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2015年07月28日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】鉄人化計画は上値追いで06年以来の高値水準、収益改善基調を評価する流れに変化なし

 鉄人化計画<2404>(東2)はカラオケルーム運営を主力として、不採算店・事業整理も進めて収益改善基調である。株価は13年5月高値671円を突破して上値追いの展開だ。第3四半期累計(9月〜5月)の大幅増益も好感して15日と27日には年初来高値となる707円まで上伸した。06年以来の高値水準だ。収益改善基調を評価する流れに変化はないだろう。

■カラオケルーム運営事業が主力

 首都圏中心に展開する「カラオケの鉄人」ブランドのカラオケルーム運営事業を主力として、京都中心に「からふね屋珈琲店」を展開するフルサービス型珈琲ショップ運営事業、「カラオケの鉄人モバイル(カラ鉄モバイル)」サイト運営やコンテンツ配信ASPサービスのCP事業を展開している。その他事業としてはビリヤード・ダーツ遊技場運営、まんが喫茶(複合カフェ)運営、音響設備販売、海外事業(グアムのエンターテイメントレストラン運営)も展開している。

 カラオケルーム運営事業は、すべてのルームで複数の通信カラオケメーカーの機種が利用できる独自開発のカラオケ集中管理システム「鉄人システム」をベースとして、50万曲を超える豊富な楽曲配信、独自分析によるオリジナル楽曲の配信、顧客情報のデータベース化などを特徴としている。

 出店戦略は20ルーム前後の中小型店舗で設備投資負担が小さい居抜き物件への出店を基本としている。首都圏中心部の駅前立地などでは40ルーム以上の大型店も出店する。なお14年8月期からは、従来の拡大路線から収益性と効率性を重視した厳選出店戦略に変更し、不採算店の営業フロア縮小・業態転換・閉店も進めて収益改善に注力している。

 またコア事業であるカラオケルーム運営事業の収益向上に注力するため、グループ内の経営資源を本業に集中させ、不採算事業・子会社の整理も進めている。

 業績不振だった韓国カラオケ店舗事業については14年6月に当社持分の全部を譲渡した。15年1月には台湾でフルサービス型珈琲ショップを運営する連結子会社の解散を発表した。15年4月には広告代理店業務などを展開する子会社パレードの解散を発表した。また15年7月には100%子会社のシステムプランベネックスを吸収合併した。

■15年8月期は収益改善基調

 なお当社の収益構造に関しては、カラオケルーム運営事業が季節要因の影響を受けやすく、忘年会・新年会シーズンの第2四半期(12月〜2月)、および歓送迎会シーズンの第3四半期(3月〜5月)が繁忙期となり、売上・利益構成比が高いという特徴がある。

 14年8月期の四半期別推移を見ると売上高は第1四半期(9月〜11月)22億92百万円、第2四半期(12月〜2月)27億95百万円、第3四半期(3月〜5月)26億53百万円、第4四半期(6月〜8月)24億11百万円で、営業利益は第1四半期2億12百万円の赤字、第2四半期2億86百万円の黒字、第3四半期1億49百万円の黒字、第4四半期82百万円の黒字だった。

 7月15日に発表した今期(15年8月期)第3四半期累計(9月〜5月)の連結業績は売上高が前年同期比4.3%減の74億07百万円、営業利益が同65.2%増の3億69百万円、経常利益が同2.4倍の4億23百万円、純利益が2億38百万円(前年同期は3百万円)だった。不採算店の閉鎖や不採算事業の縮小で減収だったが、売上総利益率が2.4ポイント改善して大幅増益だった。

 セグメント別(全社費用等調整前)に見ると、カラオケルーム運営事業は売上高が同3.4%減の61億99百万円だが、営業利益が同23.3%増の7億36百万円だった。不採算店閉鎖で減収だったが、繁忙期における全店一斉販売促進キャンペーン展開、閑散期における店舗原価削減施策の推進、法人営業部門立ち上げ、商圏特性に応じた個店販促などの効果で大幅増益だった。なお既存店売上高は同98.4%だった。

 フルサービス型珈琲ショップ運営事業は売上高が同4.0%増の6億08百万円、営業利益が同35.5%増の27百万円だった。接遇サービス向上などの効果で既存店売上高が同106.7%と好調に推移した。利益面では設備投資抑制によるコストダウン効果も寄与した。

 CP事業は売上高が同27.0%減の2億48百万円だったが、営業利益が同10.9%増の1億59百万円だった。スマートフォンへの乗り換えなどで減収傾向だが、効率的なサイト運営の効果で増益だった。

 その他事業は売上高が同24.4%減の4億93百万円、営業利益が19百万円(前年同期は8百万円の赤字)だった。ビリヤード・ダーツ遊技場運営、まんが喫茶(複合カフェ)運営は不採算店閉鎖の影響で減収だったが、コスト削減などで営業損益が改善した。

 通期の連結業績予想は前回予想(10月15日公表)を据え置いて売上高が前期比1.7%減の99億80百万円、営業利益が同80.9%増の5億52百万円、経常利益が同2.0倍の5億93百万円、純利益が同2.5倍の3億35百万円としている。配当予想は同6円50銭増配の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)で予想配当性向は20.39%となる。

 厳選出店戦略や不採算店閉鎖などで通期も減収見通しだが、カラオケルーム運営事業では店舗商圏・環境を意識したセグメント・マーケティングを推進して売上高の維持と利益率の向上を目指し、フルサービス型珈琲ショップ運営事業では京都河原町三条・本店におけるブランドイメージの構築やオリジナルスイーツの販売を推進する。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(9月〜11月)22億78百万円、第2四半期(12月〜2月)27億25百万円、第3四半期(3月〜5月)24億04百万円、営業利益は第1四半期1億01百万円の赤字、第2四半期3億34百万円の黒字、第3四半期1億36百万円の黒字だった。

 そして通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益66.9%、経常利益71.3%、純利益71.1%である。厳選出店戦略や不採算店閉鎖の効果、既存店舗オペレーション見直しの効果、効率的な販売促進活動の効果などで営業損益は改善基調であり、通期ベースでも好業績が期待される。

 カラオケルーム運営事業は大手チェーンとの競合が激しいが、収益性の高い地域に厳選した出店戦略、顧客満足度向上に向けた店舗教育の強化、オリジナル楽曲の開発・提供加速、大手レーベルとのコラボレーション企画などの営業強化策、店舗オペレーションの効率化などの施策を推進している。中期的に収益改善基調だろう。

 なお、27日に、8月6日付で既存借入金のリファイナンス資金の調達を目的として、総額29億円のシンジケートローン契約を締結することを決議した。既存借入金のリファイナンスにより、有利子負債の削減を確実に進め、財務健全性を高めること及び支払利息の削減を目的としたものである。

■株価は上値追いで06年以来の高値水準

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、1)当社カラオケ店舗「会員カード」、2)当社グループで使用可能な「飲食ご優待券」、3)からふね屋珈琲「ご優待ギフト」の3点を贈呈する。なお2)と3)は保有株数に応じて贈呈する。

 株価の動き(15年1月1日付で東証マザーズから東証2部に市場変更)を見ると、13年5月高値671円を突破して上値追いの展開だ。全般地合い悪化の影響で7月9日に551円まで調整する場面があったが、素早く切り返して15日と27日には年初来高値となる707円まで上伸した。06年以来の高値水準だ。収益改善基調を評価する動きだろう。

 7月27日の終値707円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円95銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS286円16銭で算出)は2.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。収益改善基調を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 09:14 | アナリスト水田雅展の銘柄分析