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2016年06月06日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズは上場来高値更新の展開、17年3月期も増収増益予想で中期成長力を評価

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野を主力として、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業領域拡大戦略を加速している。16年3月期は2桁増収増益で過去最高益を更新した。そして17年3月期も増収増益で3期連続増配予想である。株価は中段保ち合いから上放れて上場来高値更新の展開だ。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開だろう。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)などの総菜関連事業等、その他(ショップ事業、海外事業)を展開している。ロングライフサラダは業界のパイオニアとして国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。

 16年3月期の商材別売上構成比はサラダ類45.5%、タマゴ類27.0%、マヨネーズ・ドレッシング類25.5%、その他2.0%だった。マヨネーズ・ドレッシング類は概ね横ばい推移だが、サラダ類とタマゴ類の伸長が加速している。分野別売上構成比は外食26.0%、CVS(コンビニエンスストア)25.7%、量販店20.4%、パン14.5%、給食4.8%、その他8.6%だった。

■サラダ・総菜類やタマゴ加工品への事業領域拡大戦略を加速

 中期成長に向けて「サラダNO.1(Leading company)」ポジション確立を目指し、サラダ・総菜類やタマゴ加工品分野への事業領域拡大戦略を加速している。

 13年9月販売開始した「サラダのプロがつくった」サラダシリーズではラインナップ充実を推進している。また通販サイト「ケンコーマヨネーズオンラインショップ」では、インドネシア工場で製造し、インドネシアのハラール認証を取得して現地の一般消費者向けに販売しているマヨネーズタイプ「おマヨ/omayo」を販売している。

 生産面では14年4月、原料である「殻付き卵」から「タマゴ製品」まで一貫した生産システムを備えた静岡富士山工場が稼働した。さらに生産効率改善に向けた生産拠点統廃合も推進し、子会社の関東ダイエットエッグ新座工場(埼玉県)を14年9月に閉鎖して静岡富士山工場に生産集約した。

■サラダカフェ事業はショップ展開推進して新業態も開発

 サラダカフェ事業では15年9月、子会社サラダカフェのサラダ商品「蒸し鶏&キヌアのジャーサラダ」が、日本雑穀アワード第2回デイリー食品部門の金賞を受賞している。

 百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進め、和食とサラダを組み合わせた和サラダ専門の新ブランド「WaSaRa」の展開を開始する。16年3月に1号店として、あべのハルカス近鉄タワー館に「WaSaRa近鉄あべのハルカス」店をオープンし、サラダカフェ事業のショップ展開は17店舗となった。

 また16年3月には、新しい味覚と出会う創造の場「自遊庵」を、三越日本橋本店・食品フロアにオープンした。三越日本橋本店・食品フロアのテーマである「食文化体感!食賓館」のメインショップとして出店し、日本に根付く「食」にまつわる要素を五感で体感できる新空間をテーマとしている。

■中国事業は合弁解消したが、グローバル展開方針に変化なし

 中国事業については15年6月に合弁を解消した。味全食品工業との合弁で持分法適用関連会社である頂可(香港)の当社が所有する全株式(出資比率50%)を頂全(開曼島)に譲渡した。14年10月に合弁相手先の関連会社による食の品質に関するコンプライアンス上の問題が発生したため合弁継続は難しいと判断した。

 ただし今後もグローバル市場への積極展開を進める経営戦略に変更はなく、アジアだけでなく北米や欧州にも視野を広げていくとしている。

■鶏卵や野菜などの原材料価格が収益変動要因

 なお15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)147億41百万円、第2四半期(7月〜9月)153億50百万円、第3四半期(10月〜12月)157億64百万円、第4四半期(1月〜3月)144億72百万円、営業利益は第1四半期6億35百万円、第2四半期7億59百万円、第3四半期9億31百万円、第4四半期6億76百万円だった。

 鶏卵や野菜など原材料価格の動向が収益変動要因となりやすい構造である。15年3月期の売上総利益率は26.1%で14年3月期比0.3ポイント上昇、販管費比率は21.1%で同0.4ポイント低下、ROEは9.6%で同1.3ポイント上昇、自己資本比率は45.5%で同5.7ポイント上昇した。配当性向は19.9%だった。

■16年3月期は2桁増収増益で過去最高益更新

 前期(16年3月期)連結業績は売上高が前々期(15年3月期)比11.0%増の669億33百万円、営業利益が同14.5%増の34億36百万円、経常利益が同23.4%増の34億26百万円、純利益が同27.0%増の20億85百万円だった。売上高、各利益とも計画を上回る2桁増収増益で過去最高益を更新した。

 売上面ではサラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品がいずれも順調に伸長した。分野を細分化した業態別の個別対策によるきめ細やかな対応が奏功し、特に小型形態のロングライフサラダの採用が加速した。利益面では鶏卵相場が高値圏で推移し、販管費も増加したが、増収効果、特に高付加価値商品の増収や連結子会社のフレッシュ総菜の増収、さらに静岡富士山工場の操業度上昇や原燃料コストの低減などで吸収して2桁増益だった。

 売上総利益は同9.7%増加したが、売上総利益率は25.8%で同0.3ポイント低下した。販管費は同8.6%増加したが、販管費比率は20.6%で同0.5ポイント低下した。営業外費用では持分法投資損益が改善(前々期は損失2億46百万円計上、前期は損失81百万円計上)した。なお経常利益増減分析は、増益要因が売上高増加9億89百万円、生産効率向上5億86百万円、物流費削減70百万円、減益要因が原材料価格変動の影響5億63百万円、固定費等の増加4億32百万円としている。

 また特別利益で関係会社株式売却益2億05百万円を計上したが、特別損失で固定資産除却損5億95百万円および減損損失2億83百万円を計上したため、税前利益は微減益だった。ただし法人税等調整額を計上して税金費用が減少したため、純利益は大幅増益だった。なおROEは11.2%で同1.6ポイント上昇、自己資本比率は45.6%で同0.1ポイント上昇した。配当は同5円増配の年間28円(第2四半期末11円、期末17円)とした。配当性向は19.1%である。

 セグメント別の動向を見ると、調味料・加工食品事業は売上高が同10.7%増の550億35百万円(サラダ・総菜類が同12.8%増の189億03百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が同1.7%増の167億72百万円、タマゴ加工品が同17.7%増の177億92百万円)で、経常利益(連結調整前)が同8.1%増の28億62百万円だった。販売重量が同9.1%増加(サラダ・総菜類が同9.4%増加、マヨネーズ・ドレッシング類が同4.2%増加、タマゴ加工品が同15.5%増加)し、販売単価も同5円50銭/kg上昇した。

 総菜関連事業等は売上高が同13.2%増の106億60百万円、経常利益が同85.4%増の6億45百万円だった。食品スーパー向けポテトサラダ、明太子やタマゴを使用したパスタ製品の新規採用が増加した。北海道エリア限定のカット野菜も大幅に増加した。その他(ショップ事業、海外事業)は売上高が同5.4%増の12億38百万円、経常利益が77百万円の赤字(前々期は2億29百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)160億83百万円、第2四半期(7月〜9月)171億61百万円、第3四半期(10月〜12月)172億59百万円、第4四半期(1月〜3月)164億30百万円、営業利益は第1四半期8億24百万円、第2四半期10億02百万円、第3四半期10億07百万円、第4四半期6億03百万円だった。

■17年3月期も増収増益で3期連続増配予想、さらに上振れ余地

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月10日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比4.6%増の700億円で、営業利益が同0.4%増の34億50百万円、経常利益が同2.1%増の35億円、純利益が同2.1%増の21億30百万円としている。

 事業別売上高の計画は、調味料・加工食品事業が同4.3%増の573億79百万円(サラダ・総菜類が同3.6%増の195億77百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が同5.3%増の179億74百万円、タマゴ加工品が同4.2%増の185億41百万円)で、総菜関連事業等が同6.5%増の113億56百万円、その他が同2.2%増の12億65百万円としている。

 サラダ・総菜類は量販店・CVS向け小型形態商品の充実、和惣菜「和彩万菜」シリーズや北海道限定カット野菜などの強化、マヨネーズ・ドレッシング類は新ブランド「世界を旅するドレッシング」の強化、海外市場(輸出事業)の開拓、タマゴ加工品はCVS・外食から量販店への販路拡大に取り組む。

 原材料価格の上昇や固定費の増加などを、増収効果や生産効率向上効果などで吸収する。経常利益増減分析予想は、増益要因が売上高の増加4億55百万円、生産効率の向上3億17百万円、減益要因が原材料価格変動の影響2億25百万円、固定経費等の増加4億73百万円としている。

 配当予想は同2円増配の年間30円(第2四半期末14円、期末16円)としている。3期連続増配で予想配当性向は20.0%となる。利益還元については、連結ベースでの配当性向20%を意識して、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

 分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応戦略、メニュー提案力の強化戦略、新商品投入などの商品ラインナップ強化戦略、ブランド強化戦略などが奏功し、中食市場の拡大も背景として、CVS・食品スーパー・外食向けに、サラダ・総菜類やタマゴ加工品の採用が拡大基調である。会社予想は保守的な印象も強く、上振れ余地がありそうだ。高付加価値商品拡販や生産効率改善も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■中期経営計画で「サラダNO.1」目指す

 中期経営計画「KENKO Five Code 2015−2017」においては、基本戦略を「サラダNO.1(Leading company)」のポジション確立、サラダ料理の更なる進化、グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化としている。そして経営目標値としては、18年3月期売上高750億円、経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上維持を掲げている。

 具体的戦略として、マヨネーズ・ドレッシング事業では、新ブランド「世界を旅するドレッシング」の拡充、健康訴求・機能性を付加した商品の拡充を推進する。また西日本工場NO.2ラインでドレッシングラインを増強(16年6月稼働予定)して、味や品質の向上、賞味期限延長、容器変更(マルチ充填のフレキシブルな形態対応)に取り組む。

 なお5月11日には、毎年8月24日を「ドレッシングの日」とすることが一般社団法人日本記念日協会に登録認定されたと発表している。カレンダー上で8月24日は8月31日(野菜の日)の真上に位置して「野菜にかける」から「ドレッシングの日」として正式に登録認定された。

 サラダ・総菜事業では「和彩万菜」シリーズの拡充、やわらか食や小型形態への対応、新規素材の開拓を推進する。また御殿場工場新ラインでロングライフサラダラインを増強(16年4月稼働)した。多品種・多形態生産に対応する。

 ポテト事業では素材系や「北海道ブランド」の商品開発、メニュー提案の強化、グループ間での商品・メニュー化の強化を推進する。また山梨サラダ工場で小型ポテトサラダラインを増強(16年1月稼働)した。

 たまご事業では「惣菜亭」シリーズ拡充やニーズに合った商品開発を推進する。当社グループ総合フェアで提案した「卵焼きサンドイッチ」がCVSや製パン向けに好評のため、さらなる市場拡大を目指す。また静岡富士山工場でタマゴ加工品の冷凍設備およびスクランブルエッグラインを増強(16年2月稼働)した。

 また「サラダ料理」のさらなる進化として、サラダカフェ事業において百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進め、和食とサラダを組み合わせた和サラダ専門の新ブランド「WaSaRa」の展開を開始する。プロダクトブランド強化の面では、ドレッシングの「世界を旅するドレッシング」、和惣菜の「和彩万菜」、ポテトサラダの「まるごと北海道」、タマゴ加工品の「惣菜亭」の各ブランドのコンセプトを明確にして、社内外への浸透を図る方針だ。

 海外事業に関しては15年7月、北米や欧州を中心とする食にまつわる情報収集拠点をカナダのバンクーバーに新設している。バンクーバーリサーチオフィスでは市場演出型企業として、日本にはない新しい食文化をいち早くキャッチし、情報を発信していくとしている。

 海外に関しては16年3月現在、35の国と地域へ輸出している。中期的には賞味期限延長によってさらなる拡販を図る方針だ。

■株主優待制度は毎年3月末に実施

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主に対して実施している。

 優待内容は1単元(100株)以上〜10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。

■株価は中段保ち合い上放れて上場来高値更新の展開

 株価の動きを見ると、6月3日に上場来高値となる2771円まで上伸した。好業績を評価して、高値圏2200円〜2600円近辺での中段保ち合いから上放れたようだ。

 6月3日の終値2768円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS149円89銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1358円94銭で算出)は2.0倍近辺である。時価総額は約393億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開だろう。



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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:38 | アナリスト水田雅展の銘柄分析