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2015年11月24日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーウェアソリューションズはマイナンバー・サイバーセキュリティ・TPP関連

 キーウェアソリューションズ<3799>(東2)はシステム開発事業やSI事業を展開している。株価は安値圏推移だが下値固め完了感を強めている。マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連のシステム開発需要も期待され、農業ICT化サービス分野はTPP(環太平洋パートナーシップ)関連としても注目される。16年3月期大幅増益・復元配予想を評価して出直り展開だろう。

■NEC向け主力にシステム開発事業やSI事業を展開

 公共システムやネットワークシステムなどのシステム開発事業、SI(システムインテグレーション)事業、プラットフォーム事業、その他事業(運用・保守、機器販売、フロンティア事業など)を展開している。

 主要顧客は、筆頭株主であるNEC<6701>グループ向けが約4割を占め、NTT<9432>グループ、JR東日本<9020>グループ、三菱商事<8058>グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。

 ERP(統合業務パッケージ)関連やセキュリティ関連を一段と強化するとともに、NECと連携して医療分野や流通・サービス業分野にも事業領域を広げ、さらに農業ICT化分野にも参入している。

■医療分野を強化

 15年1月には経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」の「職場における健康投資に関する効果指標および投資環境整備(健康データのオープン化・小規模事業所)」に、職域健康投資コンソーシアムとして参画した。また総務省「新たなワークスタイルの実現に資するテレワークモデルの実証」プロジェクトにモデル企業として選ばれ、15年1月から実証を開始している。

 15年10月には、東北福祉大学健康科学部の関田康慶教授(東北大学名誉教授)の医療安全研究グループ、およびアウトカム・マネジメント(福島県相馬郡)と共同で、医療安全管理モニタリング情報システム「HoSLM(ホスルム)」を開発し、医療機関向けに販売開始した。

■農業のICT化サービス分野に参入

 15年3月には、自治体向けに農作物の品質・生産性向上や栽培技能の継承を支援する農業ICTサービス「OGAL(オーガル)」シリーズの提供を開始した。圃場に設置した各種センサーから収集した環境情報を遠隔からリアルタイムでモニタリングできるクラウド型サービスで、14年6月に宮城県亘理町いちごファームが導入して研究利用が開始されている。

 また慶応義塾大学SFC研究所が農業ICTの普及と農業情報標準化に向けて設立したアグリプラットフォームコンソーシアムに参画した。政府が取り組む農業分野IT施策方針「農業情報創成・流通促進戦略」などを踏まえて、産学連携により国の農業IT施策の実地検証を行うとしている。

 15年7月には地方創生に向けた新規就農者育成を支援するため、農業ICTサービス「OGAL(オーガル)」にNECソリューションイノベータの「NEC営農指導支援システム」との連携機能を実装し、自治体・JA・農業法人に対して提供開始した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)33億34百万円、第2四半期(7月〜9月)39億19百万円、第3四半期(10月〜12月)40億67百万円、第4四半期(1月〜3月)50億62百万円、営業利益は第1四半期3億24百万円の赤字、第2四半期1億95百万円の赤字、第3四半期70百万円の黒字、第4四半期4億51百万円の黒字だった。

 第4四半期の構成比が高い収益構造である。そして不採算案件が一巡して営業損益は改善基調だ。

■16年3月期第2四半期は四半期ベースで営業黒字転換、通期復元配予想

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は、売上高が前期比8.0%増の177億円、営業利益が5億円(前期は2百万円)、経常利益が4億20百万円(同65百万円)、純利益が3億70百万円(同78百万円の赤字)としている。配当予想は年間10円(期末一括)の復元配で予想配当性向は22.5%となる。

 不採算・低採算案件の減少、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)関連のシステム開発需要、および販管費の抑制などの効果で収益が大幅に改善する見込みだ。

 第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.2%増の74億16百万円で、営業利益が2億78百万円の赤字(前年同期は5億19百万円の赤字)、経常利益が2億67百万円の赤字(同5億25百万円の赤字)、純利益が3億08百万円の赤字(同5億66百万円の赤字)だった。全体の受注高は同3.5%増の82億23百万円だった。

 不採算・低採算プロジェクトの減少、損失引当金の減少で赤字が縮小した。売上総利益率は同3.9ポイント上昇して14.1%、販管費比率は同0.4ポイント上昇して17.8%となった。

 セグメント別に見ると、システム開発事業は受注高が同10.0%減の50億87百万円、売上高が同4.4%減の47億38百万円、営業利益(連結調整前)が1億77百万円の赤字(同4億33百万円の赤字)だった。医療系・メディア系の新規大型案件を受注したが、既存顧客のシステムリプレース需要の端境期にあたる官公庁・運輸系の案件が減少した。ただしプロジェクト管理の徹底で営業赤字が縮小した。

 SI事業は受注高が同19.6%減の7億34百万円、売上高が同5.2%減の9億26百万円、営業利益が同3.6倍の62百万円だった。ERP系の新規大型案件を獲得したが、継続案件の終息・縮小で受注高・売上高とも減少した。営業損益面では高収益案件の増加が寄与した。

 プラットフォーム事業は受注高が同3.3倍の17億39百万円、売上高が同2.0倍の9億30百万円、営業利益が19百万円の赤字(同67百万円の赤字)だった。インフラ構築系の大型案件が寄与して受注高、売上高とも大幅増となり、増収効果で営業赤字が縮小した。

 その他は受注高が同22.5%減の6億61百万円、売上高が同4.4%減の8億21百万円、営業利益が88百万円の赤字(同42百万円の赤字)だった。機器販売やライセンス販売は堅調だったが、EC/Web系の継続案件が縮小した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)32億31百万円、第2四半期(7月〜9月)41億85百万円、営業利益は第1四半期2億91百万円の赤字、第2四半期13百万円の黒字だった。第2四半期は増収効果で営業黒字化した。

 通期ベースでは、国・地方を通じた行政情報システムの改革、20年東京夏季五輪に向けたITインフラ投資需要、さらにマイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連なども寄与して受注拡大が期待される。収益は改善基調だろう。

■中期計画で18年3月期営業利益10億円目標

 16年3月期を初年度とする新中期経営計画では長期基本方針を、既存事業の収益性向上と安定化、ポートフォリオの多様化、経営基盤の整備・改革としている。

 既存事業のシステム開発事業では収益性の高い案件へのリソースシフト、SI事業ではSAPビジネスの拡大やコンサルティングファームとの連携推進などによるERP事業の売上・利益の拡大、またフロンティア事業(新規事業)ではスマートアグリやヘルスケア・医療分野でのビジネスチャンス創出を推進する。

 経営目標値としては18年3月期売上高190億円、営業利益10億円、売上高営業利益率5.3%を掲げた。プロジェクト横断機能のさらなる強化や、マイナンバー制度関連のビジネスの取り込みも推進する方針であり、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は下値固め完了感

 株価の動きを見ると、8月の直近安値460円から一旦反発したが、10月以降はやや戻りが鈍くなり、11月以降はやや水準を切り下げて安値圏500円台で推移している。ただし8月の直近安値まで下押す動きは見られず下値固め完了感を強めている。

 11月20日の終値545円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円47銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS702円85銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約50億円である。

 週足チャートで見ると再び52週移動平均線を割り込んだが、戻りを押さえている13週移動平均線が横向きに転じた。下値固めが概ね完了したようだ。マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連のシステム開発需要も期待され、農業ICT化サービス分野はTPP(環太平洋パートナーシップ)関連としても注目される。16年3月期大幅増益・復元配予想を評価して出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:18 | アナリスト水田雅展の銘柄分析