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2018年05月28日

【決算記事情報】科研製薬は薬価改定や研究開発費増加などで19年3月期減収減益予想

決算情報

 科研製薬<4521>(東1)は整形外科・皮膚科・外科領域を主力とする医薬品メーカーである。外用爪白癬治療剤クレナフィンの海外への導出や、パイプライン充実を推進している。18年3月期は減収減益だった。19年3月期も薬価改定、競合品の影響、研究開発費増加などで減収減益予想である。

■整形外科・皮膚科・外科領域を主力とする医薬品メーカー

 整形外科・皮膚科・外科領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品や飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。

 医療用医薬品・医療機器は、生化学工業<4548>からの仕入品である関節機能改善剤アルツ、14年9月国内販売開始した日本初の外用爪白癬治療剤クレナフィンを主力として、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、高脂血症治療剤のリピディル、創傷治癒促進剤のフィブラストスプレー、ジェネリック医薬品も展開している。

 歯周組織再生剤「リグロス歯科用液キット」は、歯周炎による歯槽骨の欠損の効能・効果で16年12月国内販売開始した。組み換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)を有効成分とする世界初の歯周組織再生医薬品である。17年4月から歯周外科手術の経験のある歯科医師全てが使用可能となったため、18年3月期から国内販売を本格化した。

■パイプライン充実を推進

 中期経営計画2018(競合品や薬価改定などの影響で19年3月期の目標売上高を1100億円から948億円に変更)では、将来を見据えた成長基盤の整備としてパイプラインの充実、クレナフィンおよび新製品の価値最大化、既存製品の営業基盤強化と効率化、創造力豊かな人材の育成に取り組んでいる。

 クレナフィンの海外への導出では、カナダのバリアント社がJubliaの商品名で、米国およびカナダで14年から販売している。また韓国の東亞STが韓国で17年6月販売(商品名Jublia)開始した。17年11月には田辺三菱製薬の子会社である台湾の台田薬品と台湾における独占供給契約を締結した。18年の販売開始を目指している。

 中国では臨床試験申請が当局に受理され、導出候補先と契約交渉中である。香港・マカオでも導出候補先と契約交渉中である。米国・カナダ以外のバリアント社テリトリーである欧州およびアジア地域については、バリアント社と検討・協議中である。

 原発性局所多汗症を適応症とする「BBI−4000」(外用抗コリン剤)(15年3月米ブリッケル・バイオテック社から導入、日本とアジア主要国における独占的開発・販売・製造権)は、第3相臨床試験段階である。

 熱傷焼痂除去剤「KMW−1」(海外での商品名NexoBrid、16年4月イスラエルのメディウンド社から導入、日本における独占的開発・販売権)は、第3相臨床試験を準備中である。熱傷で生じる焼痂と呼ばれる壊死組織を除去する外用酵素製剤である。

 潰瘍性大腸炎を適応症とする「KAG−308」(旭硝子<5201>と共同開発の経口プロスタグランジン製剤)は第2相臨床試験が終了し、今後の方向性について検討中である。

 爪真菌症を適応症とする自社創薬の「KP−607」は第1相臨床試験を実施中である。ポスト・クレナフィンの位置付けである。

 17年6月スイスのNumab社と、Numab社が有する多重特異性抗体医薬を創製する技術に基づき、炎症性疾患を対象疾患とする新規抗体医薬候補品の創薬を目的とした共同研究契約を締結した。

 18年2月にはカナダのバリアント社と新規化合物KP−470の独占的ライセンス実施許諾契約を締結した。米国、カナダ、欧州において、皮膚疾患およびリウマチ性疾患を対象に、KP−470を有効成分とする外用剤を独占的に開発・販売する権利を供与した。

■18年3月期減収減益、19年3月期も減収減益予想

 18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比3.0%減の984億30百万円、営業利益が10.5%減の274億96百万円、経常利益が10.1%減の278億54百万円、純利益が13.5%減の190億43百万円だった。

 売上面ではクレナフィンが2.6%増収と堅調だったが、アルツが治療の多様化などで2.2%減収、セプラフィルムが新たな競合品の市場参入で7.9%減収、リピディルが5.0%減収、フィブラストスプレーが2.3%減収、ジェネリック医薬品が0.9%減収だった。バリアント社向けJublia関連収入も減少した。

 売上原価率は43.1%で0.3ポイント低下した。原価率の低いクレナフィンの売上構成比上昇が寄与した。販管費比率は29.0%で2.6ポイント上昇した。研究開発費が増加(26.4%増の81億52百万円)した。なお計画に対しては売上高が未達だったが、研究開発費が計画(109億円)を下回ったため、営業利益は減益ながら計画を上回った。

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.7%減の948億円、営業利益が18.2%減の225億円、経常利益が18.1%減の228億円、純利益が13.9%減の164億円としている。

 売上面では、クレナフィンは3.2%増収、セプラフィルムは0.4%増収と堅調推移を見込むが、アルツが薬価改定で12.5%減収、リピディルが競合品の影響で31.1%減収、フィブラストスプレーが薬価改定で14.3%減収、そしてジェネリック医薬品が5.0%減収の計画である。またコスト面では研究開発費が大幅増加(43.5%増の117億円)の計画である。

 18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間150円(第2四半期末75円、期末75円)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間150円(第2四半期末75円、期末75円)で、予想配当性向は36.9%である。また5月9日に自社株式取得(上限60万株または40億円、取得期間18年5月10日〜12月28日)を発表した。

■株価は安値圏モミ合い

 株価は戻りが鈍く、安値圏6000円近辺でモミ合う展開が続いている。5月25日の終値6100円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS406円75銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間150円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2824円32銭で算出)は約2.2倍である。時価総額は約2954億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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