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2016年03月23日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーコーヒーは16年3月期増収増益基調で新事業領域を積極開拓、3月末の株主優待も注目

 キーコーヒー<2594>(東1)はレギュラーコーヒーの大手である。中期成長に向けて、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店加速など、新たな事業領域の開拓も積極推進している。16年3月期増収増益基調である。株価は調整が一巡して戻り歩調だ。3月期末の株主優待も注目点となる。

■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開

 コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド力強化、収益力強化、グループ連携強化を柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を積極推進している。

 イタリアントマトは、15年3月期の新規出店17店舗、閉店27店舗で、15年3月期末店舗数は直営64店舗、FC228店舗の合計292店舗だった。「国内は充実、海外は拡大」という基本方針に加えて、新業態店舗開発を促進し、中国やASEAN地域へ積極展開している。また効率的な生産・供給体制を構築するため、首都圏の3工場を集約した東京工場グランデを14年11月に竣工した。

■新たな事業領域開拓を積極推進

 M&Aも活用して積極的な業容拡大戦略を推進している。13年1月銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化、14年2月ネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。14年9月には世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.A(イタリア)と、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。

 通販事業のhonu加藤珈琲店は「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」を12年連続で受賞し、国内最大級のインターネットショッピングモール「Yahoo!ショッピング」においても「2014年年間ベストストア賞」を受賞している。

 15年4月にはスマートフォン向けアプリ「キーコーヒー ファンクラブ」を公開した。直営ショップ、KEYCOFFEE通販倶楽部、アマンド、ミヤマ珈琲など、各ブランドからのお得な情報、アプリ会員限定クーポン、おいしいコーヒーの入れ方など利用目的に応じて便利に使えるアプリだ。

■パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店を加速

 パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店も加速している。15年10月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の北陸地方初出店となる「Fukui Shinbo KEYS CAFE」が、福井県福井市のショッピングセンター「ワイプラザ福井店」にオープンした。

 15年11月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」で、イオンタウン成田富里「Narita KEYS CAFE」およびJR茅ケ崎駅直結ビルのラスカ茅ヶ崎「Chigasaki KEYS CAFE」がオープンした。

 16年1月には自家焙煎コーヒー店開業支援システム「SRS(ショップロースティングシステム)」の長崎県初導入店舗となる「cafelx(カフェルクス)」がオープンした。SRSは自家焙煎コーヒー店の開業を焙煎技術から生豆調達、店舗運営に至るまでトータルに支援するシステムである。

 2月27日には、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の東海エリア高速道路パーキングエリア初出店となる「Kariya KEYS CAFE」が、刈谷ハイウェイオアシス下りパーキングエリア近鉄パークハウス内(愛知県刈谷市)にオープンした。

 3月24日にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の全国初の駅構内出店店舗となる「Ouji KEYS CAFE」が、東京メトロ南北線王子駅構内「王子Metropia(メトロピア)」(東京都北区)にオープンする。

■コーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造、贈答用需要なども影響

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)138億78百万円、第2四半期(7月〜9月)136億77百万円、第3四半期(10月〜12月)152億55百万円、第4四半期(1月〜3月)135億13百万円で、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期2億69百万円、第3四半期5億34百万円、第4四半期4億39百万円の赤字だった。

 原料のコーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造で、天候や贈答用需要なども影響する。15年3月期の売上総利益率は28.6%で14年3月期比1.6ポイント低下、販管費比率は27.1%で同0.2ポイント低下、ROEは2.3%で同0.7ポイント低下、自己資本比率は72.3%で同1.2ポイント低下した。配当性向は44.9%だった。

■16年3月期第3四半期累計は2桁増収増益

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比17.3%増の502億36百万円で、営業利益が同29.0%増の16億57百万円、経常利益が同15.0%増の19億29百万円、純利益が同31.3%増の12億90百万円だった。

 コーヒー関連事業の増収が牽引した。売上総利益率は26.2%で同3.7ポイント低下、販管費比率は22.9%で同4.0ポイント低下した。特別利益には取引先との取引契約変更に伴う補償金2億53百万円を計上(1月29日公表)した。

 セグメント別の動向を見ると、主力のコーヒー関連事業は売上高が同23.2%増の433億53百万円、営業利益(連結調整前)が同17.6%増の19億51百万円だった。新商品投入など積極的な営業活動が奏功し、業務用、家庭用、原料用とも増収だった。特に原料用が大幅に伸長した。本格的なコーヒーを提供する「KEYS CAFE」は14店舗を出店し、導入店舗は33店舗となった。

 飲食関連事業は、売上高が同14.0%減の38億26百万円、営業利益が71百万円の赤字(前年同期は1億18百万円の赤字)だった。イタリアントマトにおける不採算店整理で2桁減収だが、不採算店減少に付加価値の高いメニュー投入なども寄与して営業赤字が縮小した。イタリアントマト新規出店は海外3店舗、閉店は22店舗で、15年12月末店舗数は直営61店舗、FC213店舗の合計274店舗となった。その他は売上高が同3.8%減の30億56百万円、営業利益が同30.1%増の2億88百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億94百万円、第2四半期(7月〜9月)166億58百万円、第3四半期(10月〜12月)174億84百万円で、営業利益は第1四半期6億65百万円、第2四半期1億10百万円、第3四半期8億82百万円だった。

■16年3月期通期も増収増益基調

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月26日に売上高を増額)は、売上高が前期(15年3月期)比13.6%増の640億円の2桁増収で、営業利益が同60.8%増の13億60百万円、経常利益が同29.6%増の18億円、純利益が同39.7%増の11億30百万円の大幅増益としている。配当予想(5月13日公表)は前期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は31.8%となる。

 天候やコーヒー生豆相場の動向で収益が変動しやすいが、企画提案型営業の強化、生活者に対するブランド訴求、積極的な新商品の開発・市場投入、高付加価値商品の拡販、業務用・家庭用・原料用における価格改定浸透、CVS向けカウンターコーヒーの進捗、最適製造体制の確立、生産効率化、コスト低減などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が78.5%、営業利益が121.8%、経常利益が107.2%、純利益が114.2%と高水準である。通期ベースでも増収増益基調が予想される。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して、自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上〜300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上〜1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。

 また15年10月には、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって自己株式取得を実施した。取得株式総数は45万株、取得価額総額は8億7795万円(1株につき1951円)だった。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受ける場面があったが、2月12日の直近安値1712円から切り返して戻り歩調の展開だ。調整が一巡したようだ。

 3月22日の終値1936円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円32銭で算出)は38〜39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1594円32銭で算出)は1.2倍近辺である。なお時価総額は約439億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、25日移動平均線が上向きに転じた。週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。また1月安値と2月安値でダブルボトムとなって底打ち確認の形だ。3月期末の株主優待も注目点となる。出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:01 | アナリスト水田雅展の銘柄分析