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2016年01月15日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】山下医科器械の16年5月期第2四半期累計は増収増益、割安感や積極還元姿勢も評価

 山下医科器械<3022>(東1)は九州を地盤とする医療機器専門商社である。1月8日発表の16年5月期第2四半期累計連結業績は、一部の設備案件が下期にズレ込んだため期初計画を下回ったが、全体的に堅調に推移して増収増益だった。指名停止の影響も一巡して収益改善基調が期待される。株価は第2四半期累計業績の計画未達を嫌気して急落する場面があったが、素早く切り返しの動きを強めている。指標面の割安感や積極還元姿勢を評価して出直り展開だろう。

■九州を地盤とする医療機器専門商社

 九州を地盤とする医療機器専門商社である。医療機器の販売・メンテナンスおよび医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントを製造販売している。

 中期成長に向けて、九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略としている。医療機関向けSPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加に対応するため、13年7月に福岡SPDセンター(福岡県福岡市)を新設し、鳥栖SPDセンター(佐賀県鳥栖市)との2拠点体制とした。

 15年1月には、西諫早産業団地(長崎県諫早市)への進出に向けて諫早市との協定を締結した。長崎物流センター・SPDセンター(仮称)として物流体制を強化する方針だ。総投資額は約19億円で、16年9月稼働を予定している。

 15年10月にはパナソニックヘルスケアとの合弁会社パナソニックメディコム九州(出資比率パナソニックヘルスケア51%、当社49%)が営業開始した。電子カルテやレセコンなどのメディコム製品および関連機器の販売・サービスを展開する。

■指名停止と一般競争参加資格降格の期間満了

 13年12月に判明した従業員による不正行為に関して、14年2月28日に独立行政法人国立病院機構から指名停止(14年2月28日〜14年11月27日)と一般競争参加資格降格(14年11月28日〜15年8月27日)の処分を受けた。

 不正行為の再発防止策に関して4月17日再発防止策実施状況その1、5月16日再発防止策実施状況その2、6月13日再発防止策実施状況その3、8月18日再発防止策実施状況その4を発表している。

 なお14年11月27日を以って指名停止期間が満了となり、15年8月27日を以って一般競争参加資格の降格措置期間も満了となった。15年8月には第67回定時株主総会の承認に基づいて監査等委員会設置会社に移行した。

■第2四半期と第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年5月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(6月〜8月)105億82百万円、第2四半期(9月〜11月)126億55百万円、第3四半期(12月〜2月)118億52百万円、第4四半期(3月〜5月)152億21百万円、営業利益は第1四半期45百万円の赤字、第2四半期2億21百万円、第3四半期50百万円、第4四半期3億12百万円だった。

 15年5月期は指名停止が影響したが、医療機関の設備投資関連で第2四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造だ。15年5月期のROEは6.3%で14年5月期比3.9ポイント低下、自己資本比率は32.0%で同1.9ポイント上昇した。配当性向は30.6%だった。

■16年5月期第2四半期累計は計画を下回ったが増収増益

 1月8日発表の今期(16年5月期)第2四半期累計(6月〜11月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.5%増の245億23百万円、営業利益が同9.5%増の1億93百万円、経常利益が同4.4%増の2億23百万円、純利益が同7.0%増の1億34百万円だった。

 7月8日公表の期初計画に対する達成率は売上高97.6%、営業利益77.2%、経常利益75.9%、純利益74.5%だった。一部の設備案件が下期にズレ込んだため期初計画を下回ったが、全体的に堅調に推移して増収増益だった。売上総利益率は11.2%で同0.2ポイント低下、販管費比率は10.4%で同0.3ポイント低下した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、医療機器販売事業は売上高が同5.4%増の243億56百万円、営業利益が同10.7%増の5億15百万円、医療モール事業(主として賃料収入)は売上高が同8.6%増の36百万円、営業利益が4百万円(前年同期は0百万円の赤字)、その他(主として自社グループ開発製品の整形外科用インプラント製造販売)は売上高が同7.8%減の2億43百万円、営業利益が9百万円の赤字(同15百万円の赤字)だった。

 医療機器販売業の売上高内訳は、一般機器分野が同9.9%増の43億08百万円、一般消耗品分野が同5.0%増の97億24百万円、低侵襲治療分野が同3.8%増の64億86百万円、専門分野が同4.9%増の31億07百万円、情報・サービス分野が同4.0%増の7億29百万円だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(6月〜8月)114億70百万円、第2四半期(9月〜11月)130億53百万円、営業利益は第1四半期4百万円の赤字、第2四半期1億97百万円だった。営業損益は改善基調だ。

■16年5月期通期営業減益予想だが増額余地

 今期(16年5月期)通期の連結業績予想は前回予想(7月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.9%増の517億74百万円、営業利益が同2.5%減の5億25百万円、経常利益が同2.5%減の6億円、純利益が同2.1%増の3億66百万円としている。

 新物流センター設立に伴う先行費用の発生、営業人員増加による人件費の増加などで営業減益・経常減益予想としている。純利益については法人税等の実効税率低下で増益予想としている。

 配当予想(7月8日公表)は同1円増配の年間44円(期末一括)としている。予想配当性向は30.6%となる。安定的な配当の継続を基本方針とし、配当水準として連結配当性向30%を基準としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が36.8%、経常利益が37.2%、純利益が36.6%である。低水準の形だが、一部の設備案件が下期にズレ込んだことが主因であり、特にネガティブ要因とはならないだろう。

 SPD契約施設数増加で一般消耗品分野が堅調に推移し、国立病院機構の一般競争参加資格の降格措置が第1四半期(6月〜8月)で終了したことも寄与する。通期ベースで増額余地があるだろう。

■中期経営計画で18年5月期売上高580億円目標

 15年7月に新中期経営計画を発表した。基本戦略として、さらなる基盤事業の強化と推進体制の構築、地域医療構想に即した新規事業の創出、グループ統制とガバナンス強化に即した経営体制の刷新、積極的な人材確保と教育、コンプライアンス・内部統制の徹底と経営理念経営を推進する。

 そして経営目標数値には、18年5月期の売上高580億円、経常利益8億50百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株主優待制度や自己株式取得で積極還元姿勢

 株主優待制度は毎年11月30日および5月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は、100株〜999株保有株主に対して500円相当のクオカード、1000株〜1999株保有株主に対して1000円相当のクオカード、2000株以上保有株主に対して1500円相当のクオカードを贈呈する。

 なお15年11月に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)による自己株式取得を実施した。取得株式総数は4万6500株(1株1788円)だった。

■株価は第2四半期累計業績を嫌気する場面があったが切り返し

 株価の動きを見ると、第2四半期累計業績の計画未達を嫌気し、さらに地合い悪化も影響して1月12日に昨年来安値となる1578円まで急落する場面があった。しかし素早く切り返しの動きを強めている。1月13日には1709円まで戻す場面があった。

 1月14日の終値1661円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円56銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2302円20銭で算出)は0.7倍近辺である。なお時価総額は約42億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、昨年来安値圏で長い下ヒゲをつけて切り返している。指標面の割安感や積極還元姿勢を評価して出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:31 | アナリスト水田雅展の銘柄分析