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2017年05月31日

【決算記事情報】科研製薬は底打ちして下値切り上げ、18年3月期減益予想だが自己株式取得評価

決算情報

 科研製薬<4521>(東1)は整形外科、皮膚科、外科などの領域を主力とする医薬品メーカーである。18年3月期は研究開発費増加で減益予想だが、株価は底打ちして徐々に下値を切り上げている。自己株式取得も評価して戻りを試す展開が期待される。

■整形外科、皮膚科、外科領域を主力とする医薬品メーカー

 整形外科、皮膚科、外科などの領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品や飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。

 医療用医薬品・医療機器は、生化学工業<4548>からの仕入品である関節機能改善剤アルツを主力としている。そして14年9月国内販売開始した日本初の外用爪白癬治療剤クレナフィンが、アルツに次ぐ主力製品に成長した。また癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、高脂血症治療剤リピディル、創傷治癒促進剤フィブラストスプレー、そしてジェネリック医薬品も展開している。

 外用爪白癬治療剤クレナフィンは、海外では導出先であるカナダのバリアント社がJubliaの商品名で、米国およびカナダにおいて14年から販売している。5月16日には韓国の導出先である東亞STが、韓国において販売承認を取得した。また中国、台湾での申請および導出先について検討中で、米国およびカナダ以外のバリアント社テリトリーである欧州およびアジア地域についてもバリアント社と検討・協議中である。

■歯周組織再生剤「リグロス」は16年12月発売

 歯周組織再生剤「リグロス歯科用液キット」は、歯周炎による歯槽骨の欠損の効能・効果で16年9月国内製造販売承認を取得し、16年12月発売開始した。

 組換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)を有効成分とする世界初の歯周組織再生医薬品である。国内には歯周組織の再生を効能とする医療用医薬品がなく「リグロス」は初めての歯周組織再生医薬品として歯周炎治療の新たな選択肢となることが期待されており、18年3月期から本格展開する。

■パイプライン充実が課題で大型導入は18年3月期以降

 潰瘍性大腸炎を適応症とする「KAG−308」(旭硝子<5201>と共同開発の経口プロスタグランジン製剤)は、第2相臨床試験を実施中である。

 原発性局所多汗症を適応症とする「BBI−4000」(外用抗コリン剤)(15年3月米ブリッケル・バイオテック社から導入、日本とアジア主要国における独占的開発・販売・製造権取得)は、第2相臨床試験を開始した。

 熱傷焼痂除去剤「KMW−1(海外での商品名NexoBrid)」(16年4月イスラエルのメディウンド社から導入、日本における独占的開発・販売権)は、治験準備中である。熱傷で生じる焼痂と呼ばれる壊死組織を除去する外用酵素製剤である。

 16年6月には和光純薬工業と、フィブラストスプレーの有効成分である組換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)について、再生医療研究用試薬「bFGF溶液MF」として和光純薬工業が販売する契約を締結した。

 16年7月には杏林製薬と、杏林製薬が日本における独占販売権を取得したアレルギー性疾患治療薬デザレックスについて、両社によるコ・プロモーション(共同販促・1ブランド1チャネル)に関する基本覚書を締結した。杏林製薬は2016年11月にデザレックスを発売し、当社は皮膚科を対象にプロモーションを行う。

 なお欧米におけるbFGFの導出先であるサンスター(歯科領域)およびオリンパス(創傷治癒領域)との契約は解消し、新たなパートナーの検討に着手している。

 パイプライン充実が課題で、新規導入は18年3月期以降となる見込みだ。

■17年3月期は薬価改定などで減収・営業減益

 5月10日発表した前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比7.5%減の1014億79百万円、営業利益が同12.6%減の307億07百万円、経常利益が同12.4%減の309億81百万円、純利益が同4.1%増の220億17百万円だった。

 外用爪白癬治療剤クレナフィン(国内)の販売は伸長したが、全体としては薬価改定の影響やJublia関連売上の減少で計画を下回る減収だった。大幅増加を計画していた研究開発費が未消化となったため、各利益は計画を上回ったが、減収による売上総利益の減少をカバーできず営業減益、経常減益だった。

 差引売上総利益は同6.8%減少し、差引売上総利益率56.6は%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同1.0%増加し、販管費比率は26.4%で同2.3ポイント上昇した。研究開発費は同9.6%増の64億50百万円だった。なお前々期の子会社合併による繰延税金資産取崩により、法人税等合計が減少したため純利益は増益で過去最高を更新した。ROEは22.9%で同2.4ポイント低下、自己資本比率は76.0%で同8.4ポイント上昇した。

 配当は年間150円(第2四半期末75円、期末75円)とした。15年10月1日付の株式併合を考慮して前々期の配当を年間146円に換算すると、実質的に4円増配となる。15期連続の増配である。配当性向は27.9%である。

 医薬品・医療機器の売上高は、アルツが同5.8%減の289億百万円、クレナフィンが同8.8%増の216億24百万円、セプラフィルムが同2.0%減の110億36百万円、リピディルが同2.1%減の44億30百万円、フィブラストスプレーが同2.3%増の37億円、ジェネリック医薬品が同10.4%減の119億03百万円だった。カナダのバリアント社向けJublia関連売上(原体売上、製剤売上、ロイヤリティ収入、マイルストーン収入、契約一時金)は同56.9%減の24億69百万円だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期262億28百万円、第2四半期259億51百万円、第3四半期267億86百万円、第4四半期225億14百万円、営業利益は80億97百万円、80億26百万円、88億30百万円、57億54百万円だった。

■18年3月期は研究開発費増加で減益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月10日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比0.2%増の1017億円、営業利益が同12.7%減の268億円、経常利益が同12.9%減の270億円、純利益が同13.2%減の191億円としている。

 薬価改定がなく国内は堅調に推移するが、バリアント社向けJublia関連の減少などにより売上高は横ばい予想である。リグロスの売上本格化は先としている。利益面では、研究開発費の増加(同69.0%増加の109億円の計画)で減益予想としている。研究開発費については導入費用を見込んでいる。

 主要医薬品・医療機器の売上高の計画は、アルツが同2.5%増の297億円、クレナフィンが同6.4%増の230億円、セプラフィルムが同1.5%増の112億円、リピディルが同3.8%増の46億円、フィブラストスプレーが同2.7%増の38億円、ジェネリック医薬品が同0.8%増の120億円としている。

 配当予想は前期と同額の年間150円(第2四半期末75円、期末75円)としている。また、5月10日公表の予想配当性向は32.1%である。

 また5月10日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限55万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合1.3%)で、取得価額総額の上限は40億円、取得期間は17年5月11日〜17年12月29日である。

■中期経営計画で19年3月期売上高1100億円目標

 中期経営計画2018では、19年3月期売上高1100億円を目指している。

 パイプライン充実を最優先課題として可能な限りの経営資源を配分する。また爪白癬治療剤クレナフィンおよび新製品の価値最大化を図り、かつ既存製品に関して営業基盤の強化と効率化に取り組む方針だ。

■株価は底打ちして下値切り上げ

 株価の動きを見ると、2月の年初来安値5410円から徐々に下値を切り上げている。そして5月10日には6970円まで上伸する場面があった。

 5月30日の終値6530円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS467円32銭で算出)は14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間150円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円68銭で算出)は2.6倍近辺である。時価総額は約3163億円である。

 週足チャートで見ると2月の年初来安値で底打ちした形だ。そして13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。自己株式取得も評価して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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