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2018年01月15日

【小倉正男の経済コラム】南北会談、融和は北の仕掛けたフェイク(罠)

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■北朝鮮の手に乗る文在寅大統領

 またもや北朝鮮の「勝ち」になりそうだ。いよいよ危なくなるとギリギリで脈略なく「平和カード」を持ち出すのが、北朝鮮の常套手段である。何度も騙されているのだが、今回も同じ手口だ。

 韓国と北朝鮮が板門店で会談、ペースは北朝鮮が握っている――。核とミサイル問題は棚上げで、「南北の問題は当事者の我々同士(北朝鮮と韓国)で解決する」といった発言がなされている。

 そのうえでピョンチャン(平昌)冬季オリンピックに北朝鮮が参加すると、「平和」が演出されている。またもや「喜び組」が応援に来場するということか。

 挑発や恫喝を繰りかえしてきた北朝鮮が、手のひらを返して、核とミサイルは韓国ではなくアメリカに向けられている。「核とミサイルは、アメリカと北朝鮮の問題だ」、と。
「同胞なのだから」と、韓国は北朝鮮に“ネコ騙し”というか、“ネコ撫で”されている。

 文在寅・韓国大統領はそんな見え透いた手に欺かれているのだからこれまた呆れるしかない。文在寅氏は大統領選挙時に、「選挙に勝ったら、アメリカに行く前に北朝鮮に行く」と発言した人物である。北朝鮮の手の乗る素地はもともと十二分にあったことになる。

■独特なヘアスタイルのふたりのフェイクか

 この新年1月〜3月は、北朝鮮の核とミサイル技術が完成の域に達するということでアメリカの北朝鮮への攻撃の最終期限とみられてきた。
それもあってトランプ大統領と金正恩委員長は、自分の核のボタンのほうが大きいと、売り言葉に買い言葉並みのやり取りをしてきている。

 ところが、いまやトランプ大統領は、「南北対話中にはいかなる軍事行動もない」「金正恩と自分はとても相性が良さそうだ」とこれも手のひらを返した発言をしている。
お互いヘアスタイルが独特のふたりが、「ロケットマン」「老いぼれ」と怒鳴りあっていたのが、一転して心にあるのかないのか、平和ムードが演出されている。

 『チェンバレンの融和』(ミュンヘン会談)になるのか、あるいは裏ではまったく違うことを考えているのか。
 アメリカは、北朝鮮が核実験場の地下坑道をまたもや掘削している衛星画像を公開している。ガアム空軍基地にB2戦略爆撃機を配備するなど単純に融和とはいえない行動も採られている。

 お互いフェイクをかましているのか。その可能性もある。独特なヘアスタイルのふたりだけに何でもあり、何をやるかわからない。そう思っておく必要がある。

■平和は束の間でも尊いが・・・

 北朝鮮のほうは、核とミサイルの技術を完成させ、アメリカが北朝鮮に手を出せないようにするのが戦略目標だ。

 北朝鮮とすれば、そこにいたるまで文在寅大統領を茶番劇のような融和で誘い、時間を稼ぐ戦法である。ピョンチャン冬季オリンピックへの北朝鮮選手の参加や「喜び組」などの応援派遣で、北朝鮮が時間を稼げるとしたら、これは北朝鮮の思う壺ということになる。

 ピョンチャン冬季オリンピックが、北朝鮮や「喜び組」の参加で席が埋まり、文在寅大統領が雀躍しても本質は何も変わらない。韓国はその誘いに乗せられており、いわば共犯関係が形成されている。

 しかし、おそらくまた「ロケットマン」「老いぼれ」と罵倒し合う、あるいはゾッとするが核のボタンの大きさを競うような暴言を吐き合う局面になる可能性が隠されている。

 トランプ大統領は、「便所のような国」といった乱暴な失言を繰り返している。韓国、北朝鮮については、日本としてはそれこそお隣の国であり、困ったものだなと思っても引っ越すわけにもいかない。
 新年の株式市場は日本、アメリカとも絶好調だが、最大の不安材料は北朝鮮問題だ。平和は束の間でも尊いが、北朝鮮の融和では安心できないのが現実である。

(小倉正男=『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(ともに東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営―クライシスマネジメントとは何か』『第四次産業の衝撃』(ともにPHP研究所刊)など著書多数。東洋経済新報社編集局で企業情報部長、金融証券部長、名古屋支社長・中部経済倶楽部専務理事、日本IR協議会IR優良企業賞選考委員などを歴任)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:19 | 小倉正男の経済コラム