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2015年09月24日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】鉄人化計画は16年8月期も収益改善基調

 鉄人化計画<2404>(東2)はカラオケルーム運営を主力としている。不採算店や不採算事業の整理を進めて16年8月期も収益改善基調だ。株価は8月期末の配当・株主優待権利取り通過や悪地合いの影響で急落する場面があったが、その後は切り返しの動きを強めている。収益改善基調を評価して出直り展開だろう。

■カラオケルーム運営事業が主力

 首都圏中心に展開する「カラオケの鉄人」ブランドのカラオケルーム運営事業を主力として、「カラオケの鉄人モバイル(カラ鉄モバイル)」サイト運営やコンテンツ配信ASPサービスのCP事業、ビリヤード・ダーツ遊技場運営、まんが喫茶(複合カフェ)運営、音響設備販売、海外事業(グアムのエンターテイメントレストラン運営)も展開している。

 カラオケルーム運営事業は、すべてのルームで複数の通信カラオケメーカーの機種が利用できる独自開発のカラオケ集中管理システム「鉄人システム」をベースとして、50万曲を超える豊富な楽曲配信、独自分析によるオリジナル楽曲の配信、顧客情報のデータベース化などを特徴としている。

 出店戦略は20ルーム前後の中小型店舗で設備投資負担が小さい居抜き物件への出店を基本としている。首都圏中心部の駅前立地などでは40ルーム以上の大型店も出店する。なお14年8月期からは、従来の拡大路線から収益性と効率性を重視した厳選出店戦略に変更し、不採算店の営業フロア縮小・業態転換・閉店も進めて収益改善に注力している。

■不採算事業の整理が進展

 さらにコア事業であるカラオケルーム運営事業の収益向上に注力するため、グループ内の経営資源を本業に集中させ、不採算事業・子会社の整理も進めている。

 14年6月には業績不振だった韓国カラオケ店舗事業について当社持分の全部を譲渡した。15年1月には台湾でフルサービス型珈琲ショップを運営する連結子会社の解散を発表した。15年4月には広告代理店業務などを展開する子会社パレードの解散を発表した。15年7月には100%子会社のシステムプランベネックスを吸収合併した。

 そして15年7月には、京都を中心に「からふね屋珈琲店」を展開するフルサービス型珈琲ショップ運営事業について、運営子会社(からふね屋珈琲)の全株式をジェイアール西日本フードサービスに譲渡(実行日8月25日)すると発表した。

■第2四半期(12〜2月)および第3四半期(3〜5月)が繁忙期の収益構造

 当社の収益構造に関しては、カラオケルーム運営事業が季節要因の影響を受けやすく、忘年会・新年会シーズンの第2四半期(12月〜2月)、および歓送迎会シーズンの第3四半期(3月〜5月)が繁忙期となり、売上・利益構成比が高いという特徴がある。

 14年8月期の四半期別推移を見ると売上高は第1四半期(9月〜11月)22億92百万円、第2四半期(12月〜2月)27億95百万円、第3四半期(3月〜5月)26億53百万円、第4四半期(6月〜8月)24億11百万円で、営業利益は第1四半期2億12百万円の赤字、第2四半期2億86百万円の黒字、第3四半期1億49百万円の黒字、第4四半期82百万円の黒字だった。

■15年8月期大幅増益予想、16年8月期も収益改善基調

 前期(15年8月期)連結業績予想(10月15日公表)は売上高が前々期比1.7%減の99億80百万円だが、営業利益が同80.9%増の5億52百万円、経常利益が同2.0倍の5億93百万円、純利益が同2.5倍の3億35百万円としている。配当予想は同6円50銭増配の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)で予想配当性向は20.39%となる。

 厳選出店戦略や不採算店閉鎖などで減収予想だが、カラオケルーム運営事業における店舗商圏・環境を意識したセグメント・マーケティングの推進、既存店舗オペレーション見直しの効果などで大幅増益予想だ。

 なお子会社からふね屋珈琲の株式譲渡に伴い、特別利益に関係会社株式譲渡益3億26百万円を特別利益に計上する。

 また8月25日に特別利益と特別損失の計上を発表した。経営資源の有効活用および財務体質改善に向けて、特別利益に固定資産(賃貸用不動産および店舗)譲渡益1億78百万円を計上する。一方でカラオケルーム運営事業における資産内容精査の結果、特別損失に1億57百万円を計上する。業績予想に修正が必要となる場合は確定次第速やかに開示するとしている。

 第3四半期累計(9月〜5月)は、売上高が前年同期比4.3%減の74億07百万円だが、営業利益が同65.2%増の3億69百万円、経常利益が同2.4倍の4億23百万円、純利益が2億38百万円(前年同期は3百万円)だった。不採算店の閉鎖や不採算事業の縮小で減収だったが、売上総利益率が2.4ポイント改善して大幅増益だった。

 主力のカラオケルーム運営事業は売上高が同3.4%減の61億99百万円だが、営業利益(全社費用等調整前)が同23.3%増の7億36百万円だった。不採算店閉鎖で減収だったが、繁忙期における全店一斉販売促進キャンペーン展開、閑散期における店舗原価削減施策の推進、法人営業部門立ち上げ、商圏特性に応じた個店販促などの効果で大幅増益だった。なお既存店売上高は同98.4%だった。

 フルサービス型珈琲ショップ運営事業は売上高が同4.0%増の6億08百万円、営業利益が同35.5%増の27百万円だった。接遇サービス向上などの効果で既存店売上高が同106.7%と好調に推移した。

 CP事業は売上高が同27.0%減の2億48百万円だったが、営業利益が同10.9%増の1億59百万円だった。スマートフォンへの乗り換えなどで減収傾向だが、効率的なサイト運営の効果で増益だった。

 その他事業は売上高が同24.4%減の4億93百万円、営業利益が19百万円(前年同期は8百万円の赤字)だった。ビリヤード・ダーツ遊技場運営、まんが喫茶(複合カフェ)運営は不採算店閉鎖の影響で減収だが、コスト削減などで営業損益が改善した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(9月〜11月)22億78百万円、第2四半期(12月〜2月)27億25百万円、第3四半期(3月〜5月)24億04百万円、営業利益は第1四半期1億01百万円の赤字、第2四半期3億34百万円の黒字、第3四半期1億36百万円の黒字だった。繁忙期である第2四半期および第3四半期の売上・利益構成比が高いという特徴を考慮しても、営業損益は改善基調だろう。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益66.9%、経常利益71.3%、純利益71.1%である。やや低水準の形だが、厳選出店戦略や不採算店閉鎖の効果、既存店舗オペレーション見直しの効果、効率的な販売促進活動の効果などで営業損益は改善基調であり、通期ベースでも好業績が期待される。

 カラオケルーム運営事業は大手チェーンとの競合が激しいが、収益性の高い地域に厳選した出店戦略、顧客満足度向上に向けた店舗教育の強化、オリジナル楽曲の開発・提供加速、大手レーベルとのコラボレーション企画などの営業強化策、店舗オペレーションの効率化などの施策を推進している。不採算店および不採算事業の整理進展も寄与する。16年8月期も収益改善基調だろう。

■株価は売り一巡して切り返し

 15年7月に総額29億円のシンジケートローン契約締結を発表した。既存借入金のリファイナンス資金の調達を目的として、8月6日付でトランシェA18億円(実行日9月30日予定)、トランシェB11億円(コミットメント期間開始日15年9月1日、満了日16年8月30日)のシンジケートローン契約を締結した。既存借入金のリファイナンスによって有利子負債の削減を着実に進めて財務健全性を高める。

 また子会社からふね屋珈琲の株式譲渡に伴って15年7月、株主優待制度の内容変更を発表した。変更後は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、@当社カラオケ店舗「会員カード」、A当社カラオケ店舗およびマンガ店舗で使用可能な「飲食ご優待券」の2商品を贈呈する。なおAは保有株数に応じて贈呈する。

 株価の動きを見ると、8月24日に年初来高値745円まで急伸する場面があったが、8月期末の配当・株主優待権利取り通過や悪地合いの影響で9月8日の517円まで調整した。ただしその後は切り返しの動きを強めている。9月15日には594円まで戻す場面があった。悪地合いに伴う売りは概ね一巡したようだ。

 9月18日の終値570円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS53円95銭で算出)は10〜11倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は1.9%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS286円16銭で算出)は2.0倍近辺である。なお時価総額は約38億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺から切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だ。16年8月期収益改善基調期待で出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:18 | アナリスト水田雅展の銘柄分析