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2016年11月20日

【小倉正男の経済コラム】トランプ次期大統領の岐路:自由貿易主義か?自国優先の保護主義か?

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■乱世の梟雄か、まっとうな人物か

 アメリカの次期大統領であるドナルド・トランプ氏は世界にどう対応するのか。世界はトランプ氏にどう対応するのか――。
 乱世の梟雄なのか、あるいは案外まっとうな人物なのか。まだ見えない。

 安倍晋三首相とトランプ氏の会談で、トランプ氏が何を語るか。注目はそこに集まったが、それは秘密にされた。

 ただし、唯一手がかりになりそうなのが、会談後の安倍総理の談話である。日米同盟について、安倍首相はこう答えている。

 「同盟は信頼がなければ機能しない。ともに信頼関係を築いていくことができる。そう確信が持てる会談だった」

■自由貿易主義か、自国優先の保護主義か

 結局、トランプ氏がまっとうな人物かそうではないかは、TPP(環太平洋経済連携協定)をどうするかで見えるのではないか。

 自由貿易主義を採るのか、自国優先の保護主義を採るのか――。トランプ氏が、このどちらを採るかで、世界経済は大きく変わる。

 トランプ氏の周辺からは、「TPPは死んだ」といった言葉が吐かれている。自国優先の保護主義では、全世界が保護主義に連鎖していくことになりかねない。
 お互いに関税を掛け合って貿易は縮小し、お互いの経済が縮小する。経済の疲弊は、ひいては戦争など悲惨なことに向かっていきかねない。

 基軸通貨のドルを持つアメリカが保護主義に向かっては、アメリカの国益に沿うのかという思いがある。
 「強いアメリカ」を目指して、自由貿易主義を掲げてこそ、アメリカを再び偉大な国に導くことになる。保護主義では、アメリカは偉大な国どころか、「弱いアメリカ」すなわちフツーの国に低落するのではないか。

■保護主義では世界経済は収縮

 基軸通貨のドルがあるといっても、関税を掛け合えば、高いモノを買うことになりインフレ傾向になりかねない。
 自国のモノも、他国では関税を掛けられるので、売れなくなり賃金を上げられなくなる。モノの値段は上がるが、賃金は上がらない――。アメリカもそうだが、世界中がそうした経済に覆われる。

 トランプ氏は、そうしたアメリカを目指すのだろうか。そうではないのではないか。

 同盟のみならず、世界経済も相互の信頼関係がなければ機能しない。お互い関税を上げ、自国通貨を下げるといった保護主義では、世界経済は収縮して立ち行かなくなる。相互の信頼関係など吹き飛んでしまう。むしろ不信感が渦巻くに違いない。

 自由貿易主義でなければ、世界経済は拡大せず、ひいてはアメリカとしても繁栄できない。
トランプ氏の大統領としてのベクトルはまだ見えないが、保護主義ではアメリカを再び偉大な国にすることなどありえない。

(『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営―クライシス・マネジメントとは何か』『第四次産業の衝撃』(PHP研究所刊)など著書多数。東洋経済新報社編集局で企業情報部長、金融証券部長、名古屋支社長、日本IR協議会IR優良企業賞選考委員などを歴任して現職)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:47 | 小倉正男の経済コラム