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2017年04月18日

星光PMCは3月高値から急反落したが売り一巡、17年12月期減益予想だが保守的

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが、保守的な印象が強く増額余地がありそうだ。株価はCNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感した3月の年初来高値から急反落したが、利益確定売りが一巡して反発展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が21%、化成品事業が15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社の株式32%を取得して持分法適用関連会社化した。各々が保有する強みを融合し、両社の地域・領域両面での事業拡大に向けた相互協力関係を構築していくとしている。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別業績推移を見ると、15年12月期は売上高が第1四半期60億25百万円、第2四半期60億75百万円、第3四半期62億51百万円、第4四半期62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円、16年12月期は売上高が59億49百万円、60億63百万円、61億66百万円、61億68百万円、営業利益が4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円、5億36百万円だった。営業損益は改善基調である。

 16年12月期連結業績は売上高が15年12月期比0.9%減の243億46百万円、営業利益が同74.5%増の23億01百万円、経常利益が同73.3%増の23億14百万円、純利益が同67.2%増の17億94百万円だった。製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、販売数量増加、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して、計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同17.2%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.2ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は18.3%で同0.2ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が増加した。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加3億51百万円、コスト削減7億75百万円、減益要因が製造経費増加71百万円、販管費増加が72百万円としている。

 特別利益では前々期計上の国庫補助金2億54百万円および固定資産受贈益97百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円、および投資有価証券売却益29百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 ROEは8.6%で同3.2ポイント上昇した。自己資本比率は71.8%で同2.1ポイント上昇した。配当は15年12月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。配当性向は20.3%である。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同2.1%減の154億84百万円で営業利益(連結調整前)が同46.5%増の18億95百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.6%減の51億69百万円で営業利益が同2.1倍の3億10百万円だった。印刷インキ国内生産が同0.3%減少し、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、水性インキ用樹脂が増収となり、コスト削減・合理化で増益だった。

 化成品事業は売上高が同9.1%増の36億92百万円で営業利益が同54.4%増の4億96百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが保守的な印象

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、そして純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇、経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費などの販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 原料価格上昇などで減益予想としたが、保守的な印象が強く増額余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は利益確定売りが一巡して反発期待

 株価の動きを見ると、CNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感した3月の年初来高値1415円から、地合い悪化も影響して急反落した。ただし1100円台で下げ渋る動きだ。利益確定売りが一巡したようだ。

 4月17日の終値1164円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS50円46銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約358億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。利益確定売りが一巡して反発展開が期待される。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 07:38 | アナリスト水田雅展の銘柄分析