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2015年07月14日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事は指標面の割安感を評価してボックスレンジ下限から反発

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。株価は地合い悪化の影響を受け、年初来高値圏から急反落して9日の年初来安値まで調整したが、1桁台の予想PER、3%台の予想配当利回り、1倍割れの実績PBRと指標面の割安感は強い。250円〜280円近辺のボックスレンジ下限から反発展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社でグローバル展開を強化

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

■16年3月期はメキシコ立ち上げ費用などで減益予想だが増額含み

 前期(15年3月期)の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。概ね順調に推移した。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同13.1%減の59億円、経常利益が同13.3%減の57億円、そして純利益が同11.9%減の35億円としている。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は20.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)を見ると、鉄鋼は取扱数量の増加で前期比3.3%増収だが、国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用で同25.0%減益、鉄鋼原料は同17.3%減収だが在庫評価減戻り益などで同57.8%増益、非鉄金属は自動車関連などの好調で同15.4%増収だが、販管費の増加や配当収入の減少で同5.9%減益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、同28.4%増益、そして溶材は同7.0%増収、同4.6%増益としている。

 世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準であり、関連商材が好調に推移しそうだ。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は立ち上げ費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与本格化が期待される。

 16年3月期は国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用などで減益予想だが、自動車関連やエレクトロニクス関連の好調などで増額含みだろう。また現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)における16年3月期目標数値の達成はやや難しくなったが、M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の影響を受けたがレンジ下限から反発期待

 株価の動きを見ると、6月8日に288円まで上伸して14年9月285円を突破したが、全般地合い悪化の影響を受けて年初来高値圏から急反落し、7月9日の年初来安値253円まで調整した。ただし概ね250円〜280円近辺のボックスレンジ下限に到達した形だ。

 7月13日の終値258円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円53銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。

 地合い悪化の影響で7月9日の年初来安値まで一気に調整したが、週足チャートで見ると250円〜280円近辺のボックスレンジ下限に到達した形だ。1桁台の予想PER、3%台の予想配当利回り、1倍割れの実績PBRと指標面の割安感は強い。ボックスレンジ下限から反発展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:03 | アナリスト水田雅展の銘柄分析