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2015年05月08日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事は16年3月期減益予想の売りが一巡、レンジ下限から切り返し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。4月28日に15年3月期決算を発表した。株価は16年3月期の減益予想で28日に付けた年初来高値280円から一転して急反落したが、7日は小幅反発して売り一巡感を強めている。指標面の割安感が強く、255円近辺のボックスレンジ下限から切り返し展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 4月28日に発表した前期(15年3月期)の連結業績は売上高が前々期比3.5%増の8704億07百万円、営業利益が同18.3%増の67億88百万円、経常利益が同23.6%増の65億75百万円、純利益が同25.8%増の39億74百万円だった。鉄鋼や非鉄金属の好調が牽引して鉄鋼原料の価格下落などを吸収した。

 配当予想は4月28日に2円増額修正して年間8円(第2四半期末3円、期末5円)とした。前々期との比較では2円増配となる。なおROE(自己資本当期純利益率)は前々期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%となった。

 セグメント別(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は取扱数量が減少したが価格上昇が寄与して5.2%増収、27.2%増益、鉄鋼原料は取扱数量が増加したが価格下落が影響して6.9%減収、38.7%減益、非鉄金属は自動車関連や半導体関連の好調が牽引して17.7%増収、51.9%増益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などが好調で16.2%増収、83.4%増益、溶材は造船向けや鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加して8.8%増収、2.1倍増益だった。

 四半期別推移を見ると売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円と好調に推移した。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同13.1%減の59億円、経常利益が同13.3%減の57億円、純利益が同11.9%減の35億円、配当予想が前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。

 セグメント別の計画(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)を見ると、鉄鋼は取扱数量増加で3.3%増収だが国内の人員増やメキシコ新工場の創業費用で25.0%減益、鉄鋼原料は17.3%減収だが在庫評価減戻り益などで57.8%増益、非鉄金属は自動車関連などの好調で15.4%増収だが販管費増加や配当収入減少で5.9%減益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で9.7%増収、28.4%増益、そして溶材は7.0%増収、4.6%増益としている。

 世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準である。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は創業費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与本格化が期待される。現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)の目標達成は難しくなったが、グローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、4月28日の取引時間中に年初来高値280円を付けたが、16年3月期の減益予想で一転して急反落し、5月1日の255円まで調整した。ただし7日は終値で前日比2円高と小幅反発して売り一巡感を強めている。

 5月7日の終値259円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円53銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなって下げ渋る動きだ。指標面の割安感が強く、255円〜275円近辺のボックスレンジ下限から切り返し展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:15 | アナリスト水田雅展の銘柄分析