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2016年01月15日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは調整の最終局面、中期的に事業環境良好

 エスアールジータカミヤ<2445>(東1)は建設用仮設機材販売・レンタルの大手で、次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」拡販と海外展開を推進している。ダイサン<4750>との株式相互保有を解消して12日に自己株式取得を実施した。そして13日には投資有価証券売却益の計上を発表した。中期的に事業環境は良好で収益改善基調だ。農業施設分野の金属加工品への進出でTPP(環太平洋パートナーシップ)関連も注目テーマとなる。株価は調整の最終局面だろう。なお2月5日に16年3月期第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

■建設用仮設機材販売・レンタルの大手

 建築・土木・橋梁用仮設機材、移動昇降式足場「リフトクライマー」や、子会社ホリーの太陽光パネル架台などの販売・レンタル事業を展開している。

 戦略商品として作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の従来品からの入れ替えを促進し、スパイダーパネルなど修繕工事向け商品の拡販も推進している。また太陽光発電関連の需要が一巡したため、新規分野として住宅用制震装置など住宅関連分野、構造機材分野、さらに植物工場など農業施設分野における金属加工品の開発を推進する方針だ。

 グループ力強化に向けた動きも積極化し、14年4月に海洋土木・港湾分野に実績を持つ土木・建築用仮設資材のアサヒ工業(大阪市)を子会社化した。15年4月には子会社ホリーの仮設営業部門を当社に移管し、仮設事業に関連する営業部門を統合した。グループの経営資源を集約して仮設事業におけるシナジーを高める戦略だ。

■海外展開を本格化

 海外展開も推進している。14年7月にホリーのベトナム新工場が竣工し、14年11月にはASEAN地域への事業展開に向けた地域統括会社として、タイに子会社SRGグローバル・ホールディングスを設立した。

 また15年7月には、フィリピンで建築分野のアルミ製システム型枠の販売・レンタル事業を展開するDIMENSION−ALL.INC(DAI)の全株式を取得して子会社化した。当社が保有する仮設機材や子会社ホリーが開発・製造した仮設機材を、DAI社を通じてフィリピン国内で展開する。

 さらにタイに設立したSRGグローバル・ホールディングスを中心として、ホリー・韓国、ホリー・ベトナムとも連携し、ASEAN諸国における海外事業体制の整備・販売ネットワーク構築を推進する方針だ。

■期後半の構成比が高い収益構造、レンタル需要高水準

 なお15年3月期のレンタル事業のブロック別売上比率は、関東が37%、関西が34%、東北が17%、中部が8%、九州が4%だった。レンタル需要は高水準で、主要受注案件には、関東では圏央道橋梁工事、首都高橋梁修繕工事、高層マンション大規模修繕工事、関西では新名神高速道路橋梁工事、東海道新幹線橋梁修繕工事、東北では放射線除染工事、中部では原子力発電所耐震化工事などがある。

 15年3月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)79億25百万円、第2四半期(7月〜9月)84億36百万円、第3四半期(10月〜12月)90億72百万円、第4四半期(1月〜3月)88億28百万円、営業利益は第1四半期4億33百万円、第2四半期11億22百万円、第3四半期8億06百万円、第4四半期7億37百万円だった。期後半の構成比が高い収益構造だが、15年3月期は期後半に伸び悩んだ。

 15年3月期のROEは19.8%で14年3月期比1.7ポイント低下、自己資本比率は26.3%で同0.8ポイント上昇した。配当性向は27.1%だった。

■16年3月期第2四半期累計は減益だが、四半期ベースでは改善基調

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.7%増の168億02百万円、営業利益が同27.6%減の11億25百万円、経常利益が同30.3%減の11億33百万円、純利益が同30.6%減の6億84百万円だった。

 次世代足場「Iqシステム」や移動昇降式足場「リフトクライマー」は高水準だったが、販売事業では国内の太陽光発電用架台の需要が想定以上に減少し、レンタル事業では地域レンタル子会社が一部地域における工事発注停滞の影響を受けて低調だった。売上総利益率は31.7%で同1.5ポイント低下、販管費比率は25.0%で同1.3ポイント上昇した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、販売事業は売上高が同3.7%減の95億54百万円、営業利益が同35.4%減の9億44百万円だった。建設関連では仮設機材に対する需要が高水準に推移したが、次世代足場「Iqシステム」の販売が計画に対してやや伸び悩んだ。環境関連では国内の太陽光発電用架台の売上が大幅に減少(同50.7%減の9億11百万円)した。

 レンタル事業は、売上高が同5.7%増の96億23百万円、営業利益が同5.9%増の10億09百万円だった。建設関連は建築用仮設機材の稼働が高水準に推移し、土木・橋梁用仮設機材も徐々に立ち上がり始めた。環境関連では移動昇降式足場「リフトクライマー」の稼働が高水準だった。ただし一部地域における工事発注停滞の影響で地域レンタル子会社の仮設機材の稼働は前年を下回った。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)77億91百万円、第2四半期(7月〜9月)90億11百万円、営業利益は第1四半期2億53百万円、第2四半期8億72百万円だった。四半期ベースで営業損益は改善基調だ。

■16年3月期増収増益予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(5月8日公表)については、売上高が前期比13.8%増の390億円、営業利益が同22.7%増の38億円、経常利益が同11.3%増の37億円、純利益が同12.5%増の23億30百万円としている。

 配当予想は年間10円(第2四半期末3円50銭、期末6円50銭)で予想配当性向は19.4%となる。15年1月1日付の株式2分割を考慮して換算すると前期の年間12円50銭に対して2円50銭減配の形だが、前期の期末には東証1部指定記念配当2円50銭を含んでいるため、普通配当ベースでは前期と同額となる。

 販売事業では次世代足場「Iqシステム」の営業を強化する。大手ゼネコンとの商談も増加しているため今後の受注増加が期待される。太陽光発電関連については、利益確保に徹して一部人員を新規事業にシフトする。レンタル事業では建築用仮設機材の稼働が高水準に推移する。一部地域における工事発注停滞の影響を受けた地域レンタル子会社についても徐々に工事が立ち上がり、収益が改善する見込みだ。

 レンタル事業における次世代足場「Iqシステム」の受注済みレンタル累積現場数は15年9月末時点で970現場となり、11月には1000現場を超えた。16年3月期末には1600現場、17年3月期末には3500現場を目標としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が43.1%、営業利益が29.6%、経常利益が30.6%、純利益が29.4%である。低水準の形だが、レンタル事業では次世代足場「Iqシステム」や移動昇降式足場「リフトクライマー」の稼働率が高水準であり、遅れていた土木・橋梁関連工事が動き出し、一部地域での工事停滞の影響を受けた地域レンタル子会社の収益も改善に向かっている。また第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造であり、通期ベースでは増収増益基調だろう。

 なお1月8日に大株主であるダイサン<4750>との株式相互保有を解消すると発表した。そして1月12日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)による自己株式を実施し、142万4000株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合3.22%)を取得した。一方でダイサンが実施した自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって当社保有のダイサンの株式を全て売却し、1月13日に投資有価証券売却益(4億81百万円)の計上を発表した。

■中期計画で17年3月期営業利益43億円目指す

 なお15年3月期連結業績が計画を下回ったため、中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)の目標数値を下方修正した。修正後の目標数値は17年3月期売上高420億円(販売事業247億60百万円、レンタル事業212億40百万円、内部消去40億円)で、営業利益は43億円、経常利益は42億円、純利益は27億60百万円としている。

 経常利益率10%以上、自己資本比率35%、ROE2桁台維持の目標は据え置いた。販売事業では成長性を加速し、レンタル事業では収益性を追求する方針で、3年間合計投資額は276億円としている。

 レンタル事業では収益性を追求し、営業活動の強化、価格の改善、土木関連分野での事業領域拡大、次世代足場「Iqシステム」への積極的な入れ替えを通じたレンタル機材の運用効率改善に取り組む。

 販売事業では成長性を加速する。国内仮設機材の旺盛な需要に対応して海外工場の生産能力とコスト競争力を強化する。また需要が一巡した太陽光発電用架台に代わる柱を育成するため、住宅用制震装置などの住宅関連分野、構造機材分野、さらに植物工場など農業施設分野における金属加工品の開発を推進する。

 中期経営計画の目標値を下方修正したが、中期的には震災復興、社会インフラ補修・更新、都市再開発、学校や高層マンションの耐震補強、20年東京夏季五輪、リニア新幹線など建設投資は引き続き堅調に推移する。中期的に事業環境は良好だ。さらに海外展開の本格化や新規分野も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整の最終局面

 株価の動きを見ると、軟調展開が続き、さらに地合い悪化も影響して1月14日には昨年来安値となる410円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 1月14日の終値414円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円66銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS253円95銭で算出)は1.6倍近辺である。なお時価総額は約187億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となって調整が続いているが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。また15年1月高値1197円からほぼ3分の1水準となって調整の最終局面だろう。中期的に事業環境は良好で収益は改善基調だ。農業施設分野への進出でTPP(環太平洋パートナーシップ)関連も注目テーマとなる。指標面の割安感も台頭して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:42 | アナリスト水田雅展の銘柄分析