ユーグレナの遺伝子組み換え体であるスーパーユーグレナ等のバイオジェット燃料向けユーグレナ培養研究を開始したと発表している。同校は世界有数の藻類研究機関であり、同校の持つノウハウや設備を活かしてバイオジェット燃料向けユーグレナ屋外培養に向けた研究を実施する。

 海外では、ミドリムシの栄養素を活用して世界の貧困問題を解決することを目指し、14年4月からバングラデシュで子供たちにミドリムシ入りクッキーを無償配布する「ユーグレナGENKIプログラム」を推進している。15年3月末段階での配布数は約48万食となり、15年4月から開始する2年目については約100万食の配布を目指すとしている。

 また中国では食品登録許可「新食品原料」を取得、東南アジアのイスラム圏では「ハラール認証」を取得して本格的な事業展開の準備を進めている。

 15年1月に台湾系の食品原料販売会社である統園企業股份有限公司の子会社統園国際有限公司と合弁で、中国に上海優端納生物科技有限公司(仮称)を設立(15年4月予定、当社出資比率70%)すると発表した。中国において微細藻類ユーグレナを使用した自社製品販売やOEM販売を展開する。

 なお4月10日には、当社、SMBC日興証券およびリバネスが、次世代先端技術を開発する研究開発型ベンチャー企業の支援を行うことを目的としたベンチャーキャピタル「次世代日本先端技術育成ファンド」(通称:リアルテック育成ファンド)を設立すると発表した。日本たばこ産業(JT)<2914>など各分野において日本を代表する企業も出資者に迎える。また経済産業省のベンチャー投資促進税制の認定を受けた。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月13日公表)は売上高が前期比55.0%増の47億22百万円、営業利益が同45.3%減の77百万円、経常利益が同34.0%増の2億56百万円、純利益が同48.8%増の1億75百万円としている。

 中期成長に向けた先行投資で広告宣伝費や研究開発費が増加するため営業減益見通しだが、売上面では収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」における食品直販が増加基調であり、OEM供給拡大も寄与して大幅増収見通しだ。経常利益と純利益は助成金収入の増加が寄与する。

 第1四半期(10月〜12月)は前年同期比65.8%増収、同44.6%営業増益、同5.2倍経常増益、同8.0倍最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が24.6%、営業利益が76.6%、経常利益が31.3%、純利益が30.3%だった。積極的な広告宣伝効果も寄与してヘルスケア事業が順調に拡大している。通期増額の可能性もありそうだ。

 株価の動き(14年12月3日付で東証1部に変更)を見ると、米シェブロンからの技術供与を好感して2月高値2177円まで急伸し、その後も高値圏2000円近辺で堅調に推移している。

 4月24日の終値は1985円だった。週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近してきた。日柄調整が完了して動意のタイミングのようだ。単なる食品関連企業ではなく、次世代型バイオ燃料に対する中期的視点の評価を高めて上値を試す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:55 | アナリスト水田雅展の銘柄分析