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2016年12月08日

【CSR(企業の社会的責任)関連銘柄特集】カーリットホールディングスは1918年創業以来の「本業のモノづくりを通じた社会貢献」でCSR活動を推進

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カーリットホールディングス<4275>(東1)

■1918年創業以来の「本業のモノづくりを通じた社会貢献」でCSR活動を推進

 カーリットホールディングス<4275>(東1)は2013年10月、日本カーリットが株式移転で設立した持株会社である。化学品事業を主力に、M&Aも積極活用して規模拡大や事業多様化を推進している。当社はロケット用固体推進薬原料を国内で唯一製造しており、宇宙関連銘柄の一つである。同社の事業概要、中期経営計画、そして「本業のモノづくりを通じた社会貢献」を目指して推進するグループCSR(企業の社会的責任)活動を紹介する。

■化学品、ボトリング、産業用部材を展開、M&A活用して事業多角化

 2016年3月期の売上高は463億78百万円で、事業別売上高構成比は化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、危険性評価試験受託、電池試験受託、過塩素酸アンモニウム、光機能材料など)40%、ボトリング事業(清涼飲料水のボトリング加工)38%、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、スプリングワッシャーなど)19%、その他(工業用塗料販売・塗装工事、上下水・排水処理施設設計・監理など)3%である。

 化学品事業の自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用で国内市場シェア約8〜9割と推定されている。またロケットの固体推進薬原料となる過塩素酸アンモニウムについては国内唯一のメーカーである。

 同社グループは2016年3月期末現在、持株会社である同社、連結子会社17社、および関連会社2社で構成されている。主要連結子会社は、化学品事業における日本カーリット、三協実業(合成樹脂原材料販売、2016年2月子会社化)、ボトリング事業におけるジェーシーボトリング、産業用部材事業におけるシリコンテクノロジー、並田機工(耐火・耐熱金物製造販売、2012年8月子会社化)、東洋発條工業(各種スプリング製造販売、2014年2月子会社化)などである。

 なお16年4月に日本カーリットが日本研削砥粒および第一薬品興業を吸収合併し、グループ経営資源の集約、経営の一層の合理化、事業展開・業務運営の一体化も推進している。海外展開は並田機工が2016年、ベトナムに子会社を設立した。グループにとってASEAN地域における初の生産拠点である。

■現中期経営計画「礎100」で事業基盤確立を推進

 2015年2月策定の中期経営計画「礎100」では、グループ企業理念「信頼と限りなき挑戦」を掲げ、グループの節目となる2018年の創業100周年を迎えて、次の100年企業の礎となる事業基盤確立を推進する方針を打ち出した。

 経営目標数値には2018年度の売上高650億円、営業利益35億円、売上高営業利益率5%、2015年度〜2018年度4年間合計の設備投資額200億円を掲げ、グループ中長期目標(目指す姿)は「2024年度までに売上高1000億円企業となる」とした。

 そして基本戦略には、成長基盤強化(新商品・新規事業の創出・育成、海外への積極展開など)、収益基盤強化(既存事業での領域拡大、高利益率事業への注力、コスト見直しによる利益確保、M&Aや資本・技術提携など)、グループ経営基盤強化(グループ会社支援機能の強化、経営効率化、グループシナジーの最大化、ガバナンス強化、CSR経営強化など)を掲げている。

 新商品・新規事業の創出・育成に関しては2015年4月、R&Dセンターにおいて、テーマごとに「高エネルギー研究所」「環境エネルギー研究所」「ライフサイエンス研究所」「新材料技術研究所」の4つの研究所を設立した。H−Uロケット用など高エネルギー化学物質の宇宙産業への展開、環境エネルギー分野における次世代電池向け材料への展開、ライフサイエンス分野におけるバイオリファイナリー製品への展開、新材料技術分野におけるサーモグラフィー(遠赤外線カメラ用レンズ材料)への展開など、重点分野の新商品・新規事業の創出・育成を推進する。

■1918年創業以来の「本業のモノづくりを通じた社会貢献」でCSR活動推進

 同社グループでは、経営基盤を強化して持続可能性を実現するために、グループCSR経営に取り組んでいる。

 同社のCSR活動は2002年に日本レスポンシブル・ケア協議会(JRCC)に加盟して取り組みを開始した。レスポンシブル・ケアというのは「化学物質を製造し、または取り扱う事業者が、化学物質の開発から製造・流通・使用・最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程において、環境・安全面の対策を実行し、改善を図っていく自主管理活動」のことである。その実行のために、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し、社会との対話・コミュニケーションを行う。

csr13.jpg そして2009年から環境報告書、2011年から環境・社会報告書、2013年からは持株会社移行に伴ってCSRレポートを作成し、化学品メーカーとして環境・安全・品質問題や社会貢献への取り組みにとどまらず、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、人権・人財職場環境、地域貢献への取り組みも強化している。

 同社の創業は1918年で、セメント原料である石灰石採掘のための「カーリット爆薬」製造に始まり、その後も爆薬メーカーとして自動車用緊急保安炎筒など、社会ニーズにマッチした製品開発によって各時代に社会貢献しながら成長してきた歴史がある。こうした歴史的経緯も背景に、化学品メーカーとして「モノづくり」を通して社会的課題の解決に貢献するため、グループCSR活動の重点を「本業のモノづくりを通じた社会貢献」としている。

■「モノづくりを通じたCSR」を軸とした8つの基本方針

 グループCSR活動の推進にあたっては、グループCSR基本方針として「モノづくりを通じたCSR」「環境保全」「安全対策」「品質保証」「ガバナンス・コンプライアンス」「人権・人財・職場環境」「情報開示」「地域貢献」の8項目を定め、8つの基本方針ごとに活動指針・注力テーマ・年度目標を定めている。

 さらに、グループCSR活動を推進するための組織として「グループCSR委員会」を組織して定期的に開催し、グループ全体のCSR活動方針、8つの基本方針ごとの年度目標の決議、取り組み状況の進捗確認、CSRレポートの内容審議、そのほかグループCSR活動における重要事項を決議している。そして「グループCSR委員会」での決定事項等は、各グループ会社のCSR担当者を通じて、各グループ会社に展開する体制を整えている。

■社員の意識向上が不可欠として「CSR教育」を推進

 グループCSR経営の推進において、同社グループでは従業員を会社の財産「人財」と捉え、未来を担う「人財」の育成・多様化を重要テーマとして認識している。

 そして積極的なM&A戦略によってグループの規模拡大・事業多様化を推進してきた経緯もあり、グループCSR経営の推進にはCSRに対する社員の意識向上やグループとしての一体感が不可欠として、コンプライアンス研修や外部講師によるCSR研修を実施するなど、グループ全従業員に対する「CSR教育」を最優先事項として推進している。

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新任指導職研修

 また2015年度には、CSRの社内への浸透を図るため、CSR研修やCSR担当者会議の実施に加えて、役員も含めたグループ全従業員を対象に「社内CSRアンケート」を実施するなど、社員の意識向上に努めている。アンケート結果を通じて、社員のCSRに対する浸透度やCSRレポートの問題点などが浮かび上がり、今後の活動に生かしていく良い材料になったとしている。

■コーポレートガバナンス・コンプライアンス体制も強化

 グループ経営の根幹をなすものとして、コーポレートガバナンス(企業統治)およびコンプライアンス(法令遵守)体制も強化している。

 経営体制の面では、急激な経営環境の変化に対応して職務を効率的に執行するため取締役の任期を1年とするとともに、コーポレートガバナンス体制強化の観点から社外取締役を2名選任し、執行役員制度を導入している。また監査役会設置会社として4名の監査役を任命し、うち2名が社外監査役となっている。さらに2015年11月には各取締役を対象に業績連動型株式報酬制度を導入した。

 なお2015年6月に東京証券取引所が示した「コーポレートガバナンス・コード」について、2016年6月現在で同社は73項目中70項目を遵守しており、残り3項目についても遵守に向けてガバナンス強化に取り組むとしている。

 コンプライアンス体制に関しては、同社社長が委員長を務める「コンプライアンス委員会」を設置し、グループ各社の法令遵守状況のモニタリング、コンプライアンス・リスク防止策のグループ内への展開、コンプライアンスマニュアルの見直し等を実施している。

■環境保全や環境負荷軽減への取り組みも強化

 自然環境を尊重し、環境負荷の少ない「モノづくり」を目指し、地球環境の保全・維持に配慮した事業活動や、環境負荷を軽減する取り組みも強化している。

 化学工場である日本カーリット群馬工場は一級河川の利根川に隣接し、化学物質の漏えいは環境ならびに社会に対して大きな影響を与えるため、日々排水中の化学物質を分析し、監視を行っている。日本カーリット群馬工場やペットボトル・缶飲料受託製造のジェーシーボトリング渋川工場では、ボイラーの燃料にNOx・SOx排出量が少ないLNGを使用することで大気汚染防止に貢献している。

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ソーラー発電パネル

 さらにジェーシーボトリング渋川工場の製品倉庫の屋根を活用したソーラー発電設備や、日本カーリットが所有する利根川上流の自家水力発電所「広桃(こうとう)発電所」など、再生可能エネルギーの積極利用によって地球温暖化の原因となるCO2の排出量削減に取り組んでいる。

 2015年8月には日本カーリットが広桃発電所の大規模更新改修工事の実施を決定した。広桃発電所は1954年の運転開始以来、日本カーリット群馬工場に毎年1900万kwhの電力を供給し、CO2発生量を年間9000トン以上削減することに貢献している。工事完了は2017年度上期、投資額は約23億円の予定としている。

■CSR経営推進で収益への好影響期待

 新中期経営計画「礎100」に基づく基本戦略(成長基盤強化、収益基盤強化、グループ経営基盤強化)の推進、さらにグループCSR経営の推進によって中長期的に収益への好影響が期待され、投資家からの注目度も高まりそうだ。

 なお同社のCSR活動の詳細については、同社のホームページにも掲載されている「CSRレポート2016」を参照していただきたい。

>>>CSR関連銘柄(社会的責任を果たしている優良企業)総論はこちら



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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:33 | 特集