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2016年06月06日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトHDはネット通販・広告市場の拡大を背景に17年3月期増収増益予想

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)はEC(電子商取引)サイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を強化している。16年3月期は営業微減益だったが、ネット通販・広告市場の拡大を背景に17年3月期増収増益予想である。中期成長が期待され、EC関連やサイバーセキュリティ関連のテーマ性、さらに自己株式取得による積極還元姿勢も注目点となる。株価は1月の年初来高値に接近している。上値を試す展開だろう。1000円近辺のフシを突破すれば上げ足を速めそうだ。

■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品で首位

 ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 顧客のEC事業立ち上げ時の戦略コンサルティングから、ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・カスタマイズ・保守、ECサイト構築・運用支援、さらにリスティング広告・SEO対策などのプロモーションサービスまで、総合的なサービスを提供していることが強みだ。

 ECサイト構築実績は中堅・大手優良企業向けを中心に、国内断トツ首位の800社以上に達している。そしてECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。

 15年11月には、05年11月販売開始した社内ネットワークへの不正接続を検知するセキュリティ製品「L2Blocker」が、富士キメラ総研「富士マーケティング・レポート・情報漏洩対策需要に湧く不正接続防止ツール市場」において、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得したと発表している。なお同レポートでは、不正接続防止ツール市場の導入社数は13年4400社、14年4700社から、19年5600社に増加すると予測している。

■中期成長戦略でeビジネス総合デベロッパー目指す

 中期成長戦略としては、単なるECシステム提供企業からeビジネス総合デベロッパーへの発展を目指してソリューション事業を強化している。またインターネット広告や運用支援などデジタルマーケティング市場にも積極展開してビジネス領域を拡大している。

 アライアンス戦略では、13年5月に日本ユニシス<8056>と資本・業務提携、13年9月に東芝テック<6588>と業務提携した。

 また15年5月には子会社ソフトクリエイトが、サイボウズ<4776>の「CYBOZU AWARD 2015」において「セールスアドバイザ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。本アワードは年間を通じてサイボウズ製品の提案・営業活動で際立った実績を残したSA認定者に贈られる。

 15年7月には子会社ソフトクリエイトが、Windows Serverのディレクトリ・サービス「Active Directory」を、クラウドスタイルで提供する「SCCore Directory」のサービスを開始した。

 15年10月には子会社ソフトクリエイトがクラウドサービス分野で、アルテリア・ネットワークス社の「VECTANTクローズドIPネットワーク」の販売を開始した。同社の閉域網サービス「VECTANT」で企業向け専用の閉域IPバックボーンを介したセキュアで高品質なネットワークを提供するとしている。

 15年11月には子会社ソフトクリエイトが、情報セキュリティ専門のコンサルティング会社グローバルセキュリティエキスパートと、セキュリティ分野において戦略的協業を推進することで合意した。多様化するサイバー攻撃やマルウェア対策に備えるためセキュリティ・ソリューションを強化する。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)27億22百万円、第2四半期(7月〜9月)30億89百万円、第3四半期(10月〜12月)28億17百万円、第4四半期(1月〜3月)33億11百万円、営業利益は第1四半期2億81百万円、第2四半期3億86百万円、第3四半期3億51百万円、第4四半期4億48百万円だった。

 システム構築関連で第4四半期の構成比が高い収益構造だ。15年3月期の売上総利益率は30.7%で14年3月期比0.4ポイント上昇、販管費比率は18.4%で同0.3ポイント上昇、ROEは15.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は15.4%で同2.6ポイント上昇した。配当性向は28.7%だった。

■16年3月期は営業微減益だが需要は堅調

 前期(16年3月期)連結業績は、売上高が前々期(15年3月期)比2.8%増の122億77百万円、営業利益が同0.4%減の14億61百万円、経常利益が同2.0%増の15億55百万円、そして純利益が同8.1%増の10億17百万円だった。

 販管費の増加などで営業減益だったが、ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」を活用したECソリューション事業、セキュリティビジネス、独自サービス「SCクラウド」など主力事業が概ね順調に推移した。

 売上総利益は同3.0%増加し、売上総利益率は30.8%で同0.1ポイント上昇した。販管費は同5.3%増加し、販管費比率は18.9%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取利息・配当金が増加(前々期42百万円計上、前期61百万円計上)し、持分法投資利益が増加(前々期9百万円計上、前期16百万円計上)した。営業外費用では前々期計上の和解金6百万円が一巡した。

 また特別利益では投資有価証券売却益が増加(前々期25百万円計上、前期1億46百万円計上)し、投資有価証券償還益1億04百万円を計上した。特別損失では投資有価証券売却損が増加(前々期3百万円計上、前期1億14百万円計上)し、特別退職金31百万円、和解金45百万円を計上した。

 配当は前々期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。配当性向は26.3%である。ROEは14.9%で同0.5ポイント低下、自己資本比率は同横ばいの65.5%だった。

 セグメント別に見ると、ECソリューション事業は売上高が同2.9%増の58億38百万円で、経常利益(連結調整前)が同18.9%増の13億51百万円だった。インターネット広告売上、保守およびホスティング売上が伸長した。システムインテグレーション事業は売上高が同2.6%増の26億20百万円で、経常利益が同23.2%減の7億33百万円だった。物品販売事業は売上高が同2.9%増の38億18百万円で、経常利益が同16.3%増の79百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)28億円、第2四半期(7月〜9月)30億03百万円、第3四半期(10月〜12月)28億42百万円、第4四半期(1月〜3月)36億32百万円、営業利益は第1四半期2億94百万円、第2四半期3億25百万円、第3四半期2億97百万円、第4四半期5億45百万円だった。

■17年3月期は増収増益予想

 今期(17年3月期)連結業績予想(5月9日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比6.7%増の131億円、営業利益が同4.0%増の15億20百万円、経常利益が同1.6%増の15億80百万円、そして純利益が同0.4%増の10億22百万円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は26.5%となる。

 ECソリューション事業では、EC市場およびインターネット広告市場の拡大を背景として、ネット通販サイト構築需要やインターネット広告需要が拡大し、ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・カスタマイズ・保守が好調に推移する。またシステムインテグレーション事業では、企業のセキュリティ対策・IT投資意欲の高まりやクラウドサービス市場の拡大を背景として、不正接続PC検知・排除システム「L2Blocker」が好調に推移する。

 コスト面では製品機能充実のための費用、知名度向上のための広告宣伝費、新卒社員の積極採用に伴う採用費や人件費が増加するが、増収効果で吸収する。ECサイト累計構築数は増加基調のためストック型収益も拡大基調だ。国内断トツ首位のECサイト構築実績を武器として、中期的にも収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施
 
 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。

 優待内容は保有株数に応じてオリジナルQUOカードを贈呈(3000株以上保有株主に対してQUOカード3000円分など、詳細は会社ホームページを参照)し、2年超の継続保有株主に対しては長期保有優待制度も実施している。

■自己株式取得を実施
 
 5月25日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限10万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合0.7%)、取得価額総額の上限1億円、取得期間は16年5月26日〜16年7月29日としている。

 なお5月31日時点の累計で、取得株式総数2800株、取得価額総額261万7200円となった。

■株価は年初来高値に接近

 株価の動きを見ると、出直りの動きが本格化している。6月1日には947円まで上伸して1月の年初来高値980円に接近してきた。

 6月3日の終値945円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円57銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS517円10銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約130億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸した。そして13週移動平均線が26週移動平均線を上抜く形だ。上昇トレンドで1000円近辺のフシを突破すれば上げ足を速めそうだ。



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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:28 | アナリスト水田雅展の銘柄分析