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2016年01月13日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズは急伸した上場来高値後の自律調整一巡、16年3月期業績予想増額含み

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野を主力として、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業領域拡大戦略を加速している。16年3月期業績の会社予想は増額含みである。株価は12月30日の上場来高値2500円まで急伸した。その後は地合い悪化も影響して一旦反落したが、好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。なお2月8日に第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品、サラダ類などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位、ロングライフサラダは国内1位の市場シェアである。

 16年3月期第2四半期累計(15年4月〜9月)の商材別売上構成比はサラダ類が44.8%、タマゴ類が27.4%、マヨネーズ・ドレッシング類が25.9%、その他が1.9%だった。また分野別売上構成比は外食が26.1%、CVS(コンビニエンスストア)が25.9%、量販店が19.5%、パンが14.2%、給食が5.1%、その他が9.2%だった。

■タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連への事業領域拡大戦略を加速

 中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業拡大戦略を加速し、新商品を積極投入している。

 また業務用メーカーからの脱皮を目指し、13年9月販売開始した「サラダのプロがつくった」サラダシリーズのラインナップ充実など、BtoC市場への事業展開も強化している。

 通販サイト「ケンコーマヨネーズオンラインショップ」もリニューアルし、15年2月にはインドネシア工場で製造し、インドネシアのハラール認証を取得して現地の一般消費者向けに販売しているマヨネーズタイプ「おマヨ/omayo」について、オンラインショップで販売開始した。

 生産面では14年4月に、原料である「殻付き卵」から「タマゴ製品」まで一貫した生産システムを備えた静岡富士山工場が稼働した。さらに生産効率改善に向けた生産拠点統廃合も推進し、子会社の関東ダイエットエッグ新座工場(埼玉県)を14年9月に閉鎖して静岡富士山工場に生産集約した。

■サラダカフェ事業はショップ展開推進

 サラダカフェ事業では「Salad Cafe」ショップ30店舗構想を掲げて、百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。15年4月には17店舗目となる「Salad Cafe ルミネ立川店」がオープンした。

 14年11月には東芝<6502>と業務提携して、東芝の植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で生産した野菜に、当社製粉末ドレッシングを添付したコラボレーション商品を「Salad Cafe」において販売している。

 また15年9月には、子会社サラダカフェのサラダ商品「蒸し鶏&キヌアのジャーサラダ」が、日本雑穀アワード第2回デイリー食品部門の金賞を受賞したと発表している。同商品は一部店舗での15年春の限定発売だったが、反響に応えて「Salad Cafe」12店舗において15年10月から再販売を開始した。

■中国事業は合弁解消だが、グローバル展開方針に変化なし

 なお中国事業については15年6月に合弁を解消した。味全食品工業との合弁で持分法適用関連会社である頂可(香港)の当社が所有する全株式(出資比率50%)を頂全(開曼島)に譲渡した。14年10月に合弁相手先の関連会社による食の品質に関するコンプライアンス上の問題が発生したため合弁継続は難しいと判断した。

 ただし今後もグローバル市場への積極展開を進める経営戦略に変更はなく、アジアだけでなく北米や欧州にも視野を広げていくとしている。

■鶏卵や野菜などの原材料価格が収益変動要因

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)147億41百万円、第2四半期(7月〜9月)153億50百万円、第3四半期(10月〜12月)157億64百万円、第4四半期(1月〜3月)144億72百万円で、営業利益は第1四半期6億35百万円、第2四半期7億59百万円、第3四半期9億31百万円、第4四半期6億76百万円だった。

 鶏卵や野菜などの原材料価格の動向が収益変動要因となりやすい。なお15年3月期の売上総利益率は26.1%で14年3月期比0.3ポイント上昇、販管費比率は21.1%で同0.4ポイント低下、ROEは9.6%で同1.3ポイント上昇、自己資本比率は45.5%で同5.7ポイント上昇した。配当は同2円増配の年間23円(第2四半期末10円、期末13円)で配当性向は19.9%だった。

■16年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比10.5%増の332億44百万円、営業利益が同31.0%増の18億26百万円、経常利益が同41.2%増の17億93百万円、純利益が同2.1倍の15億22百万円だった。計画を上回る大幅増収増益で、売上高、各利益とも第2四半期累計として過去最高だった。

 売上面ではタマゴ加工品がCVS向けに伸長し、マヨネーズ・ドレッシング類やフレッシュサラダも順調に推移した。ロングライフサラダの採用加速も寄与した。利益面では増収効果、静岡富士山工場の操業度上昇効果などで原材料価格上昇や固定費増加などを吸収した。売上総利益率は25.9%で同0.2ポイント上昇、販管費比率は20.4%で同0.7ポイント低下した。純利益は持分法適用関連会社の全株式を売却したことに伴う法人税等の減少も寄与した。

 セグメント別に見ると、調味料・加工食品事業は売上高が同9.8%増の274億19百万円、経常利益(連結調整前)が同22.8%増の15億27百万円、総菜関連事業は売上高が同14.8%増の52億13百万円、経常利益が同2.3倍の3億37百万円、その他(ショップ事業、海外事業)は売上高が同8.3%増の6億11百万円、経常利益が66百万円の赤字(前年同期は1億34百万円の赤字)だった。

 調味料・加工食品事業のうちサラダ・総菜類は同10.7%増収、マヨネーズ・ドレッシング類は同3.1%増収、タマゴ加工品は同15.3%増収だった。販売重量の増加に加えて、販売単価の上昇も寄与した。総菜関連事業では量販店向けサラダが伸長した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億83百万円、第2四半期(7月〜9月)171億61百万円、営業利益は第1四半期8億24百万円、第2四半期10億02百万円だった。

■16年3月期増収増益予想で増額含み

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(5月11日公表)は、売上高が前期比4.8%増の632億円、営業利益が同1.6%増の30億50百万円、経常利益が同8.0%増の30億円、純利益が同7.8%増の17億70百万円としている。

 配当予想は同2円増配の年間25円(第2四半期末11円、期末14円)で予想配当性向は20.1%となる。配当については、連結ベースでの配当性向20%を意識して、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

 事業別売上高の計画は、調味料・加工食品事業が同4.2%増の518億29百万円(内訳はサラダ・総菜類が同1.8%増の170億61百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が同0.1%増の167億83百万円、タマゴ加工品が同11.7%増の168億78百万円)、総菜関連事業が同7.7%増の101億45百万円で、その他(ショップ事業、海外事業)は同4.3%増の12億25百万円としている。

 分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応戦略や商品ラインナップ強化戦略が奏功し、タマゴ加工品やサラダ類を中心に、コンビニエンスストア向けなどの新規採用が増加基調である。高付加価値商品の拡販も寄与する。利益面では静岡富士山工場立ち上げ費用一巡、生産拠点統合に伴う費用一巡、静岡富士山工場の操業度上昇と生産効率改善、価格改定浸透効果、インドネシア事業が年間ベースでの黒字化に向けて収益改善していることなども寄与する。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.6%、営業利益が59.9%、経常利益が59.8%、純利益が86.0%と高水準である。今後の事業拡大に向けた生産拠点構想などに伴い、一時的な費用発生が想定されているためとして通期業績の会社予想を据え置いたが、増額含みだろう。

■中期経営計画で「サラダNO.1」目指す

 新中期経営計画「KENKO Five Code 2015−2017」では、基本戦略を「サラダNO.1(Leading company)」のポジション確立、サラダ料理の更なる進化、グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化としている。そして経営目標値には18年3月期売上高750億円、経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上維持を掲げている。

 中期経営計画の取り組みとして15年7月、北米や欧州を中心とする食にまつわる情報収集拠点をカナダのバンクバーに新設した。バンクーバーリサーチオフィスでは市場演出型企業として、日本にはない新しい食文化をいち早くキャッチし、情報を発信していくとしている。

 分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応、メニュー提案力の強化、新商品投入などの戦略が奏功し、中食市場の拡大も背景として、コンビニエンスストア・食品スーパー・外食向けに、タマゴ加工品・サラダ類・総菜の採用が拡大基調である。高付加価値商品拡販や生産効率改善も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末に実施

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主に対して実施している。優待内容は1単元(100株)以上〜10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。

■株価は上場来高値後の自律調整が一巡

 株価の動きを見ると、1600円〜1700円近辺でのモミ合いから上放れて12月30日の上場来高値2500円まで急伸した。その後は目先的な過熱感や地合い悪化の影響で一旦反落したが、中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

 1月12日の終値2184円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS124円55銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1264円38銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約310億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小して目先的な過熱感が解消した。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線がともに上向きに転じて強基調の形だ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:50 | アナリスト水田雅展の銘柄分析