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2017年06月23日

【インタビュー】日本エンタープライズのITベンチャー会津ラボ・久田雅之社長に聞く

日本エンタープライズのITベンチャー会津ラボ・久田社長

◆「ブロックチェーン」を電力に応用し究極の分散型需給調節を目指す

 「ブロックチェーン」(分散型台帳技術)といえば、仮想通貨の保全や管理に用いるフィンテック(金融工学)のイメージが強い。しかし、これを電力融通に関する計数管理や、家庭で使う電気料金の最適化を探る試みなどに活用する実証試験が6月中に開始される。1千軒を超える家庭がモニターとして協力する予定で、将来は、電力需要がピークを迎える真夏などに、電気を節約した家庭や事業所が電気の必要な家庭や工場に「時価」で販売できる時代も来るとのことだ。

◆世界で3番目に認められた国産ブロックチェーン基盤「いろは」と電力分野でユースケースパートナー認定

 実証を行うのは、日本エンタープライズ<4829>(東1)グループのITベンチャー・株式会社会津ラボ(久田雅之社長)と、省エネ関連事業などを行うエナリス<6079>(東マ)。経済産業省などが主導して福島県が実施する「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」に両者の提案が採択され、2018年2月末日までの予定で様々なテストやシミュレーションを行う。モニター家庭は、会津ラボが開発したコンセント差込み型のスマートメーター「スマートタップ」(=写真)を取り付けるだけで準備が整い、電気工事や配線などは全く不要だという。

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◆日本エンタープライズグループとエナリスが来年2月まで実証試験を展開

sya11.jpg 会津ラボは、ブロックチェーン技術の普及を目指す国際機関が米IBM,インテルに続き世界で3番目にオープンソースとして認められた国産のブロックチェーン基盤「いろは」(株式会社ソラミツ・東京都港区)の電力関連分野におけユースケース・パートナーとして現時点では唯一認定されている。「ブロックチェーンは幅広い分野や物事に応用でき、だからこそ注目されているのだ」と話す日本エンタープライズグループ・会津ラボの久田雅之社長(=写真)に概要を聞いた。

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◆政府は4月から「ネガワット取引」(節電取引)を試行し将来の電力自由化を展望

――「ブロックチェーン」は電力取引や電気料金にも使えるのですか。

 【久田】 電気こそ需要と供給に左右されやすい産物だといえる。使う人が多くなれば値段が上がるのはもちろん、発電する側から見ると、太陽光発電や風力発電は、太陽が出て風が強くなれば電気が多く作れるし、逆の場合は発電できないこともある。ブロックチェーンは、こうした変動の大きい対象の管理など、従来型の中央集中的なシステムでは機能しないものを公正に管理するのに役立つ技術になる。

 福島県は、2040年に、県内で使う電気の総量とイコールの電気総量を再生可能エネルギーで作るという計画を進めている。県内全域で使う電気を変動の大きい再生可能エネルギーで作るのだから、需要と供給に関するコントロールは一段と重要になる。当然、価格・料金も含めた総合的なマッチングのシステムが必要になってくる。

 電気の値段は現在、実質的に固定価格制度だ。電力自由化により安い電気も登場したが、契約は一定の価格で行われる。特別なケースでもないと、「4〜5日旅行に出て使わないから基本料金を安くして」といった話にはならない。太陽光や風力で作った電気の値段には、フィットと呼ばれる「固定価格買取制度」が適用されている。

 現在、一般家庭でもソーラー発電などで発電した電気を電力会社などに販売することはできる。だが、買い取る側にしてみれば、電気が余っているときには安く買いたいか、もしくは買い取りたくないのが実情だろう。逆に、真夏に電力がひっぱくしているときなどには高くても買いたいだろう。

◆将来は家庭どうしでも電気を売買し電力需給のコントロールに役立てる時代が

 こうした中で、政府はこの4月から「ネガワット取引」(節電取引)を試験的にだが開始した。電気には、作った分はすべて使わなければならない性質があり、事業所や工場が節電した場合、その分は発電したとみなす考えに基づく取引だ。端的に言えば、節電するとその分だけ報酬が入る仕組みで、電力がひっぱくしたときなどに、節電した人は電気を売ることができる。太陽光発電などに適用されている固定価格買取制度にも期限があり、将来的には、電気料金も株式相場のように変動する時代を予見しているといっていい。

――節電した人は電気を売ることができるのですか・・・

 【久田】 この「ネガワット取引」のようなシステム、制度が広がると、たとえば、お隣の家がエアコンをたくさん持っていて電気が足りない場合などに、ウチが節電して売って上げるといった家庭同士の需給調節も可能になる。もちろん、欲しい人と売りたい人との電力融通なので、値段もその時々の電力事情によって変動する。

 このような時代が来ると、従来のような中央集中的な電力制御システムでは機能しなくなり、分散型制御という全く新しいシステムが必要になってくる。ブロックチェーンは、こうした電力新時代に最適な技術として活用することができる。

 ブロックチェーンを活用すると、電気が余っている状態だったら、電気をどんどん使って構わないし、足りなくなったら値段を上げますよ、とか、節電してくれたらインセンティブ(奨励金・報奨金)を上げますよ、といったことが可能になり、それも各家庭レベルで、まさに究極の分散型の需給調節ができるようになる。

――実証試験後の事業展開について教えてください。

 【久田】 将来的には、スマートメーターの開発販売や、分散型の電力取引に使えるスマートメーターやこれらにかかわるシステム、機器の開発販売を事業化する計画だ。このたびの実証試験には1000軒を超える家庭が参加する見込みで、当社が開発した手のひらサイズの箱型のスマートメーター「スマートタップ」を家庭のコンセントに差し込んでもらうだけで準備が整う。ここから入るデータをブロックチェーン基盤「いろは」(注・ブロックチェーン普及を目指す非営利の国際機関が米IBM、インテルに続き世界で3番目に受諾された国産のブロックチェーン・オープンソースソフトウェア)に記録してモニタリングを行うことになる。

――ありがとうございました。(HC)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:54 | IRインタビュー