スマートフォン解析

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2016年03月03日

【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ヨコレイは16年9月期第1四半期大幅増益、通期も大幅増益基調で増額余地

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫の大手で食品販売事業も展開している。16年9月期第1四半期は大幅増益だった。通期も大幅増益基調で増額余地がありそうだ。TPP(環太平洋パートナーシップ)関連も注目テーマである。株価は地合い悪化の影響で上げ一服局面だが、調整が一巡して15年12月の昨年来高値を試す展開だろう。

■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開

 冷蔵倉庫事業、および水産品・畜産品・農産品などの食品販売事業を展開している。

 食品販売事業では15年11月、ノルウェーの大手水産加工会社ホフセスインターナショナル(HI社)と、資本参加を含めた包括的業務提携を締結(調印式は15年8月)したと発表している。業務提携によって当社グループは、HI社が生産するノルウェー産アトランティックサーモン加工品の北米・欧州の大手量販店向け輸出販売などを開始する。日本国内向けビジネスでは鮭ハラス製品の独占販売権を取得した。

 またHI社との共同出資でHFSアライアンス社を設立し、サーモンオイルを成分としたサプリメントの中国向けネット通販を開始する。

■低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築

 冷蔵倉庫事業では物流アウトソーシングサービスを軸とした総合低温物流への取り組みを強化し、低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開に向けて積極投資を進めている。

 国内では14年4月北海道小樽市・石狩第2物流センター、14年6月大阪市・夢洲物流センター、14年10月宮崎県都城市・都城第2物流センターが竣工した。海外はASEAN地域への展開で14年2月にタイ・ワンノイ物流センター2号棟が竣工した。

 15年4月には、北海道・十勝物流センターおよび十勝第2物流センター隣接地に「十勝第3物流センター(仮称)」を新設(15年5月着工、16年8月竣工予定)すると発表した。隣接する2センターを含む3センター合計の収容能力は6万1千トンを超え、道内最大級の低温物流基地となる。

 15年11月には、森永乳業が所有する東京都大田区京浜島の土地と平和島の土地を取得(契約締結は15年9月)したと発表している。また取得する平和島の土地に現在稼働している冷蔵倉庫を所有、運営するパックス冷蔵(森永乳業の100%子会社)の全株式を併せて取得する。京浜島の土地には最新鋭の物流センターを建設する計画だ。一連の総投資額は90億円〜100億円の予定としている。

 また15年12月には幸手物流センター(仮称、埼玉県幸手市)を新設すると発表した。16年4月着工、17年竣工予定としている。

 海外では15年8月、タイ・バンパコン物流センター敷地内にバンパコン第2物流センターが竣工した。同センターの稼働により、タイヨコレイ全体の保管収容能力は約9万6000トンとなり、タイ国内トップシェアがさらに拡大した。

■15年9月期は償却負担

 15年9月期の連結業績は、冷蔵倉庫事業における設備増強効果などで14年9月期比9.3%増収だが、減価償却費増加などで同5.6%営業減益、同1.5%経常減益だった。純利益は減損損失が一巡して同37.1%増益だった。売上総利益率は7.4%で同0.7ポイント低下、販管費比率は4.9%で同0.3ポイント低下した。減価償却費は44億65百万円で同5億83百万円増加した。ROEは4.2%で同1.0ポイント上昇、自己資本比率は51.6%で同0.1ポイント上昇した。配当性向は41.1%だった。

 セグメント別に見ると、冷蔵倉庫事業は売上高が同8.3%増の241億39百万円、営業利益(連結調整前)が同0.9%減の47億48百万円、食品販売事業は売上高が同9.4%増の1305億95百万円、営業利益が同7.5%減の11億89百万円だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)399億38百万円、第2四半期(1月〜3月)350億45百万円、第3四半期(4月〜6月)395億69百万円、第4四半期(7月〜9月)402億15百万円、営業利益は第1四半期12億95百万円、第2四半期5億28百万円、第3四半期12億28百万円、第4四半期8億23百万円だった。

 セグメント別営業利益(連結調整前)の四半期別推移を見ると、冷蔵倉庫事業は第1四半期14億69百万円、第2四半期10億70百万円、第3四半期12億04百万円、第4四半期10億05百万円、食品販売事業は第1四半期3億30百万円、第2四半期67百万円の赤字、第3四半期5億22百万円、第4四半期4億04百万円だった。食品販売事業の営業損益は改善基調のようだ。

■16年9月期第1四半期は大幅増益

 2月12日発表の今期(16年9月期)第1四半期(10月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.3%増の420億35百万円、営業利益が同40.5%増の18億20百万円、経常利益が同48.4%増の19億96百万円、純利益が同49.9%増の13億20百万円だった。

 冷蔵倉庫事業、食品販売事業とも好調に推移した。なお売上総利益率は8.9%で同0.6ポイント上昇、販管費比率は4.6%で同0.5ポイント低下した。営業外収益では受取和解金85百万円を計上した。

 セグメント別の動向を見ると、冷蔵倉庫事業は売上高が同6.0%増の67億18百万円、営業利益(連結調整前)が同26.5%増の18億59百万円だった。荷動きが堅調だったことに加えて、14年9月期から順次稼働した4つの物流センターがフル稼働し、入庫取扱量が同7.4%増加、出庫取扱量が同5.4%増増加、平均保管在庫量が同10.7%増加と順調に推移した。利益面では物流センター立ち上げに伴う臨時経費が減少したことも寄与した。

 食品販売事業は、売上高が同5.1%増の353億05百万円となり、営業利益が同46.1%増の11億89百万円だった。水産品は増収増益となった。カニ、ホタテ、サバなどが収益に貢献した。包括的業務提携したノルウェーの大手水産加工会社ホフセスインターナショナル(HI社)との新規事業で、ノルウェー産アトランティックサーモンの販売拡大も寄与した。畜産品はチキンの相場下落などで減収減益、農産品は主力商材の好調で増収増益だった。

■16年9月期通期も大幅増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想は、前回予想(11月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比3.4%増の1600億円、営業利益が同29.1%増の50億円、経常利益が同23.8%増の50億円、純利益が同23.1%増の31億円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で予想配当性向は33.4%となる。

 セグメント別の計画は、冷蔵倉庫事業の売上高が同2.3%増の247億07百万円、営業利益(連結調整前)が同7.4%増の51億円、食品販売事業の売上高が同3.5%増の1352億26百万円、営業利益が同63.0%増の19億38百万円、その他の売上高が同2.1倍の67百万円、営業利益が同26.8%増の46百万円としている。

 冷蔵倉庫事業では入庫・出庫取扱量および平均保管在庫量が順調に増加し、新規稼働物流センターの収益寄与本格化も期待される。食品販売事業では引き続き、不採算在庫圧縮徹底や戦略的商材拡販などの効果が期待される。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が26.3%、営業利益が36.4%、経常利益が39.9%、純利益が42.6%と高水準である。大幅増益基調で通期業績予想に増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で17年9月期純利益32億円目標

 14年10月にスタートした第5次中期経営計画「Flap The Wings 2017」に基づいて、冷蔵倉庫事業では「クールネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題としている。

 目標数値については15年11月に売上高の増額修正を発表した。世界的な需給バランスの変化、円安による輸入コストの上昇などで、国内食材価格が高騰し、売上高が想定以上に増加している。

 そして修正後の目標数値としては、17年9月期売上高1500億円(冷蔵倉庫事業255億57百万円、食品販売事業1393億41百万円)、営業利益57億円(連結調整前の冷蔵倉庫事業56億65百万円、食品販売事業20億67百万円)、経常利益57億円、純利益32億円、ROE5.1%、配当性向40%以上、EBITDA100億円、自己資本比率52.0%とした。安定・着実な成長で持続的な企業価値向上を目指す方針だ。

■株主還元は配当性向40%以上の維持目標、株主優待は9月末に実施

 配当政策の基本方針は安定的な配当を継続して行うとしている。そして企業価値向上に必要な設備・IT投資等を勘案しつつ、配当性向40%以上を維持していくことを目標としている。

 株主優待については毎年9月30日現在の1000株以上保有株主に対して実施している。優待内容は1000株以上〜3000株未満保有株主に対して鮭切身詰め合わせ、3000株以上保有株主に対して北海道産ホタテ・いくらセットを贈呈する。

■株価は調整一巡して15年12月高値試す

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で上げ一服局面だが、大きく下押す動きは見られず、高値圏で堅調に推移している。16年9月期増収増益基調を評価する流れに変化はないだろう。

 3月2日の終値1004円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円91銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1185円23銭で算出)は0.8倍近辺である。なお時価総額は約527億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支える形だ。0.8倍近辺の低PBRは割安感のある水準であり、調整が一巡して15年12月の昨年来高値1080円を試す展開だろう。

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:22 | アナリスト水田雅展の銘柄分析