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2018年06月13日

【編集長の視点】ブライドパス・バイオは「ITK−1」の臨床結果を織り込み主要パイプラインの開発を買い直して急反発

 ブライドパス・バイオ<4594>(東マ)は、前日12日に10円高の363円と急反発して引け、今年6月5日、6日、7日と3日続けて叩いた年初来安値338円からの底上げを鮮明化させた。同社株は、今年5月17日に前立腺がん患者を対象とするペピチドワクチン「ITK−1」の国内第V相臨床試験の結果を発表し、主要項目を達成できなかったとしたことを失望し3日間のストップ安を交えて半値水準まで急落し年初来安値に突っ込んだ。ただこの大幅下げで悪材料は織り込み済みとして今2019年3月期の研究開発費を拡大させ、米国で進めている「GRN−1201」の第U相臨床試験などのパイプラインの開発を手掛かりに底値買いが増勢となった。テクニカル的にも、株価水準が、年初来高値968円から底打ちを示唆する「半値八掛け2割引き」目前にあり、低位値ごろ材料株人気を高めると期待されている。

■がん免疫治療のパイプライン開発へ向け今期研究開発費は前期比51%増

 「IKT−1」は、富士フイルムに導出したがんペプチドワクチンで、同社から委託され前立腺がんの患者に対してプラセボ(偽薬)を比較対照群として有効性と安全性を評価する目的で第V相二重盲検比較試験を実施してきた。その開鍵の結果、主要評価項目である全生存期間に関して、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善効果が認められなかった。今後の方針については、臨床試験データを詳細に分析して富士フイルムが検討する。

 同社のパイプラインの開発は、この「IKT−1」のほかにも数多く進められている。メラノーマを適用症とする4種ペプチドワクチン「GRN−1201」は、第U相臨床試験を実施中で、米国で免疫チェックポイント抗体との併用試験を推進し、効果的な複合療法の実現と早期のライセンスアウトを目指している。がん細胞に発現されるがんの特異的な抗原であるネオアンチゲンに関しては、非小細胞肺がんを適応症にネオアンチゲンの開発を進め、国立がん研究センターとは完全個別のがんワクチン創製を進め、東京大学、神奈川県立ガンセンターとはネオアンチゲンの同定精度を高める共同研究を行っている。

 既存の開発テーマに加え、がん免疫療法分野へ研究領域を拡大させるこのパイプライン開発に向け、同社の今2019年3月期の研究開発費は、19億円と前期の12億5300万円から51%増と積極継続する。このため今期業績は、売り上げ1億5000万円(前期比57.7%減)、営業利益22億円の赤字(前期は15億6100万円の赤字)、経常利益22億円の赤字(同15億7300万円の赤字)、純利益22億円の赤字(同15億7700万円の赤字)と水面下の推移を見込んでいる。ただ同社がパイプライン開発の開発領域を拡大して積極化しているがん免疫治療薬の世界の市場規模は、2025年に約10兆円に成長すると観測されているだけに、バイオ・ベンチャーとしての成長可能性は高い。

■「半値八掛け2割引き」水準目前で「リターン・リバーサル」買い妙味を示唆

 株価は、年初来高値968円から世界同時株安の波及で635円安値へ調整、売られ過ぎとして852円高値まで買い直されたものの、今期業績の水面下予想で下値を探り、「ITK−1」の臨床試験結果発表で年初来安値338円に突っ込んだ。同安値は、アノマリー的に底打ちとされる高値からの「半値八掛け2割引き」目前の水準であり、底値での突っ込み買い妙味を示唆している。年初来高値から5カ月目を通過して日柄調整もほぼ一巡しており、下げた株ほどよく戻るとする「リターン・リバーサル」買いが増勢となり、底上げが加速しそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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