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2016年01月12日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヨコレイは昨年来高値圏で堅調、16年9月期増収増益基調でTPP関連も注目

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫の大手で食品販売事業も展開している。16年9月期は増収増益基調だ。株価は地合い悪化の状況でも昨年来高値圏で堅調に推移している。TPP(環太平洋パートナーシップ)関連も注目テーマだ。1倍割れ水準の低PBRも見直して上値を試す展開だろう。

■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開

 冷蔵倉庫事業、および水産品・畜産品・農産品などの食品販売事業を展開している。

 食品販売事業では15年11月、ノルウェーの大手水産加工会社ホフセスインターナショナル(HI社)と、資本参加を含めた包括的業務提携を締結(調印式は15年8月)したと発表している。業務提携によって当社グループは、HI社が生産するノルウェー産アトランティックサーモン加工品の北米・欧州の大手量販店向け輸出販売などを開始する。日本国内向けビジネスでは鮭ハラス製品の独占販売権を取得した。

 またHI社との共同出資でHFSアライアンス社を設立し、サーモンオイルを成分としたサプリメントの中国向けネット通販を開始する。

■低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築

 冷蔵倉庫事業では物流アウトソーシングサービスを軸とした総合低温物流への取り組みを強化し、低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開に向けて積極投資を進めている。

 国内では14年4月北海道小樽市・石狩第2物流センター、14年6月大阪市・夢洲物流センター、14年10月宮崎県都城市・都城第2物流センターが竣工した。海外はASEAN地域への展開で14年2月にタイ・ワンノイ物流センター2号棟が竣工した。

 15年4月には、北海道・十勝物流センターおよび十勝第2物流センター隣接地に「十勝第3物流センター(仮称)」を新設(15年5月着工、16年8月竣工予定)すると発表した。隣接する2センターを含む3センター合計の収容能力は6万1千トンを超え、道内最大級の低温物流基地となる。

 15年11月には、森永乳業が所有する東京都大田区京浜島の土地と平和島の土地を取得(契約締結は15年9月)したと発表している。また取得する平和島の土地に現在稼働している冷蔵倉庫を所有、運営するパックス冷蔵(森永乳業の100%子会社)の全株式を併せて取得する。京浜島の土地には最新鋭の物流センターを建設する計画だ。一連の総投資額は90億円〜100億円の予定としている。

 また15年12月には幸手物流センター(仮称、埼玉県幸手市)を新設すると発表した。16年4月着工、17年竣工予定としている。

 海外では15年8月、タイ・バンパコン物流センター敷地内にバンパコン第2物流センターが竣工した。同センターの稼働により、タイヨコレイ全体の保管収容能力は約9万6000トンとなり、タイ国内トップシェアがさらに拡大した。

■15年9月期は償却負担で営業減益だったが、売上高は計画超

 前期(15年9月期)連結業績は売上高が前々期比9.3%増の1547億67百万円、営業利益が同5.6%減の38億74百万円、経常利益が同1.5%減の40億39百万円、純利益が同37.1%増の25億17百万円だった。

 冷蔵倉庫事業における設備増強効果などで計画超の増収だったが、減価償却費の増加などで営業利益と経常利益は減益だった。売上総利益率は7.4%で同0.7ポイント低下、販管費比率は4.9%で同0.3ポイント低下した。減価償却費は44億65百万円で同5億83百万円増加した。

 ROEは4.2%で同1.0ポイント上昇、自己資本比率は51.6%で同0.1ポイント上昇した。配当予想は前々期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で配当性向は41.1%だった。

 セグメント別に見ると、冷蔵倉庫事業は入庫取扱量が同3.9%増、出庫取扱量が同2.4%増、平均保管在庫量が同8.0%増で、売上高が同8.3%増の241億39百万円、営業利益(連結調整前)が同0.9%減の47億48百万円だった。食品販売事業は売上高が同9.4%増の1305億95百万円、営業利益が同7.5%減の11億89百万円だった。食品販売事業は不採算在庫の処分が収束し、第3四半期(4月〜6月)以降は市場競争力のある水産品の売上総利益増加などで利益は回復基調のようだ。

 なお15年9月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)399億38百万円、第2四半期(1月〜3月)350億45百万円、第3四半期(4月〜6月)395億69百万円、第4四半期(7月〜9月)402億15百万円で、営業利益は第1四半期12億95百万円、第2四半期5億28百万円、第3四半期12億28百万円、第4四半期8億23百万円だった。

 またセグメント別営業利益(連結調整前)の四半期別の推移を見ると、冷蔵倉庫事業は第1四半期14億69百万円、第2四半期10億70百万円、第3四半期12億04百万円、第4四半期10億05百万円、食品販売事業は第1四半期3億30百万円、第2四半期67百万円の赤字、第3四半期5億22百万円、第4四半期4億04百万円だった。食品販売事業の営業損益は改善基調のようだ。

■16年9月期は増収増益基調

 今期(16年9月期)の連結業績予想(11月13日公表)については、売上高が前期比3.4%増の1600億円、営業利益が同29.1%増の50億円、経常利益が同23.8%増の50億円、純利益が同23.1%増の31億円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で予想配当性向は33.4%となる。

 セグメント別の計画は、冷蔵倉庫事業の売上高が同2.3%増の247億07百万円、営業利益(連結調整前)が同7.4%増の51億円、食品販売事業の売上高が同3.5%増の1352億26百万円、営業利益が同63.0%増の19億38百万円、その他の売上高が同2.1倍の67百万円、営業利益が同26.8%増の46百万円としている。

 冷蔵倉庫事業では入庫・出庫取扱量および平均保管在庫量が順調に増加し、新規稼働物流センターの収益寄与本格化も期待される。食品販売事業では引き続き、不採算在庫圧縮徹底や戦略的商材拡販などの効果が期待される。増収増益基調だろう。

■中期経営計画で17年9月期純利益32億円目標

 14年10月にスタートした第5次中期経営計画「Flap The Wings 2017」に基づいて、冷蔵倉庫事業では「クールネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題としている。

 目標数値については15年11月に売上高の増額修正を発表した。世界的な需給バランスの変化、円安による輸入コストの上昇などで、国内食材価格が高騰し、売上高が想定以上に増加している。

 そして修正後の目標数値としては、17年9月期売上高1500億円(冷蔵倉庫事業255億57百万円、食品販売事業1393億41百万円)、営業利益57億円(連結調整前の冷蔵倉庫事業56億65百万円、食品販売事業20億67百万円)、経常利益57億円、純利益32億円、ROE5.1%、配当性向40%以上、EBITDA100億円、自己資本比率52.0%としている。安定・着実な成長で持続的な企業価値向上を目指す方針だ。

■株主還元は配当性向40%以上の維持目標、株主優待も実施

 配当政策の基本方針は安定的な配当を継続して行うとしている。そして企業価値向上に必要な設備・IT投資等を勘案しつつ、配当性向40%以上を維持していくことを目標としている。

 株主優待については毎年9月30日現在の1000株以上保有株主に対して実施している。優待内容は1000株以上〜3000株未満保有株主に対して鮭切身詰め合わせ、3000株以上保有株主に対して北海道産ホタテ・いくらセットを贈呈する。

■株価は昨年来高値圏で堅調

 株価の動きを見ると、12月18日の昨年来高値1080円から一旦反落したが、1000円台を維持している。地合い悪化の状況でも大きく下押す動きは見られず堅調な動きだ。

 1月8日の終値1031円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円91銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1185円23銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約541億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインの形だ。16年9月期増収増益基調であり、TPP(環太平洋パートナーシップ)関連も注目テーマだ。1倍割れ水準の低PBRも見直して上値を試す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:03 | アナリスト水田雅展の銘柄分析