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2016年09月12日

マルマエは16年8月期業績予想を3回目の増額修正、配当予想増額も評価して5月高値試す

 マルマエ<6264>(東マ)は半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。9月10日、16年8月期業績予想および配当予想の増額修正を発表した。業績予想は3回目の増額修正である。株価は戻り高値圏でモミ合い展開だが下値切り上げの動きが継続している。増額修正を好感して5月の年初来高値を試す展開となりそうだ。なお10月7日に16年8月期決算発表を予定している。

■真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開し、新規分野として光学装置・通信関連分野なども強化している。

 15年1月に事業再生計画(11年7月事業再生ADR成立)を終結した。16年10月の最終弁済をもって終了する計画だったが、強固な収益体質の確立と財務体質の改善に目途がついたため前倒しした。債務の株式化を行ったA種優先株式については15年5月に取得(246株、1株につき100万円)して消却した。

■収益改善基調、財務改善も進展して15年8月期に初配当を実施

 15年8月期の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期3億84百万円、第2四半期6億39百万円、第3四半期5億59百万円、第4四半期5億42百万円、営業利益は41百万円、1億30百万円、1億40百万円、1億39百万円だった。15年8月期は半導体分野およびFPD分野の好調な受注が牽引した。収益改善基調である。

 15年8月期の売上総利益率は30.9%で14年8月期比2.6ポイント上昇した。販管費比率は9.7%で同1.7ポイント低下した。ROEは100.7%で同22.9ポイント低下、自己資本比率は32.7%で同10.3ポイント上昇、BPSは135円80銭で14年8月期の28円68銭から大幅に改善した。また96年マザーズ上場以来初となる年間36円(期末一括)の配当を実施した。配当性向は11.3%だった。

■16年8月期第3四半期累計は2桁営業増益

 今期(16年8月期)第3四半期累計(15年9月〜16年5月)の非連結業績は前年同期比3.3%増収、同14.9%営業増益、同10.2%経常増益だった。純利益は税金費用増加で同11.1%減益だった。

 分野別の売上高は半導体分野が同3.2%減の8億50百万円、FPD分野が同97.4%増の7億12百万円、その他分野が同85.3%減の46百万円だった。受注高は半導体分野が同7.4%減の8億72百万円、FPD分野が同30.6%増の6億47百万円、その他分野が同96.3%減の11百万円、合計が同12.8%減の15億32百万円だった。

 コスト面では労務費、減価償却費、研究開発費などが増加したが、FPD分野増収によるプロダクトミックス改善、生産性向上効果などで2桁営業増益だった。売上総利益は同17.4%増加し、売上総利益率は33.8%で同4.0ポイント上昇した。販管費は同22.2%増加し、販管費比率は11.9%で同1.8ポイント上昇した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期6億19百万円、第2四半期5億32百万円、第3四半期4億84百万円、営業利益は1億55百万円、1億12百万円、90百万円だった。

■16年8月期通期業績予想を3回目の増額修正、配当予想も増額修正

 9月10日、前期(16年8月期)非連結業績予想および配当予想の増額修正を発表した。

 業績予想は4月1日に続いて3回目の増額修正である。前回予想に対して売上高を90百万円増額、営業利益を70百万円増額、経常利益を70百万円増額、純利益を40百万円増額し、修正後は売上高が前々期(15年8月期)比5.5%増の22億40百万円、営業利益が同8.9%増の4億90百万円、経常利益が同5.8%増の4億60百万円、純利益が同35.6%減の3億60百万円とした。純利益は税負担が増加して減益だが、営業利益と経常利益は減益予想から一転して増益予想となった。FPD分野の売上が想定超となり、半導体分野の受注も好調に推移している。

 配当予想は前回予想の年間14円(第2四半期末7円、期末7円)に対して、期末に1円増額して年間15円(第2四半期末7円、期末8円)とした。15年9月1日付の株式3分割を考慮して、前々期(15年8月期)の年間36円を株式3分割後に換算すると年間12円となり、実質的に前々期比3円増配となる。予想配当性向は22.0%となる。

■月次受注は拡大見通し

 16年8月度の月次受注残高(速報値)は、半導体分野が2億23百万円(前月比14.8%増、前年同月比40.8%増)で、FPD分野が1億17百万円(前月比6.7%減、前年同月比50.4%減)だった。その他分野は14百万円(前月比98.6%増、前年同月比19.7%減)で、合計3億55百万円(前月比8.4%増、前年同月比19.7%減)だった。

 半導体分野は受注・売上検収とも高水準で推移した。微細化投資や3D NAND投資の拡大で受注残高は過去最高水準に達している。さらに今後一段と受注拡大傾向が強まる見通しだ。FPD分野は売上検収が増加した一方で受注が一時的に停滞しているが、有機EL関連やテレビ向け第10.5世代大型パネル関連の受注が年末にかけて再拡大する見込みだ。

■新中期事業計画でロボット分野への参入も推進

 15年10月に新中期事業計画「Evolution2018」(16年8月期〜18年8月期)を策定した。

 半導体分野は微細化投資の本格化に対応して、洗浄分野への参入やエッチング分野の試作強化を推進する。FPD分野は8Kなどで需要拡大が見込まれるため、自社における設備投資ではなく、協力企業の拡大によって需要変動に対応する。その他分野では自動車関連やロボット関連市場に参入し、生産余力の効率的活用と協力企業の拡大を図る。

 半導体分野を成長ドライバーとする既存事業のブラッシュアップに加えて、現業とのシナジー効果や半導体・FPD分野の需要変動に対するリスクヘッジとして、売上高20億円規模までの中小企業を対象としてM&Aも積極活用する方針だ。M&Aは半導体洗浄・樹脂パーツや自動車・ロボット部品などを想定している。

 15年12月には鹿児島大学大学院理工学研究科との共同研究契約を締結した。リハビリ装置の研究開発と作業筋力補助ロボットの研究開発の2件について、早期の実用化を目指して共同研究する。市場ニーズの高さを考慮し、脳卒中の後遺症として腕や足に残る運動麻痺の改善を狙うリハビリ装置の製品化を先行し、腕の麻痺改善装置の開発に着手している。なお今期中に試作機を完成させる予定だったが、モーター等の購入品に長期納品が必要となったため、当初見通しより3ヶ月程度遅れて11月の試作機完成予定となった。

 経営数値目標としては、18年8月期の連結売上高40億円、営業利益10億円(単体ベースで売上高30億円、営業利益7億円、M&Aで売上高10億円、営業利益3億円)を掲げている。株主還元としては配当性向35%以上(順次向上)を目指している。また計画期間中に東証1部への市場変更を目指す方針だ。

■株価は下値切り上げの動き継続、増額修正評価して5月の年初来高値試す

 なお7月29日に流動性向上を目的とする株式の立会外分売を実施した。分売株式数10万株、分売値段647円だった。

 株価の動きを見ると、戻り高値圏700円近辺でモミ合う展開だが、6月の直近安値610円から反発後の下値切り上げの動きを継続している。

 9月9日の終値695円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS68円33銭で算出)は10〜11倍近辺で、前期推定配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は2.2%近辺、前々期実績PBR(前々期実績BPS135円80銭で算出)は5.1倍近辺である。時価総額は約39億円である。

 週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線を素早く回復して下値切り上げの動きを継続している。増額修正を評価して5月の年初来高値904円を目指す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)



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