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2017年01月20日

インフォマートは15年7月高値目指す、利用企業数増加基調で17年12月期も収益拡大基調

 インフォマート<2492>(東1)は企業間電子商取引「BtoBプラットフォーム」各種システムを提供し、FinTech分野にも参入している。利用企業数が増加基調であり、ストック型収益のシステム使用料が伸長して17年12月期も収益拡大基調が予想される。株価は戻り歩調に変化なく、15年7月高値を目指す展開だろう。なお2月14日に16年12月期決算発表を予定している。

■BtoB(企業間)電子商取引プラットフォームを運営

 企業間で行われている世界共通の商行為を電子化する企業間電子商取引プラットフォーム「BtoBプラットフォーム」を運営している。16年1月サービスブランドを「BtoBプラットフォーム」に変更し、新サービスは、企業間受発注業務をWeb上で行うBtoBプラットフォーム受発注、食の安全・安心の商品仕様書DBであるBtoBプラットフォーム規格書、企業間請求書発行・受取業務をWeb上で行うBtoBプラットフォーム請求書、BtoB専用の販売・購買システムであるBtoBプラットフォーム商談とした。

 これに伴って16年12月期から事業セグメント区分を変更し、受発注事業(BtoBプラットフォーム受発注)、規格書事業(BtoBプラットフォーム規格書)、ES事業(BtoBプラットフォーム請求書とBtoBプラットフォーム商談)、その他(海外・メディア事業など)とした。

■利用企業数、流通額は増加基調

 フード業界向けで外食チェーンと食材卸の間の受発注をWeb上で行うBtoBプラットフォーム受発注を主力として、全業界を対象とするBtoBプラットフォーム請求書の利用企業数も増加基調である。

 15年12月期末のBtoBプラットフォーム利用企業数(主にフード業界向けFOODS Info Martで集計)は3万9028社、利用事業所数は22万7243事業所、年間取引高は1兆1768億円だった。事業所数はフード業界全体118万6312事業所に対して19.1%、年間取引高は外食産業全体の仕入金額(市場規模の30%と推定)の16.4%を占め、フード業界NO.1のBtoBプラットフォームである。

 商品ブランド変更および事業セグメント変更に伴って、16年12月期から利用企業数などの表記も変更した。変更後の表記では15年12月期末のBtoBプラットフォーム利用企業数(無料利用を含む全業界のID数で集計、海外は除く)は6万2039社、事業所数(本社・支店・営業所・店舗)は28万167事業所、流通金額(全業界の受発注金額と請求書金額の合計)は1兆3678億円となる。

 16年12月期第3四半期末(16年9月末)時点では、BtoBプラットフォーム利用企業数が11万3858社、事業所数が38万6388事業所となった。国内最大級のBtoBプラットフォームである。

 また1月11日には、16年12月末のBtoBプラットフォーム受発注の利用企業数が、買い手企業2026社、店舗数4万1068店舗に拡大し、16年の累計流通金額が1兆3847億円に達し、外食産業市場におけるシェアが18.3%に上昇したと発表している。

■BtoBプラットフォーム請求書が拡大、FinTech分野にも参入

 15年サービス稼働のBtoBプラットフォーム請求書の利用企業数は、16年2月5万社、16年5月6万社、16年6月7万社、16年7月8万社、16年8月9万社、16年9月11万社を突破し、11月15日には12万社突破を発表した。増加ペースが加速している。月間流通金額(16年10月実績)は937億円に成長した。

 16年6月には「請求書完全電子化支援パック」提供を開始し、16年8月には3メガバンクと連携してFinTech分野に参入すると発表した。16年9月には野村証券へのBtoBプラットフォーム請求書提供を発表した。

 また16年11月には三井住友カードと、法人カードの決済データを活用した電子請求書サービスの提供に向けて協業することに合意し、法人企業の相互送客に関する業務提携契約締結を発表した。

 今後は請求書関連業務の新たなモデル作りのため、各金融機関・パートナーとともにFinTech分野の実証実験を繰り返し、顧客へのさらなる価値提供を創造して17年12月に利用企業数30万社、電子請求の年間流通金額2兆円を目指すとしている。

 なおリクルートホールディングス<6098>が16年8月、新規事業としてオンライン完結型融資の事業展開を目指してFinTech企業との提携を検討し、当社と協業検討開始に関する基本合意書を締結したと発表している。事業開始は17年夏頃を予定している。

■業界標準化に向けたシステム連携を強化

 業界標準化に向けたシステム連携を強化し、15年1月全国の商工会議所・商工会等が運営する「ザ・ビジネスモール(B−MALL)」の事務局を務める大阪商工会議所と業務提携、15年4月内田洋行<8057>やミロク情報サービス<9928>など19社24ソリューションが提供する販売管理・会計・店舗管理システムとのデータ連携を強化した。16年9月現在BtoBプラットフォーム受発注は81社が提供する販売管理・会計・店舗管理など99ソリューションと連携している。

 企業の受発注業務、請求業務、会計処理などにおける生産性向上を追求し、BtoB標準プラットフォームを実現するため、他社とのシステム連携戦略を強化し、今後3年間で利用企業数100万社への普及を目指すとしている。

 16年6月にはPR TIMES<3922>が運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」と連携開始した。BtoBプラットフォームは新たなインターネットメディアとして企業間情報伝達の効率化を促進する。16年7月には、BtoBプラットフォーム受発注の英語版をシンガポールの日本の外食15店舗へ提供開始した。世界の英語圏各国にBtoBプラットフォーム受発注を提供できるシステムが整い、利用促進を行う。

■月額課金のストック型収益モデル

 システムをネット経由で提供するクラウド型サービスで、ネット環境さえあれば月々低料金で最新サービスを利用できるため利用企業数は増加基調である。そして利用企業数増加に伴って月額課金のシステム使用料収入が増加するストック型収益モデルである。

 四半期別業績推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期11億57百万円、第2四半期12億06百万円、第3四半期12億66百万円、第4四半期13億48百万円、営業利益が4億23百万円、4億17百万円、5億46百万円、5億57百万円、15年12月期は売上高が13億10百万円、14億04百万円、14億32百万円、14億86百万円、営業利益が5億11百万円、4億77百万円、5億44百万円、5億62百万円だった。

 売上総利益率は13年12月期65.7%、14年12月期77.0%、15年12月期72.9%である。14年12月期は既存プラットフォームの期間短縮による償却が13年12月期に完了したことも寄与した。また販管費比率は13年12月期40.4%、14年12月期38.0%、15年12月期35.7%である。販管費比率は増収効果で低下傾向である。15年12月期のROEは19.5%で14年12月期比12.8ポイント低下、自己資本比率は85.2%で同14.4ポイント上昇した。配当性向は56.3%だった。配当政策については個別業績に応じた配当性向50%を基本方針としている。

■16年12月期第3四半期累計はソフトウェア償却費増加などで減益

 今期(16年12月期)第3四半期累計(1〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.5%増の45億42百万円、営業利益が同7.2%減の14億22百万円、経常利益が同9.7%減の13億82百万円、純利益が同6.7%減の8億90百万円だった。

 請求書のシステム開発先行投資に伴うES事業におけるソフトウェア償却費の増加、事業成長に向けた人員増に伴う人件費の増加、テレビCMによる販促費の増加、本社移転に係る経費増加で減益だった。ただし利用企業数の増加基調に変化はなく、特にBtoBプラットフォーム請求書利用企業数の増加ペースが加速し、ストック型収益のシステム使用料は順調に伸長した。売上総利益は同5.7%増加したが、売上総利益率は70.6%で同2.6ポイント低下した。販管費は同18.7%増加し、販管費比率は39.3%で同3.0ポイント上昇した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、受発注事業は売上高が同12.0%増の27億48百万円で営業利益が同13.0%増の14億15百万円、規格書事業は売上高が同21.7%増の8億55百万円で営業利益が同3.1%減の2億27百万円だった。受発注は外食チェーン・ホテル・商業施設・給食会社など買い手稼働件数が増加し、買い手・売り手からのシステム使用料が順調に伸長した。規格書は買い手・卸・メーカー各機能の企業数が増加した。

 ES事業は売上高が同2.9%減の8億96百万円で営業利益が1億91百万円の赤字(前年同期は65百万円の黒字)だった。商談の売り手企業数が減少したため減収だが、請求書はフード業界・他業界での契約企業数が増加し、システム使用料およびセットアップ費用が増加した。その他は売上高が同25.7%減の71百万円で営業利益が27百万円の赤字(前年同期は15百万円の赤字)だった。

 第3四半期末時点でのBtoBプラットフォーム利用企業数(無料利用含む)は15年12月期末比5万1819社増の11万3858社(うち受発注の買い手企業が同273社増の1979社、受発注の売り手企業が同1287社増の2万9527社、請求書が同7万2161社増の11万2884社)となった。事業所数は同10万6221事業所増の38万6388事業所となった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期14億67百万円、第2四半期15億14百万円、第3四半期15億61百万円、営業利益は4億72百万円、4億97百万円、4億53百万円だった。

■16年12月期通期は増収増益・増配予想

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(2月15日公表)は、売上高が前期(15年12月期)比18.1%増の66億49百万円、営業利益が同9.4%増の22億92百万円、経常利益が同12.2%増の22億89百万円、そして純利益が同13.2%増の14億81百万円としている。配当予想は同4銭増配の年間11円80銭(第2四半期末5円90銭、期末5円90銭)で予想配当性向は51.7%となる。

 利用企業数増加や利用拡大によってストック型収益である月額課金のシステム使用料が伸長し、ソフトウェア償却費増加や人件費増加を吸収する。売上総利益率は同1.3ポイント低下の71.6%、販管費比率は同1.5ポイント上昇の37.2%の想定としている。

 セグメント別(連結調整前)の計画は、受発注事業の売上高が同14.3%増の38億38百万円、営業利益が同7.4%増の18億62百万円、規格書事業の売上高が同28.0%増の12億28百万円、営業利益が同8.3%増の3億55百万円、ES事業の売上高が同20.7%増の14億73百万円、営業利益が同70.5%増の90百万円、その他の売上高が同7.8%増の1億45百万円、営業利益が9百万円の赤字としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が68.3%、営業利益が62.0%、経常利益が60.4%、純利益が60.1%とやや低水準の形だが、利用企業数が増加基調であり、ストック型収益である月額課金のシステム使用料が伸長して増収増益基調に変化はないだろう。

■中期経営計画で18年12月期の受発注5万社と請求書100万社目標

 16年2月策定の中期経営計画では基本方針を、フード業界におけるシェア拡大(BtoBプラットフォーム受発注の利用拡大)、電子請求プラットフォームのデファクト化(BtoBプラットフォーム請求書の全業界展開)、BtoB電子商取引プラットフォームの構築(15年12月期の調達資金をシステム開発へ重点投資)としている。

 フード業界におけるシェア拡大では、18年12月期までの目標として利用企業数5万社(15年12月期実績3.9万社)およびシステム取引高・外食シェア2兆円・30%(同1.2兆円・16%)を目指す。電子請求プラットフォームのデファクト化では、18年12月期までの目標として、利用企業数100万社(同4.8万社)およびシステム取引高3兆円(同1261億円)を目指す。BtoB電子商取引プラットフォームの構築では、システムコンセプトとして全業界対応BtoBプラットフォーム(同フード業界ASPシステム)を目指す。

 目標値には18年12月期の売上高95億円(受発注47億28百万円、規格書15億44百万円、ES28億39百万円、その他4億29百万円)、営業利益36億03百万円、経常利益36億円、純利益24億23百万円を掲げた。配当については個別業績に基づく基本配当性向50%を継続し、17年12月期年間配当13円08銭、18年12月期の年間配当17円48銭を計画している。

 そして2020年までに、あらゆる業界にBtoBプラットフォームを提供し、グローバルなBtoBインフラ企業を目指すとしている。積極的な事業展開で中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は戻り歩調に変化なく15年7月高値目指す

 株価の動き(17年1月1日付で株式2分割)を見ると、1月5日の昨年来高値721円から一旦反落したが、下値を切り上げて戻り歩調に変化はないだろう。

 1月19日の終値639円を指標面(17年1月1日付の株式2分割換算後)で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS11円67銭で算出)は55倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間5円90銭で算出)は0.9%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS72円58銭で算出)は8.8倍近辺である。時価総額は約829億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。戻り歩調に変化はなく、自律調整一巡して15年7月高値845円を目指す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:46 | アナリスト水田雅展の銘柄分析