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2016年09月26日

キーウェアソリューションズは戻り歩調に変化なく年初来高値目指す、17年3月期大幅増益・増配予想

 キーウェアソリューションズ<3799>(東2)はシステム開発事業やSI事業を展開している。17年3月期は売上総利益率改善や販管費抑制で大幅増益・増配予想である。株価は9月9日の戻り高値から一旦反落したが、目先的な過熱感が解消して切り返しの動きを強めている。戻り歩調に変化はなく1月の年初来高値を目指す展開だろう。なお10月31日に第2四半期累計業績発表を予定している。

■NEC向け主力にシステム開発事業やSI事業を展開

 筆頭株主のNEC<6701>グループ向けが主力のシステム開発企業である。16年3月期の事業別売上高構成比はシステム開発事業(システム構築・ソフトウェア受託開発)が67%、SI事業(ERPパッケージ等によるシステムインテグレーション)が12%、プラットフォーム事業(サーバ仮想化などシステム基盤構築)が11%、その他(運用・保守・機器販売、新規事業)が10%だった。

 主要顧客はNECグループが約4割を占め、NTT<9432>グループ、JR東日本<9020>グループ、三菱商事<8058>グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。


■中期経営計画でポートフォリオ多様化などを推進

 中期経営計画2015(16年3月期〜18年3月期)では、基本方針に既存事業の収益性向上と安定化、ポートフォリオの多様化、経営基盤の整備・改革、目標値に18年3月期売上高190億円、営業利益10億円、売上高営業利益率5.3%を掲げている。

 既存のシステム開発事業では、特定業種に強みを持つ高付加価値事業の展開、収益性の高い案件へのリソースシフト、SI事業ではERP(統合業務パッケージ)事業の売上高・利益拡大に向けたSAPビジネスの強化、コンサルティングファームや他企業との連携などを推進する。ポートフォリオ多様化ではNECとも連携して、フロンティア事業(新規事業)のスマートアグリ分野やヘルスケア・医療分野における新たなビジネスチャンス創出を推進する。経営基盤の整備・改革では、プロジェクト横断機能のさらなる強化や社員の活力アップに向けた施策を推進する。

■医療分野を強化

 15年1月、経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」の「職場における健康投資に関する効果指標および投資環境整備(健康データのオープン化・小規模事業所)」に、職域健康投資コンソーシアムとして参画した。また総務省「新たなワークスタイルの実現に資するテレワークモデルの実証」プロジェクトにモデル企業として選ばれ、15年1月から実証を開始している。

 15年10月には東北福祉大学健康科学部の関田康慶教授(東北大学名誉教授)の医療安全研究グループ、およびアウトカム・マネジメント(福島県相馬郡)と共同で医療安全管理モニタリング情報システム「HoSLM(ホスルム)」を開発し、医療機関向けに販売開始した。

■農業のICT化サービスも提供

 15年3月、自治体向けに農作物の品質・生産性向上や栽培技能の継承を支援する農業ICTサービス「OGAL(オーガル)」シリーズの提供を開始した。圃場に設置した各種センサーから収集した環境情報を遠隔からリアルタイムでモニタリングできるクラウド型サービスである。14年6月に宮城県亘理町いちごファームが導入して研究利用している。

 また慶応義塾大学SFC研究所が農業ICTの普及と農業情報標準化に向けて設立したアグリプラットフォームコンソーシアムに参画した。政府が取り組む農業分野IT施策方針「農業情報創成・流通促進戦略」などを踏まえて、産学連携により国の農業IT施策の実地検証を行うとしている。

 15年7月には地方創生に向けた新規就農者育成を支援するため、農業ICTサービス「OGAL(オーガル)」にNECソリューションイノベータの「NEC営農指導支援システム」との連携機能を実装し、自治体・JA・農業法人に対して提供開始した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期33億34百万円、第2四半期39億19百万円、第3四半期40億67百万円、第4四半期50億62百万円、営業利益が3億24百万円の赤字、1億95百万円の赤字、70百万円の黒字、4億51百万円の黒字、16年3月期は売上高が32億31百万円、41億85百万円、37億23百万円、48億49百万円、営業利益が2億91百万円の赤字、13百万円の黒字、49百万円の赤字、3億90百万円の黒字だった。年度末にあたる第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 16年3月期は官庁系・運輸系既存顧客のシステム更新需要端境期のため減収だが、不採算・低採算プロジェクトに係るコストが縮小して大幅増益だった。受注高は同2.4%増の163億68百万円だった。売上総利益は15年3月期比6.4%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.4ポイント上昇した。販管費は3.9%増加し、販管費比率は16.3%で同1.0ポイント上昇した。

 なお営業利益増減分析では増益要因が不採算プロジェクト抑制2億04百万円、減益要因が売上高減少69百万円、販管費増加74百万円としている。営業外では持分法投資利益が増加した。ROEは1.1%で同2.5ポイント上昇、自己資本比率は58.6%で同1.9ポイント低下した。配当は復配で年間5円(期末一括)とした。配当性向は62.0%だった。配当については最終利益と連動した業績連動型配当を基本方針としている。

 セグメント別動向を見ると、システム開発事業は受注高が同1.4%減の109億62百万円、売上高が同6.7%減の107億16百万円で、営業利益(連結調整前)が2億17百万円(同7百万円)だった。官庁系・運輸系の既存顧客のシステムリプレース端境期のため減収だが、公共系での監視制御案件やメディア系での新規大型案件、不採算プロジェクト発生防止徹底の効果で営業損益が改善した。

 SI事業は、受注高が同8.0%減の18億96百万円、売上高が同7.7%減の19億26百万円、営業利益が同7.2%増の1億43百万円だった。大型案件や既存顧客の改修案件の受注獲得が伸び悩んだが、既存顧客のグローバル展開案件、ERP系の新規案件を獲得し、営業損益が改善した。

 プラットフォーム事業は、受注高が同2.1倍の20億51百万円、売上高が同78.7%増の17億24百万円、営業利益が1億11百万円の赤字(同1億42百万円の赤字)だった。某独立行政法人からのインフラ構築系の大型案件、新規顧客からのAWSを活用した業務システム構築案件が寄与して受注高、売上高とも大幅増となり、営業赤字が縮小した。

 その他は、受注高が同20.9%減の14億58百万円、売上高が同12.0%減の16億20百万円、営業利益が86百万円の赤字(同8百万円の赤字)だった。運用・保守が堅調だったが、機器およびライセンスなどの製品販売が伸び悩んだ。

■17年3月期第1四半期は赤字縮小

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比0.4%増の32億42百万円、営業利益が1億57百万円の赤字(前年同期は2億91百万円の赤字)、経常利益が1億60百万円の赤字(同2億94百万円の赤字)、純利益が1億66百万円の赤字(同2億98百万円の赤字)だった。売上総利益率改善や販管費抑制などで赤字が縮小した。受注高は同26.0%減の32億27百万円だった。

 売上総利益は同25.9%増加し、売上総利益率は13.5%で同2.7ポイント上昇した。販管費は同6.8%減少し、販管費比率は18.4%で同1.4ポイント低下した。営業外収益では補助金収入が増加(前期4百万円、今期8百万円)増加した。

 セグメント別動向を見ると、システム開発事業は受注高が同4.6%減の21億45百万円、売上高が同5.5%増の21億57百万円、営業利益(連結調整前)が67百万円の赤字(同1億33百万円の赤字)だった。官庁系・運輸系の受注が伸び悩んだが、売上面では前期受注のメディア系案件などが寄与した。利益面では不採算プロジェクト抑制徹底の効果で営業赤字が縮小した。

 SI事業は受注高が同64.1%減の6億36百万円、売上高が同8.6%減の7億08百万円、営業利益が47百万円の赤字(同32百万円の赤字)だった。ERP系案件や流通系案件が堅調だったが、前期のインフラ構築系の大型案件の反動が影響した。

 その他は受注高が同31.0%増の4億46百万円、売上高が同8.4%減の3億76百万円、営業利益が3百万円の黒字(同89百万円の赤字)だった。受注面では運用・保守等のサポートサービスが増加し、新規事業の農業ICT関連も寄与した。売上面ではEC/Web案件が軟調だったが、利益面では販売費削減が寄与した。

■17年3月期通期は大幅増益・増配予想で収益改善基調

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比10.7%増の177億円、営業利益が同7.9倍の5億円、経常利益が同3.3倍の4億20百万円、純利益が同5.5倍の3億70百万円としている。配当予想は同5円増配の年間10円(期末一括)で予想配当性向は22.5%となる。

 運輸系既存顧客からのシステム更新需要端境期だが、受注拡大に向けた営業体制再構築の効果、プラットフォーム事業の戦略的活用などで、大型・継続案件の受注拡大や戦略的受注を推進する。農業ICTやヘルスケア・医療領域の新事業育成も推進して収益改善基調が期待される。

■株価は戻り歩調に変化なく1月の年初来高値目指す

 株価の動きを見ると、急伸した9月9日の戻り高値599円から利益確定売りで一旦反落したが、目先的な過熱感が解消して切り返しの動きを強めている。

 9月23日の終値513円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円50銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS702円84銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約47億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。戻り歩調に変化はなく1月の年初来高値695円を目指す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)




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