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2016年07月15日

ヨコレイは年初来高値に接近、16年9月期大幅増益予想で増額余地

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫の大手で、低温物流サービスの戦略的ネットワーク構築に向けて積極投資を継続している。食品販売事業はノルウェーHI社との資本業務提携で業容を拡大している。16年9月期大幅増益予想で増額余地があるだろう。株価は急反発して3月の年初来高値に接近している。上値を試す展開だろう。

■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開

 冷蔵倉庫事業、および水産品・畜産品・農産品などの食品販売事業を展開している。15年9月期のセグメント別売上高構成比は冷蔵倉庫事業15.6%、食品販売事業84.4%、その他0.0%だった。営業利益(連結調整前)構成比は冷蔵倉庫事業79.5%、食品販売事業19.9%、その他0.6%だった。

■冷蔵倉庫事業は低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築

 冷蔵倉庫事業では低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開に向けて積極投資を継続している。

 国内では14年4月北海道小樽市・石狩第2物流センター、14年6月大阪市・夢洲物流センター、14年10月宮崎県都城市・都城第2物流センターが竣工した。北海道・十勝第3物流センター(仮称)は16年8月竣工予定、北海道河西郡芽室町のヨコレイ十勝ソーティングスポット(仮称)は16年9月竣工予定、埼玉県・幸手物流センター(仮称)は17年6月竣工予定である。海外はASEAN地域への展開で14年2月タイ・ワンノイ物流センター2号棟が竣工、15年8月タイ・バンパコン第2物流センターが竣工した。タイヨコレイ全体の保管収容能力はタイ国内トップシェアである。

 15年11月には、森永乳業が所有する東京都大田区京浜島の土地と平和島の土地を取得(契約締結15年9月)したと発表している。取得する平和島の土地に冷蔵倉庫を所有・運営するパックス冷蔵(森永乳業の100%子会社)の全株式を取得する。京浜島の土地には最新鋭物流センターを建設する計画だ。一連の総投資額は90億円〜100億円の予定としている。

 16年3月には冷蔵倉庫建設用地として、福岡市アイランドシティ港湾関連用地4工区E区画の取得を発表した。引渡は18年3月予定である。

 なお6月22日に在阪領事館視察団による大阪市・夢洲物流センター見学会が開催され、17ヶ国総勢47名が参加した。また7月12日にロシア民間企業経営者ら14名が横浜市・横浜物流センターを訪れ、施設見学会・意見交換会を行った。

■食品販売事業ではノルウェーの大手水産加工会社と包括的業務提携

 食品販売事業ではノルウェーの大手水産加工会社ホフセスインターナショナル(Hofseth International=HI)と、資本参加を含めた包括的業務提携を締結(調印式15年8月)した。

 業務提携によって、HI社が生産するノルウェー産アトランティックサーモン加工品の北米・欧州の大手量販店向け輸出販売を開始する。日本国内向けビジネスでは鮭ハラス製品の独占販売権を取得した。またHI社との共同出資でHFSアライアンス社を設立し、サーモンオイルを成分としたサプリメントの中国向けネット通販を開始する。

 16年3月には水産品輸出入の100%子会社アライアンスシーフーズ(ASF社)が、HI社の100%子会社でアトランティックサーモン等の加工製造を行っているSyyde社の全株式を取得した。

 また7月14日には、ASF社とHI社が合弁で設立したHIYR AS社(ノルウェー)による養殖事業会社Fjordlaks Aqua AS(ノルウェー、FA社)の全株式取得が完了し、連結子会社化(7月13日付)したと発表している。

■15年9月期は減価償却費増加

 15年9月期は減価償却費増加などで営業減益だった。売上総利益率は7.4%で14年9月期比0.7ポイント低下、販管費比率は4.9%で同0.3ポイント低下した。減価償却費は44億65百万円で同5億83百万円増加した。純利益は減損損失が一巡して増益だった。ROEは4.2%で同1.0ポイント上昇、自己資本比率は51.6%で同0.1ポイント上昇した。配当性向は41.1%だった。

 15年9月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期399億38百万円、第2四半期350億45百万円、第3四半期395億69百万円、第4四半期402億15百万円、営業利益は12億95百万円、5億28百万円、12億28百万円、8億23百万円だった。セグメント別営業利益(連結調整前)は冷蔵倉庫事業が14億69百万円、10億70百万円、12億04百万円、10億05百万円、食品販売事業が3億30百万円、67百万円の赤字、5億22百万円、4億04百万円だった。食品販売事業の営業損益は改善基調のようだ。

■16年9月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(16年9月期)第2四半期累計(10〜3月)の連結業績は、前年同期比0.8%増収、同56.5%営業増益、同66.0%経常増益、同75.8%最終増益で、計画超の大幅増益だった。

 冷蔵倉庫事業は新物流センターのフル稼働も寄与して好調に推移した。食品販売事業は円高によって輸入商材の収益環境が好転したことも寄与した。売上総利益は同15.4%増加し、売上総利益率は8.6%で同1.0ポイント上昇した。販管費は同4.2%減少し、販管費比率は4.9%で同0.2ポイント低下した。

 セグメント別の動向を見ると、冷蔵倉庫事業は売上高が同6.0%増の126億63百万円、営業利益(連結調整前)が同28.5%増の32億63百万円だった。荷動きが堅調で、14年9月期から順次稼働した4つの物流センターのフル稼働が寄与した。入庫取扱量は同6.4%増加、出庫取扱量は同6.8%増増加、平均保管在庫量は同10.2%増加し、保管料収入が同7.5%増収、荷役料収入が同5.0%増収、運送収入が同5.0%増収となった。利益面では物流センター立ち上げに伴う消耗備品費が減少(1億53百万円減少)し、設備投資がピークアウトして減価償却費が減少(1億19百万円減少)したことも寄与した。

 食品販売事業は、売上高が同0.2%減の628億79百万円だが、営業利益が同2.6倍の6億78百万円だった。水産品は増収増益、畜産品は減収減益、農産品は増収増益だった。水産品はノルウェーHI社とのアトランティックサーモン事業が順調に推移し、エビは回転率重視に徹底して利益率が改善した。畜産品はチキンの相場下落が影響した。農産品は主力商材が好調だった。円高によって輸入商材の収益環境が好転したことも寄与した。

 その他は売上高が同84.9%増の29百万円で、営業利益が同13.3%減の16百万円だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期420億35百万円、第2四半期335億37百万円、営業利益は第1四半期18億20百万円、第2四半期10億33百万円だった。

■16年9月期通期も大幅増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月13日公表)は、売上高が前期(15年9月期)比3.4%増の1600億円、営業利益が同29.1%増の50億円、経常利益が同23.8%増の50億円、純利益が同23.1%増の31億円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で予想配当性向は33.4%となる。

 セグメント別の計画は、冷蔵倉庫事業の売上高が同2.3%増の247億07百万円、営業利益(連結調整前)が同7.4%増の51億円、食品販売事業の売上高が同3.5%増の1352億26百万円、営業利益が同63.0%増の19億38百万円、その他の売上高が同2.1倍の67百万円、営業利益が同26.8%増の46百万円としている。

 冷蔵倉庫事業では荷動きが堅調に推移し、新規稼働物流センターの収益寄与も本格化する。食品販売事業では不採算在庫圧縮徹底や戦略的商材拡販などの効果が期待される。減価償却費の減少(通期ベースで1億44百万円減少見込み)も寄与して大幅増益予想である。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.2%、営業利益が57.1%、経常利益が61.6%、純利益が64.0%である。利益進捗率が高水準であり、通期会社予想に増額余地があるだろう。

■中期経営計画で17年9月期純利益32億円目標

 第5次中期経営計画「Flap The Wings 2017」に基づいて、冷蔵倉庫事業では「クールネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題としている。

 目標数値は、17年9月期売上高1650億円、営業利益57億円(連結調整前の冷蔵倉庫事業56億65百万円、食品販売事業20億67百万円)、経常利益57億円、純利益32億円、ROE5.1%、配当性向40%、EBITDA100億円、自己資本比率52.0%としている。配当政策の基本方針は安定的な配当を継続して行うとしている。そして企業価値向上に必要な設備・IT投資等を勘案しつつ、配当性向40%以上を維持していくことを目標としている。

■株主優待は9月末に実施

 株主優待制度は毎年9月30日現在の1000株以上保有株主に対して実施している。優待内容は1000株以上〜3000株未満保有株主に対して鮭切身詰め合わせ、3000株以上保有株主に対して北海道産ホタテ・いくらセットを贈呈する。

■株価は年初来高値に接近

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月24日に970円まで調整したが素早く切り返し、7月8日には1097円まで上伸して3月の年初来高値1122円に接近した。

 7月14日の終値1081円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円91銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.9%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1185円23銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約567億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を突破して強基調に回帰した形だ。上値を試す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)



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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:52 | アナリスト水田雅展の銘柄分析