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2016年02月25日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】平山は16年6月期業績予想の減額修正で急落したが売り一巡感

 平山<7781>(JQS)は国内製造業向けアウトソーシング事業(製造請負)が主力としている。2月12日に16年6月期業績予想の減額修正と配当予想の増額修正を発表した。主要取引先からの受注が計画を下回るため増益予想から減益予想に転じた。配当予想は普通配当を減額して記念配当を加えた。これを嫌気して株価は急落したが売り一巡感を強めている。16年6月期減益予想の織り込みが完了して反発のタイミングだろう。

■国内製造業向けアウトソーシング事業(製造請負)が主力

 1955年創業(1967年設立)で、15年7月JASDAQに新規上場した。国内製造業向けのアウトソーシング事業(製造請負)を主力として、連結子会社トップエンジニアリングの技術者派遣事業、その他事業(現場改善コンサルティングサービス、教育サービス、有料職業紹介など)も展開している。11年には製造請負事業者改善推進協議会が運営している製造請負優良適正事業者認定制度を第1号で取得(14年4月更新)した。

 「設備と敷地を持たない製造業」を標榜して「人に付いた技術で日本のものづくりを支援する」をコンセプトとしている。主力のアウトソーシング事業では当社に所属する現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供して、顧客企業の製造現場における生産性向上、コスト削減、さらに「ものづくり力」強化に繋げていることが強みだ。

 さらなる請負現場「ものづくり力」の高度化のために、中核になる生産管理者の育成を強化するとともに、製造企業OBシニア層の技術を再開発し、製造現場の改善をワンストップで提案できる体制を構築することに経営資源を最優先で投資している。

 また従来の派遣・請負会社のイメージを脱却し、社内で育成した人材を社会に還元する「教育会社」を目指している。そして社員に対しては、キャリアカウンセリングやメンタル支援などの従業員支援制度(EAP=Employee Assistance Program)をベースとして、資格・技能取得支援制度によるキャリアアップ制度を運用し、有期雇用から無期雇用へと転換するステップを用意している。

 なお15年7月には当社独自の求人サイト「ものっぷ」を新規オープンしている。簡単な仕事検索、PDFやEXCELによる履歴書のダウンロードなど、今までにない仕事の探し方を実現した。ものづくりでキャリアアップを目指す方を応援するサイトとして、求職者の仕事探しをサポートする。

■テルモ向けを主力に大手優良企業グループと強固な取引関係を構築

 主要取引先は、テルモ<4543>(15年6月期売上構成比47.1%)向けを主力として、LIXILグループ、TOPPANグループ、TOTOグループ、トヨタグループ、リコーグループ、三菱グループなどがある。

 多種多様な業種・工程での実績を持ち、業界を超えた製造技術・ノウハウを蓄積していることも強みだ。そして国内に残る業種・商品分野に注力し、大手優良企業グループと強固な取引関係を構築している。

 海外はベトナムとタイに現地法人(非連結子会社)を設置し、日本国内のエンジニア不足に対応した外国人技術者の採用、および東南アジア諸国の日系企業との取引拡大を推進している。今後はM&Aも積極活用する方針だ。

 なお2月12日に、当社の非連結子会社である平山タイの子会社JOB SUPPLY HUMAN RESOURCE(JSHR、当社の孫会社)が、JOB SUPPLY(JS)社から、JS社の主力事業である人材派遣事業を譲り受けると発表した。

■長期的目標は売上高営業利益率8%

 経営目標としてはグループ売上高200億円の早期達成を目指し、売上高営業利益率を中期的に5%、長期的に8%に向上させる方針だ。重点戦略としては、コンサルティング機能の強化や外国人技能者の積極的活用により、現場改善力・収益力を高めて差別化や顧客の囲い込みを推進する。

 そして国内製造業向けアウトソーシング事業における既存取引先の事業所拡大・安定化、既存製造派遣取引先のインソーシング(製造請負)化、自社管理業務および既存インソーシング契約取引先業務の改善、新規取引先の開拓(インソーシング案件獲得)、ハイエンド派遣・設計エンジニア派遣の拡大、海外スタディツアー・コンサルティング案件の拡大などを推進する方針だ。

■売上総利益率改善して収益拡大基調

 15年6月期のセグメント別売上高はアウトソーシング事業が同9.6%増の79億34百万円、技術者派遣事業が同4.4%増の9億15百万円、その他が同7.0%増の1億47百万円だった。

 また15年6月期の売上総利益率は17.4%で14年6月期比0.3ポイント上昇、販管費比率は13.2%で同横ばい、ROEは14.0%で同1.2ポイント低下、自己資本比率は36.8%で同5.2ポイント上昇した。配当性向は24.9%だった。売上総利益率が改善して収益は拡大基調だ。

■16年6月期第2四半期累計は主要取引先における減産が影響

 2月12日に発表した今期(16年6月期)第2四半期累計(7月〜12月)の連結業績は、売上高が46億25百万円、営業利益が66百万円、経常利益が42百万円、純利益が20百万円だった。

 前年同期は四半期連結財務諸表を作成していないため比較はできないが、アウトソーシング事業・製造請負部門の主要取引先数社において一部製品の減産が発生して収益が悪化したようだ。また製造派遣部門では顧客からの受注に対して適正な人員数の確保に至らなかったようだ。売上総利益率は16.0%、販管費比率は14.5%だった。営業外費用では株式交付費6百万円、株式公開費用14百万円、為替差損6百万円を計上した。特別利益では固定資産売却益3百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、アウトソーシング事業は売上高が40億66百万円で営業利益(連結調整前)が3億70百万円、技術者派遣事業は売上高が4億60百万円で営業利益が24百万円、その他事業は売上高が98百万円で営業利益が20百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(7月〜9月)22億74百万円、第2四半期(10月〜12月)23億51百万円、営業利益は第1四半期0百万円の赤字、第2四半期66百万円だった。

■16年6月期業績予想を減額修正、配当予想は記念配当で増額修正

 2月12日に今期(16年6月期)通期の連結業績予想の減額修正と、配当予想の増額修正を発表した。

 業績予想については前回予想(8月13日公表)に対して、売上高を2億78百万円減額、営業利益を3億06百万円減額、経常利益を3億38百万円減額、純利益を2億12百万円減額した。

 修正後の今期(16年6月期)通期連結業績予想は、売上高が前期比8.2%増の97億39百万円だが、営業利益が同67.2%減の1億24百万円、経常利益が同75.3%減の94百万円、純利益が同78.8%減の41百万円とした。増益予想から大幅減益予想に転じた。

 アウトソーシング事業では、医療・医薬機器分野で受注量が計画を約5%下回る見込みとなり、精密機器分野の主要取引先で一部商品の減産が発生して受注量が計画を約15%下回る見込みとなった。また受注に対する適正な人材採用が進まず、生産量の低下や外注費の増加も影響する。技術者派遣事業は需要が概ね順調に推移しているが、採用環境が厳しく中途採用が停滞しているため収益が伸び悩むようだ。また非連結子会社である平山タイならびに、その子会社JSHRを16年6月期から連結子会社化することによって、13百万円の営業赤字と2百万円の営業外費用を取り込む見込みとしている。

 なお修正後のセグメント別計画は、アウトソーシング事業の売上高が前回予想比で6.7%減の85億19百万円、営業利益が同77.8%減、技術者派遣事業の売上高が同4.3%減の9億08百万円、営業利益は同微減の見込みとしている。

 新規拠点の開設は、国内ではアウトソーシング事業7拠点(岩手、栃木、東京・秋川、静岡・沼津、滋賀、広島、福岡)および海外コンサルティング事業1拠点(インドネシア駐在所)の開設を準備する計画だ。

 配当予想については年間38円(期末一括、普通配当6円+上場記念配当32円)とした。前回予想(8月13日公表)の年間37円34銭(期末一括)に対して66銭増額で配当性向は161.9%となる。また前期の年間35円22銭(期末一括)との比較では2円78銭増配となる。

 利益配分については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続という観点から配当性向25%を基本としている。このため今回の業績予想減額修正に伴って普通配当37円34銭を6円に修正し、普通配当の配当性向を25.0%とした。ただし15年7月10日に期超え上場したことを勘案し、修正した普通配当6円に上場記念配当として32円を加えて年間38円とした。

■株価は16年6月期業績予想減額修正で急落したが売り一巡感

 株価の動きを見ると、16年6月期業績予想の減額修正を嫌気して、1400円近辺でのモミ合いから2月16日の上場来安値807円まで急落した。その後は800円台でモミ合う展開となり売り一巡感を強めている。

 2月24日の終値850円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円47銭で算出)は36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は4.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1089円89銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約15億円である。

 週足チャートで見ると大きな窓を開けて急落したが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が30%程度に拡大して売られ過ぎ感を強めている。指標面の割安感も強めている。16年6月期減益予想の織り込みが完了して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:03 | アナリスト水田雅展の銘柄分析