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2016年02月09日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズは16年3月期通期業績予想と配当予想を増額修正

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野を主力として、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業領域拡大戦略を加速している。2月8日発表の16年3月期第3四半期業績は大幅増収増益だった。そして通期業績予想と配当予想を増額修正した。株価は上場来高値圏で推移している。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。3月末の株主優待制度も注目点だ。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品、サラダ類などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位、ロングライフサラダは国内1位の市場シェアである。

 16年3月期第2四半期累計(15年4月〜9月)の商材別売上構成比はサラダ類が44.8%、タマゴ類が27.4%、マヨネーズ・ドレッシング類が25.9%、その他が1.9%だった。また分野別売上構成比は外食が26.1%、CVS(コンビニエンスストア)が25.9%、量販店が19.5%、パンが14.2%、給食が5.1%、その他が9.2%だった。

■タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連への事業領域拡大戦略を加速

 中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業拡大戦略を加速し、新商品を積極投入している。

 また業務用メーカーからの脱皮を目指し、13年9月販売開始した「サラダのプロがつくった」サラダシリーズのラインナップ充実など、BtoC市場への事業展開も強化している。

 通販サイト「ケンコーマヨネーズオンラインショップ」もリニューアルし、15年2月にはインドネシア工場で製造し、インドネシアのハラール認証を取得して現地の一般消費者向けに販売しているマヨネーズタイプ「おマヨ/omayo」について、オンラインショップで販売開始した。

 生産面では14年4月に、原料である「殻付き卵」から「タマゴ製品」まで一貫した生産システムを備えた静岡富士山工場が稼働した。さらに生産効率改善に向けた生産拠点統廃合も推進し、子会社の関東ダイエットエッグ新座工場(埼玉県)を14年9月に閉鎖して静岡富士山工場に生産集約した。

■サラダカフェ事業はショップ展開推進

 サラダカフェ事業では「Salad Cafe」ショップ30店舗構想を掲げて、百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。15年4月には17店舗目となる「Salad Cafe ルミネ立川店」がオープンした。

 14年11月には東芝<6502>と業務提携して、東芝の植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で生産した野菜に、当社製粉末ドレッシングを添付したコラボレーション商品を「Salad Cafe」において販売している。

 また15年9月には、子会社サラダカフェのサラダ商品「蒸し鶏&キヌアのジャーサラダ」が、日本雑穀アワード第2回デイリー食品部門の金賞を受賞したと発表している。同商品は一部店舗での15年春の限定発売だったが、反響に応えて「Salad Cafe」12店舗において15年10月から再販売を開始した。

■中国事業は合弁解消だが、グローバル展開方針に変化なし

 なお中国事業については15年6月に合弁を解消した。味全食品工業との合弁で持分法適用関連会社である頂可(香港)の当社が所有する全株式(出資比率50%)を頂全(開曼島)に譲渡した。14年10月に合弁相手先の関連会社による食の品質に関するコンプライアンス上の問題が発生したため合弁継続は難しいと判断した。

 ただし今後もグローバル市場への積極展開を進める経営戦略に変更はなく、アジアだけでなく北米や欧州にも視野を広げていくとしている。

■鶏卵や野菜などの原材料価格が収益変動要因

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)147億41百万円、第2四半期(7月〜9月)153億50百万円、第3四半期(10月〜12月)157億64百万円、第4四半期(1月〜3月)144億72百万円で、営業利益は第1四半期6億35百万円、第2四半期7億59百万円、第3四半期9億31百万円、第4四半期6億76百万円だった。

 鶏卵や野菜などの原材料価格の動向が収益変動要因となりやすい。なお15年3月期の売上総利益率は26.1%で14年3月期比0.3ポイント上昇、販管費比率は21.1%で同0.4ポイント低下、ROEは9.6%で同1.3ポイント上昇、自己資本比率は45.5%で同5.7ポイント上昇した。配当は同2円増配の年間23円(第2四半期末10円、期末13円)で配当性向は19.9%だった。

■16年3月期第3四半期累計は大幅増収増益

 2月8日に発表した今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比10.1%増の505億03百万円となり、営業利益が同21.9%増の28億33百万円、経常利益が同31.2%増の28億10百万円、純利益が同75.4%増の21億88百万円だった。

 売上面ではマヨネーズ・ドレッシング類、サラダ・総菜類、タマゴ加工品が新規採用増加などで順調に伸長した。小型形態のロングライフサラダのアイテム数増加も寄与した。利益面では鶏卵相場が高値圏で推移し、販管費も増加したが、増収効果、静岡富士山工場の操業度上昇効果、燃料コスト低減効果などで吸収した。売上総利益率は25.8%で同0.2ポイント低下、販管費比率は20.2%で同0.7ポイント低下した。営業外費用では持分法投資損益が改善(前期は損失2億04百万円計上、今期は損失75百万円計上)した。特別利益では関係会社株式売却益2億05百万円を計上し、法人税等が減少した。

 セグメント別に見ると、調味料・加工食品事業は売上高が同9.5%増の415億62百万円、経常利益(連結調整前)が同17.2%増の23億74百万円、総菜関連事業は売上高が同13.7%増の80億02百万円、経常利益が同73.1%増の5億14百万円、その他(ショップ事業、海外事業)は売上高が同7.6%増の9億39百万円、経常利益が67百万円の赤字(前年同期は1億92百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億83百万円、第2四半期(7月〜9月)171億61百万円、第3四半期(10月〜12月)172億59百万円、営業利益は第1四半期8億24百万円、第2四半期10億02百万円、第3四半期10億07百万円だった。

■16年3月期増収増益予想で増額含み

 2月8日に今期(16年3月期)通期の連結業績予想の増額修正および配当予想の増額修正を発表した。

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想は、前回予想(5月11日公表)に対して売上高を28億円増額、営業利益を2億70百万円増額、経常利益を3億円増額、純利益を1億60百万円増額した。修正後の通期予想は売上高が前期比9.4%増の660億円、営業利益が同10.6%増の33億20百万円、経常利益が同18.8%増の33億円、純利益が同17.5%増の19億30百万円とした。過去最高益更新見込みだ。

 配当予想は前回予想(5月11日公表)に対して期末3円増額し、年間28円(第2四半期末11円、期末17円)とした。前期との比較では5円増配となる。また予想配当性向は20.6%となる。配当政策は、連結ベースでの配当性向20%を意識して、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

 分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応戦略や商品ラインナップ強化戦略が奏功し、マヨネーズ・ドレッシング類、サラダ・総菜類、タマゴ加工品が新規採用増加などで順調に伸長しているようだ。また利益面では、静岡富士山工場立ち上げ費用一巡、生産拠点統合に伴う費用一巡、静岡富士山工場の操業度上昇・生産効率改善効果、価格改定浸透効果に加えて、インドネシア事業が年間ベースでの黒字化に向けて収益改善していることなども寄与する。

 なお今後の事業拡大に向けたグループ新生産拠点構想に基づいて、一部生産拠点について新設・移転等の計画を策定中で、今期末までに一過性の費用計上を想定している。

 修正後の通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が76.5%、営業利益が85.3%、経常利益が85.2%、純利益が113.4%と高水準である。一部生産拠点に係る一過性の費用計上を考慮しても再増額含みだろう。

■中期経営計画で「サラダNO.1」目指す

 新中期経営計画「KENKO Five Code 2015−2017」では、基本戦略を「サラダNO.1(Leading company)」のポジション確立、サラダ料理の更なる進化、グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化としている。そして経営目標値には18年3月期売上高750億円、経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上維持を掲げている。

 中期経営計画の取り組みとして15年7月、北米や欧州を中心とする食にまつわる情報収集拠点をカナダのバンクバーに新設した。バンクーバーリサーチオフィスでは市場演出型企業として、日本にはない新しい食文化をいち早くキャッチし、情報を発信していくとしている。

 分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応、メニュー提案力の強化、新商品投入などの戦略が奏功し、中食市場の拡大も背景として、コンビニエンスストア・食品スーパー・外食向けに、タマゴ加工品・サラダ類・総菜の採用が拡大基調である。高付加価値商品拡販や生産効率改善も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末に実施

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主に対して実施している。優待内容は1単元(100株)以上〜10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。

■株価は上場来高値圏

 株価の動きを見ると、1800円近辺のフシを突破して急伸し、12月30日には2500円、そして2月1日には上場来高値となる2557円まで上伸した。その後も高値圏で堅調に推移している。地合い悪化の状況でも、好業績や中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。

 2月8日の終値2441円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円81銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1264円38銭で算出)は1.9倍近辺である。なお時価総額は約347億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:37 | アナリスト水田雅展の銘柄分析