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2017年06月19日

ピックルスコーポレーションは上場来高値更新の展開、依然として指標面に割安感

 ピックルスコーポレーション<2925>(東2)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」のブランド力が向上し、惣菜分野への事業展開も加速している。18年2月期は野菜価格の落ち着きも寄与して大幅増益予想である。株価は上場来高値更新の展開となった。依然として指標面に割安感があり、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。なお6月27日に第1四半期決算発表を予定している。

■漬物製品の最大手で主力の「ご飯がススム キムチ」のブランド力向上

 漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。

 17年2月期の品目別売上高構成比は自社製品が61%(浅漬・キムチが42%、惣菜が16%、ふる漬が3%)で、商品(漬物・調味料・青果物・その他)が39%である。販路別売上高構成比は量販店・問屋等が74%、コンビニが13%、外食・その他が13%である。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。
 なお九州地区での事業拡大を図るため、佐賀県に九州工場を新設(17年12月当該工場引き渡し予定)する。また九州新工場建設に伴い、ピックルスコーポレーション関西の中国・四国・九州地区の事業を分割し、新設するピックルスコーポレーション西日本に承継(効力発生日17年7月1日)する。

■M&Aも活用して業容拡大

 M&Aも活用して業容を拡大している。14年8月尾花沢食品を設立して漬物製造の尾花沢食品から事業を承継、15年9月青果市場運営の県西中央青果(茨城県古河市)を連結化、16年3月フードレーベルホールディングス(FLH)を子会社化、16年12月FLHの子会社フードレーベルがFLHを吸収合併してフードレーベルの株式を直接所有とした。

■野菜価格が影響する収益特性

 収益は主要原料である白菜や胡瓜など野菜価格の動向が影響しやすい特性がある。17年2月期は8月以降の台風や9月以降の多雨・日照不足の影響で白菜や胡瓜の価格が高騰して減益だった。ただしキムチ製品の好調推移やフードレーベルの新規連結などで売上高は過去最高だった。増収基調に変化はない。

■18年2月期は野菜価格の落ち着きも寄与して大幅増益予想

 今期(18年2月期)の連結業績予想(4月11日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比4.0%増の372億32百万円、営業利益が同77.0%増の13億81百万円、経常利益が同67.2%増の14億51百万円、純利益が同75.7%増の9億63百万円としている。

 キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、全国の製造・販売拠点を活用した営業活動の強化、積極的な広告宣伝・販売促進活動、新製品開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーションなどで、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進展して増収予想である。

 利益面では野菜価格の落ち着きに加えて、フードレーベルの不採算品目縮小も寄与して大幅増益予想である。売上総利益率は同1.2ポイント上昇の23.0%、販管費比率は同0.3ポイント低下の19.3%の計画としている。

 品目別売上高の計画は、自社製品が同7.9%増の233億86百万円(浅漬・キムチが同7.0%増の160億47百万円、惣菜が同10.2%増の63億40百万円、ふる漬が同7.9%増の9億98百万円)で、商品(漬物・調味料・青果物・その他)が同1.9%減の138億46百万円としている。商品はフードレーベルの冷凍食品が不採算のため縮小する計画だ。

 配当予想は17年2月期と同額の年間22円(期末一括)としている。予想配当性向は13.3%となる。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

■漬物業界は大手による寡占化が進展、収益拡大基調

 漬物業界はコメ消費減少、食の多様化、少子高齢化などで市場縮小が続いている。また家族経営など中小・零細企業も多いため、大手による寡占化が一段と進展すると予想される。

 こうした事業環境も背景として、主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのリニューアルや積極的な新製品開発・投入、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓、やや手薄だった西日本エリアでの生産能力増強や営業強化、契約栽培拡大や県西中央青果の子会社化などによる原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直し、市場の規模が大きい惣菜分野への事業展開を加速している。

 中期経営目標には20年2月期売上高406億60百万円、営業利益15億04百万円、経常利益15億64百万円、純利益10億39百万円を掲げている。

 品目別売上高は、自社製品が264億10百万円(浅漬・キムチが182億18百万円、惣菜が71億72百万円、ふる漬が10億18百万円)、商品(漬物・調味料・青果物・その他)が142億50百万円である。設備投資計画は九州新工場立ち上げなど、18年2月期〜20年2月期の3期合計で40億48百万円を計画している。積極的な事業展開とブランド力向上効果で中期的に収益拡大基調だろう。

■東海物産の保有割合低下した一方で、長期保有株主に自己株式割当

 なお14年11月実施のTOBによる自己株式取得によって、第1位株主の東海漬物の保有割合が低下して親会社に該当しないこととなった。一方で15年5月第三者割当による自己株式処分を実施している。割当先は武蔵野銀行<8336>、三菱商事フードテック、味の素<2802>、高速<7504>など8社で、いずれも長期保有の方針としている。さらに安定株主作りの一環としてピックルスコーポレーション取引先持株会を設立して運営開始している。

■株価は上場来高値更新の展開、依然として指標面に割安感

 株価の動きを見ると、5月中旬に動意づく形となり、16年10月の1668円を突破して上場来高値更新の展開となった。そして6月16日には1820円まで上伸した。

 6月16日の終値1820円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円95銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1587円08銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約116億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスで先高感を強めている。依然として指標面に割安感があり、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 06:48 | アナリスト水田雅展の銘柄分析