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2016年05月27日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーコーヒーは17年3月期2桁増益・増配予想、新事業領域開拓を積極推進

 キーコーヒー<2594>(東1)はレギュラーコーヒーの大手である。中期成長に向けて、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店加速など新事業領域の開拓を積極推進している。16年3月期の利益は計画を下回ったが、2桁営業増益で増配だった。17年3月期も2桁増益・増配予想である。株価は安値圏でモミ合う展開だが徐々に下値を切り上げている。調整が一巡して出直り展開だろう。

■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開

 コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド力強化、収益力強化、グループ連携強化を柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を積極推進している。

 イタリアントマトは「国内は充実、海外は拡大」という基本方針で、新業態店舗開発を促進している。16年3月期末店舗数は直営56店舗、FC214店舗の合計270店舗だった。効率的な生産・供給体制を構築するため、首都圏の3工場を集約した東京工場グランデを14年11月に竣工した。海外は中国やASEAN地域へ積極展開している。

■新たな事業領域開拓を積極推進

 M&Aも活用して積極的な業容拡大戦略を推進している。13年1月銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化、14年2月ネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。14年9月には世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.A(イタリア)と、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。

 通販のhonu加藤珈琲店は「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」を12年連続で受賞し、国内最大級のインターネットショッピングモール「Yahoo!ショッピング」においても「2014年年間ベストストア賞」を受賞している。

 15年4月には、スマートフォン向けアプリ「キーコーヒー ファンクラブ」を公開した。直営ショップ、KEYCOFFEE通販倶楽部、アマンド、ミヤマ珈琲など、各ブランドからのお得な情報、アプリ会員限定クーポン、おいしいコーヒーの入れ方など利用目的に応じて便利に使えるアプリだ。

 なお5月13日には、世界的なコーヒー関連事業における非営利の研究機関であるワールド・コーヒー・リサーチ(本拠・米国テキサス州)の日本初のゴールドメンバーとして、同団体が取り組む国際品種栽培試験(IMLVT)活動に、16年4月から協力を開始したと発表している。

■パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店を加速

 パッケージカフェ「KEYS CAFE」の出店を加速している。15年10月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の北陸地方初出店となる「Fukui Shinbo KEYS CAFE」が、福井県福井市のショッピングセンター「ワイプラザ福井店」にオープンした。

 16年1月には自家焙煎コーヒー店開業支援システム「SRS(ショップロースティングシステム)」の長崎県初導入店舗となる「cafelx(カフェルクス)」がオープンした。SRSは自家焙煎コーヒー店の開業を焙煎技術から生豆調達、店舗運営に至るまでトータルに支援するシステムである。

 16年2月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の東海エリア高速道路パーキングエリア初出店となる「Kariya KEYS CAFE」が、刈谷ハイウェイオアシス下りパーキングエリア近鉄パークハウス内(愛知県刈谷市)にオープンした。

 16年3月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の全国初の駅構内出店店舗となる「Ouji KEYS CAFE」が、東京メトロ南北線王子駅構内の王子Metropia(メトロピア)(東京都北区)にオープンした。またパッケージカフェ「KEYS CAFE」のホテル内初出店店舗となる「Akasaka KEYS CAFE」が、東京メトロ千代田線赤坂駅徒歩1分の好立地ファーストキャビン赤坂(東京都港区)にオープンした。

 16年6月にはパッケージカフェ「KEYS CAFE」の静岡県初出店店舗となる「Shizuoka KEYS CAFE」がJR静岡駅前(静岡県静岡市)にオープンする。

■コーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造、贈答用需要なども影響

 なお15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)138億78百万円、第2四半期(7月〜9月)136億77百万円、第3四半期(10月〜12月)152億55百万円、第4四半期(1月〜3月)135億13百万円、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期2億69百万円、第3四半期5億34百万円、第4四半期4億39百万円の赤字だった。

 原料のコーヒー生豆相場の影響を受ける収益構造で、天候や贈答用需要なども影響する。15年3月期の売上総利益率は28.6%で14年3月期比1.6ポイント低下、販管費比率は27.1%で同0.2ポイント低下した。ROEは2.3%で同0.7ポイント低下、自己資本比率は72.3%で同1.2ポイント低下した。配当性向は44.9%だった。

■16年3月期の利益は計画を下回ったが2桁営業増益で増配

 5月13日発表した前期(16年3月期)の連結業績は、売上高が前々期(15年3月期)比15.2%増の649億06百万円、営業利益が同24.6%増の10億54百万円、経常利益が同1.1%減の13億73百万円、純利益が同7.0%減の7億51百万円だった。

 コーヒー関連事業が好調に推移して2桁増収・営業増益だった。売上総利益は同2.3%増加したが、売上総利益率は25.4%で同3.2ポイント低下した。販管費は同1.3%増加にとどまり、販管費比率は23.8%で同3.3ポイント低下した。営業外収益では受取配当金が減少(前々期3億27百万円計上、前期1億84百万円計上)した。特別損失では減損損失が増加(前々期2億25百万円計上、前期2億88百万円計上)した。

 配当は同1円増配の年間17円(第2四半期末8円、期末9円)とした。配当性向は50.8%である。ROEは2.1%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は72.0%で同0.3ポイント低下した。

 セグメント別に見ると、コーヒー関連事業は売上高が同20.5%増の559億61百万円、営業利益(連結調整前)が同11.1%増の16億58百万円だった。新商品の投入など積極的な営業活動が奏功して、業務用・家庭用・原料用とも増収だった。特に原料用が大幅に伸長した。本格的なコーヒーを提供するパッケージカフェ「KEYS CAFE」は20店舗を出店し、導入店舗は39店舗となった。

 飲食関連事業は、売上高が同12.3%減の51億01百万円、営業利益が1億29百万円の赤字(前々期は1億74百万円の赤字)だった。イタリアントマトにおける不採算店整理などで2桁減収だが、不採算店の減少に加えて、付加価値の高いメニューの投入なども寄与して営業赤字が縮小した。イタリアントマトの期末店舗数は直営56店舗、FC214店舗の合計270店舗となった。その他(ニック食品、honu加藤珈琲店など)は売上高が同5.1%減の38億43百万円、営業利益が同2.8%増の1億50百万円だった。

 なお前期(16年3月期)連結業績は、計画に対して、売上高は9億06百万円上回ったが、営業利益は3億06百万円、経常利益は4億27百万円、純利益は3億79百万円、それぞれ下回った。飲食関連事業での業績不振と減損損失の計上、マイナス金利政策の影響による年金債務の負担増、投資環境悪化による配当金の減少などが影響した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億94百万円、第2四半期(7月〜9月)166億58百万円、第3四半期(10月〜12月)174億84百万円、第4四半期(1月〜3月)146億70百万円、営業利益は第1四半期6億65百万円、第2四半期1億10百万円、第3四半期8億82百万円、第4四半期6億03百万円の赤字だった。

■17年3月期も2桁増益・増配予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比0.1%増の650億円、営業利益が同23.3%増の13億円、経常利益が同13.6%増の15億60百万円、そして純利益が同33.0%増の10億円としている。配当予想は同1円増配の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)で予想配当性向は40.0%となる。

 天候やコーヒー生豆相場の動向で収益が変動しやすく、消費増税にも不透明感が強いが、企画提案型営業の強化、生活者に対するブランド訴求、積極的な新商品の開発・市場投入、高付加価値商品の拡販、CVS向けカウンターコーヒーの進捗、最適製造体制の確立、生産効率化、コスト低減などに取り組み、2桁増益・増配予想としている。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施
 
 株主優待制度については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上〜300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上〜1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。

■株価は徐々に下値切り上げて調整一巡感

 株価の動きを見ると、安値圏1800円〜1900円近辺でモミ合う展開だが、徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 5月26日の終値1825円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円98銭で算出)は40〜41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間118円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1568円19銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約414億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方で下値を徐々に切り上げている。調整が一巡して出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:01 | アナリスト水田雅展の銘柄分析