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2015年11月16日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーコーヒーは調整一巡、株主還元姿勢や16年3月期増収増益基調を評価

 キーコーヒー<2594>(東1)はレギュラーコーヒーの大手で新たな事業領域開拓戦略を積極推進している。株価は8月の上場来高値2370円から反落して水準を切り下げたが、直近安値圏1900円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。積極的な株主還元姿勢や16年3月期増収増益基調を評価して出直り展開だろう。

■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開

 コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド力強化、収益力強化、グループ連携強化を柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を積極推進している。

 イタリアントマトは、15年3月期の新規出店17店舗、閉店27店舗で、15年3月期末店舗数は直営64店舗、FC228店舗の合計292店舗だった。「国内は充実、海外は拡大」という基本方針に加えて、新業態店舗開発を促進し、中国やASEAN地域へ積極展開している。また効率的な生産・供給体制を構築するため、首都圏の3工場を集約した東京工場グランデを14年11月に竣工した。

■新たな事業領域開拓を積極推進

 M&Aも活用して積極的な業容拡大戦略を推進している。13年1月銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化、14年2月ネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。14年9月には世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.A(イタリア)と、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。

 なお通販事業を展開するhonu加藤珈琲店は「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」を12年連続で受賞し、国内最大級のインターネットショッピングモール「Yahoo!ショッピング」においても「2014年年間ベストストア賞」を受賞した。

 15年4月にはスマートフォン向けアプリ「キーコーヒー ファンクラブ」を公開した。直営ショップ、KEYCOFFEE通販倶楽部、アマンド、ミヤマ珈琲など、各ブランドからのお得な情報、アプリ会員限定クーポン、おいしいコーヒーの入れ方など利用目的に応じて便利に使えるアプリだ。

 10月30日にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の北陸地方初出店となる「Fukui Shinbo KEYS CAFE」が、福井県福井市のショッピングセンター「ワイプラザ福井店」にオープンした。ネルドリップで丁寧に抽出する「氷温熟成珈琲」が味わえる本格カジュアルカフェである。

■コーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造、贈答用需要なども影響

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)138億78百万円、第2四半期(7月〜9月)136億77百万円、第3四半期(10月〜12月)152億55百万円、第4四半期(1月〜3月)135億13百万円、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期2億69百万円、第3四半期5億34百万円、第4四半期4億39百万円の赤字だった。

 原料のコーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造で、天候や贈答用需要なども影響する。なお15年3月期の売上総利益率は14年3月期比1.6ポイント低下して28.6%、販管費比率は同0.2ポイント低下して27.1%、ROEは同0.7ポイント低下して2.3%、自己資本比率は同1.2ポイント低下して72.3%、配当性向は44.9%だった。

■16年3月期増収増益基調

 10月26日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比18.9%増の327億52百万円で、営業利益が同3.4%増の7億75百万円、経常利益が同2.2%減の9億66百万円、純利益が同17.4%増の5億79百万円だった。

 コーヒー関連事業の増収が牽引して増収、営業増益だった。売上総利益率は25.5%で同5.0ポイント低下、販管費比率は23.1%で同4.7ポイント低下した。営業外収益で受取配当金が減少して経常減益だが、特別損失で前期計上の減損損失1億70百万円が一巡して最終増益だった。

 セグメント別に見ると、主力のコーヒー関連事業は売上高が同26.7%増の280億84百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同11.5%増の9億61百万円だった。積極的な営業活動が奏功し、業務用、家庭用、原料用とも増収だった。本格的なコーヒーを提供する「KEYS CAFE」は9店舗を出店し、導入店舗は29店舗となった。

 飲食関連事業は、イタリアントマトの不採算店整理で売上高が同16.3%減の25億75百万円、営業利益が44百万円の赤字(前年同期は36百万円の赤字)だった。イタリアントマトは新規出店が海外3店舗、閉店が18店舗で、15年9月末店舗数は直営68店舗、FC209店舗の合計277店舗となった。その他は売上高が同9.3%減の20億92百万円で、営業利益が同37.8%減の1億31百万円だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億94百万円、第2四半期(7月〜9月)166億58百万円、営業利益は第1四半期6億65百万円、第2四半期1億10百万円だった。

 通期の連結業績予想は、10月26日に前回予想(5月13日公表)から売上高を40億円増額修正して前期比13.6%増の640億円とした。各利益は前回予想を据え置いて、営業利益が同60.8%増の13億60百万円、経常利益が同29.6%増の18億円、純利益が同39.7%増の11億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で予想配当性向は32.1%となる。

 天候やコーヒー生豆相場の動向で収益が変動しやすいが、企画提案型営業の強化、生活者に対するブランド訴求、積極的な新商品の開発・市場投入、高付加価値商品の拡販、業務用・家庭用・原料用における価格改定浸透、CVS向けカウンターコーヒーの進捗、最適製造体制の確立、生産効率化、コスト低減などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.2%、営業利益が57.0%、経常利益が53.7%、純利益が51.2%である。通期ベースで好業績が期待される。

■株価は調整一巡

 株主優待制度については毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上〜300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上〜1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。

 なお10月28日、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって自己株式取得を実施した。取得株式総数45万株、取得価額8億7795万円(1株につき1951円)だった。

 株価の動きを見ると、8月の上場来高値2370円から反落して水準を切り下げたが、直近安値圏1900円近辺から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。

 11月13日の終値1954円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円82銭で算出)は39〜40倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1594円32銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約443億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から切り返す動きだ。積極的な株主還元姿勢や16年3月期増収増益基調を評価して出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:42 | アナリスト水田雅展の銘柄分析