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2016年02月23日

【決算記事情報】科研製薬の16年3月期第3四半期累計は大幅増益で高進捗率、通期業績に再増額余地

決算情報

 科研製薬<4521>(東1)は整形外科、皮膚科、外科などの領域を主力とする医薬品メーカーである。16年3月期第3四半期累計は大幅増益だった。通期会社予想を据え置いたが第3四半期累計が高進捗率であり、外用爪白癬治療剤クレナフィンが牽引して再増額余地があるだろう。株価は地合い悪化も影響して安値圏でのモミ合いだが、積極的な株主還元姿勢も評価材料であり、調整が一巡して出直り展開だろう。

■整形外科、皮膚科、外科領域を得意とする医薬品メーカー

 整形外科、皮膚科、外科といった領域を得意として、農業薬品や飼料添加物なども展開する医薬品メーカーである。

 医薬品・医療機器では、生化学工業<4548>からの仕入品である関節機能改善剤アルツを主力として、外用爪白癬治療剤クレナフィン、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、高脂血症治療剤リピディル、創傷治癒促進剤フィブラストスプレーなどを展開し、ジェネリック医薬品も急拡大している。

 日本初の外用爪白癬治療剤クレナフィン(一般名エフィナコナゾール)については、日本では当社が14年7月に製造販売承認を取得し、14年9月に販売開始した。海外ではカナダのバリアント社が13年10月にカナダで承認を取得、14年6月に米国で承認を取得した。

 なおグループ経営の効率化を図るため、全額出資の連結子会社である科研不動産サービスを16年3月31日付で吸収合併する予定である。

■歯周組織再生剤の製造販売承認を申請

 歯周組織再生剤「KCB−1D」(一般名:トラフェルミン、遺伝子組換え)は15年10月に製造販売承認を申請した。組換え型ヒトbFGFを有効成分とする歯科用薬剤で16年中の承認見込みとしている。国内には歯周組織の再生を効能とする医療用医薬品がなく「KCB−1D」は初めての歯周組織再生剤として歯周炎治療の新たな選択肢となることが期待される。

 潰瘍性大腸炎を適応症とする「KAG−308」(旭硝子<5201>と共同開発の経口プロスタグランジン製剤)は15年9月に第2相臨床試験を開始した。

 15年3月には、米ブリッケル・バイオテック社が米国において原発性局所多汗症を対象に開発している「BBI−4000」(外用抗コリン剤)の独占的ライセンス実施許諾および共同開発に関する契約を締結し、日本とアジア主要国における独占的な開発・販売・製造の権利を取得した。現在、第1相臨床試験を実施中である。

 なお関節機能改善剤アルツの腱・靱帯付着部症の適応追加「SI−657」(生化学工業と共同開発)については、2月2日に開発中止を発表した。第3相臨床試験結果において期待していた有効性を明確には見いだせなかった。


■外用爪白癬治療剤クレナフィンが15年3月期第3四半期から寄与

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)214億64百万円、第2四半期(7月〜9月)227億68百万円、第3四半期(10月〜12月)269億23百万円、第4四半期(1月〜3月)227億34百万円で、営業利益は第1四半期40億85百万円、第2四半期47億21百万円、第3四半期78億05百万円、第4四半期40億20百万円だった。

 第3四半期はカナダのバリアント社向けが寄与した。また15年3月期は13期連続の増配で配当性向は40.6%だった。ROEは14年3月期比2.2ポイント上昇して16.7%、自己資本比率は同3.0ポイント上昇して67.0%となった。

■16年3月期第3四半期累計は大幅増収増益

 2月5日に発表した今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比20.1%増の854億31百万円となり、営業利益が同78.7%増の296億89百万円、経常利益が同81.6%増の299億19百万円、純利益が同2.1倍の201億34百万円だった。

 14年9月発売の外用爪白癬治療剤クレナフィンの収益寄与が本格化して大幅増収増益だった。主力の関節機能改善剤アルツや、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、ジェネリック医薬品なども堅調に推移した。

 売上総利益は同32.8%増加し、売上総利益率は57.6%で同5.5ポイント上昇した。販管費比率は22.9%で同5.8ポイント低下した。第3四半期累計では研究開発費が減少(同8.6%減の43億92百万円)した。また特別損失では前期計上した固定資産売却損11億87百万円、長期前払費用償却5億25百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、薬業は売上高が同20.7%増の836億74百万円、営業利益が同83.1%増の283億88百万円だった。海外売上高は80億65百万円だった。不動産事業(文京グリーンコート関連の賃貸料)は売上高が同4.0%減の17億56百万円、営業利益が同17.9%増の13億円だった。

 主要医薬品および医療機器別の売上高(単体ベース)は、関節機能改善剤アルツが同1.4%増の242億50百万円、外用爪白癬治療剤クレナフィンが同3.8倍の153億85百万円、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルムが同3.4%増の87億11百万円、高脂血症治療剤リピディルが同4.0%増の34億95百万円、創傷治癒促進剤フィブラストスプレーが同3.8%増の27億23百万円、ジェネリック医薬品合計が同8.0%増の102億37百万円、カナダ・バリアント社向けJublia関連(原体売上、製剤売上、ロイヤリティ収入およびマイルストーン収入)が同2.1倍の49億86百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)276億33百万円、第2四半期(7月〜9月)273億40百万円、第3四半期(10月〜12月)304億58百万円、営業利益は第1四半期92億34百万円、第2四半期92億09百万円、第3四半期112億46百万円だった。

■16年3月期通期も大幅増益予想で再増額余地

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想については前回予想(10月27日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比14.9%増の1079億円、営業利益が同56.1%増の322億円、経常利益が同58.9%増の324億円、そして純利益が同58.4%増の192億円としている。

 配当予想(10月27日に増額修正)は第2四半期末34円、期末78円(=普通配当68円+記念配当10円)としている。15年10月1日付の株式併合(2株を1株に併合)後に換算すると、年間146円(第2四半期末68円、期末78円)となる。前期の年間59円を株式併合後に換算した年間118円に対して実質的に28円増配で14期連続増配となる。また予想配当性向は31.5%となる。

 医薬品・医療機器の売上高計画は、関節機能改善剤アルツが同1.1%増の306億円、外用爪白癬治療剤クレナフィンが同2.7倍の185億円、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルムが同3.8%増の112億円、高脂血症治療剤リピディルが同5.2%増の46億円、創傷治癒促進剤フィブラストスプレーが同2.5%増の36億円、ジェネリック医薬品合計が同7.4%増の133億円、カナダ・バリアント社向けJublia関連は同68.8%増の56億円としている。

 外用爪白癬治療剤クレナフィンの収益寄与が本格化して大幅増益予想だ。販管費は同1.0%増の288億円で、このうち研究開発費は同9.0%増の83億円の計画である。研究開発費の発生が一部来期(17年3月期)にズレ込む見込みとなったため、販管費は期初計画の322億円から34億円、研究開発費は期初計画の113億円から30億円減額している。なお科研不動産サービスを吸収合併することに伴う法人税等調整額25億68百万円(繰延税金資産取り崩し)を織り込んでいる。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が79.2%、営業利益が92.2%、経常利益が92.4%、純利益が104.9%と高水準である。4月の薬価改定を控えて売上高への影響が予想されること、パイプライン充実に向けた研究開発費の発生が見込まれること、科研不動産サービスを吸収合併することに伴って3月に法人税等調整額25億68百万円(繰延税金資産取り崩し)の計上を予定していることから、通期会社予想を据え置いたが、外用爪白癬治療剤クレナフィンが牽引して通期会社予想は再増額の余地があるだろう。

■株価は調整一巡して出直り

 なお15年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、中長期的な株価変動等を考慮しつつ投資単位を適切な水準に調整することを目的として15年10月1日付で2株を1株に併合した。

 株価の動きを見ると、外用爪白癬治療剤クレナフィンの競合品に対する警戒感で上場来高値圏から急反落し、その後は7000円〜9000円近辺のレンジでモミ合う展開だ。地合い悪化の影響で2月12日に6370円まで調整する場面があったが、素早く切り返して7000円台に戻している。

 2月19日の終値7140円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS463円70銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想を株式併合後に換算した年間146円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS1861円12銭で算出)は3.8倍近辺である。時価総額は約3459億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、15年1月の昨年来安値水準5000円近辺まで下押す動きは見られず、2月の直近安値から切り返す動きだ。積極的な株主還元姿勢も評価材料であり、調整が一巡して出直り展開だろう。


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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:27 | 決算発表記事情報