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2018年07月17日

【どう見るこの相場】東証1部へ市場変更の2銘柄を核に人材検索サイト株に「神は細部に宿る」デジャブ相場を期待

どう見るこの相場

 一度あることは二度ある……大変に結構なことだ。7月5日に米トランプ政権が、中国に対して340億ドルの追加制裁関税を発動して、日経平均株価は、逆に3日間で約650円高し、10日に同様に2000億ドルの追加制裁関税のリストを公表したが、日経平均株価は、前週末までの2日間でさらに約670円高した。この柳の下に泥鰌(どじょう)が二匹もいたサプライズ相場は、いずれも貿易戦争の勃発を米国市場より先に急いで売るとともに、当面の悪材料出尽くし、悪材料織り込み済みとして、米国市場より先に機敏に買い向かった結果である。いまやマーケットの「唯一神」とも例えられる米国のトランプ大統領が、ツイッターでつぶやきを打ち出す「神の手の指先」をよく見極め、「指運」にも恵まれた賜物ともいうべきだろう。

 ただし3連休明け後の東京市場の先行きを考える上では、今回のサプライズ相場が、1回目と2回目とでは、相場の中身がやや異なる点は注意を要する。1回目は、東証第1部市場の約8割の銘柄が上昇するほぼ全面高だったのに対して、2回目は、値がさの主力株が牽引する指数主導方で、ファーストリテイリング<9983>(東1)ソフトバンクグループ<9984>(東1)の2銘柄だけで、日経平均株価の上昇分の実に4割強もの押し上げ効果を発揮した。指数先物を売っていた短期筋の買い戻しや海外ヘッジファンドなどの指数先物買いによるサプライズ相場と容易に察しがつく。だからこの先の相場も、2万3000円台の上値フシを前に、このまま全員参加型で一本調子に上値を追い続け、追随買いが途切れることなく続くかといえば疑問符がつくとするのが、大方の市場コンセンサスとなっている。

 そこで「神は細部に宿る」である。サプライズ相場に浮かれることも、乗り遅れたと焦ることもない。「好事魔多し」とちょっと冷静になって腰を少し落としてウオッチすると、細かいながら市場の片隅になお上値評価が期待できる銘柄群があることに目が付く。その一つが、東証マザーズ市場から東証第1部へ市場変更する銘柄が続く人材検索サイト関連株である。昨年7月も、「終活関連株」の鎌倉新書<6184>(東1)が、東証マザーズ市場から東証第1部市場に市場変更されて、秋相場で助走を開始し、テーマ株人気を高めて今年4月の株式分割権利落ち後の高値まで2.7倍の大化けを演じた。この「デジャブ(既視感)相場」を期待して3連休明け後の相場に備えたい。

■昨年7月に市場変更の鎌倉新書は秋相場からテーマ株人気を高め2.7倍の大化け

 東証マザーズ市場から東証第1部に市場変更した(する)人材検索サイト関連株は、じげん<3679>(東1)ツナグ・ソリューションズ<6551>(東マ)の2銘柄である。じげんは、今年6月27日に市場変更したばかりで、ツナグ・ソリューションズは、7月18日に市場変更予定だ。鎌倉新書は、昨年7月21日に東証マザーズ市場から東証第1部に市場変更され、その当座は、東京都都議会議員選挙で自由民主党が大敗した政局不安や、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した地政学リスクなどで全般が閑散相場となり、同社自体も市場変更に際して新株式発行などのファイナンスを伴ったことが響き、発行価格1757円近辺の小動きにとどまった。しかし、秋相場入りとともに助走姿勢を強めて「終活関連株」人気を高め、今年4月に実質上場来高値4655円まで2.72倍も大化けし、エンディング産業株のテーマ株買いを牽引した。

 鎌倉新書相場が、人材検索サイト株にも再現されるとすれば、もちろん未体験である。にもかかわらず、確かにどこかで経験したことがある感覚を刺激する「デジャブ相場」は、大いに期待できそうだ。現にじげんは、幹事証券の国内大手証券が、新規に強気の投資判断と目標株価でカバーを開始し、7月13日の東証第1部値上がり率ランキングのトップ10位にランクインし、助走期間なしで今年6月20日に突っ込んだ年初来安値759円からの底上げを開始した。また13日は、同じく求人サイトを運営するディップ<2379>が、前日に発表の今2019年2月期第1四半期(2018年3月〜5月期)の高利益進捗率業績を手掛かりにやはり値上がり率ランキングのトップ20に顔を並べるなど、「デジャブ相場」の予兆を強めた。

 また、東証マザーズ市場から東証第1部への市場変更が、昨年12月14日とやや古い転職情報サイトやアルバイト・派遣サイトを運営のキャリアインデックス<6538>(東1)も、今年7月10日に東証第2部市場への指定替え猶予期間入り(株主数)と7月27日を基準日とする株式分割(1株を2株に分割)を発表したばかりで、3000円大台攻防の株価水準が、今後、株式分割の基準日に向け注目度を高めることが見込まれる。

 国内労働市場は、有効求人倍率が1.60倍(2018年5月)を記録する史上空前の人出不足となり、厚生労働省は、7月31日に今年6月分の有効求人倍率を発表する予定であり、市場変更のじげん、ツナグ・ソリューションズやキャリアインデックスのほか、同業他社のエン・ジャパン<4849>(東1)、リブセンス<6054>(東1)、リクルートホールディングス<6098>(東1)などが、秋相場に向けテーマ株人気を高めることを期待したい。

■「働き方改革」では第2回目の「テレワーク・デイズ」を控えて関連株が再脚光

 人材関連株でもう一つ注目したい銘柄群が、今年6月29日に可決・成立した「働き方改革関連法」で再脚光を浴びたテレワーク(在宅勤務)関連株である。同法案では、過労死法として「高度プロフェショナル制度」の議論がなお続いているが、同法案に盛り込まれた残業時間の上限規制は、大企業には来年4月1日に適用され、さらに人材不足に拍車を掛けると観測されている。同上限規制は、違反企業に対する罰則も伴っているだけに、この人手不足に対処する決め手は、子育て中の女性や高齢者、障害者、介護休業中の働き手などの就業促進、地方での就業機会の増加など、個々のパーソナル環境と仕事をバランスさせる多様な働き方を可能とするテレワークとみられている。

 関連株は、NECネッツエスアイ<1973>(東1)、パソナグループ<2168>(東1)、ワールドホールディングス<2429>(東1)、ソリトンシステムズ<3040>(東1)、ブイキューブ<3681>(東1)、リアルワールド<3691>(東マ)、オプティム<3694>(東1)、インターネットイニシアティブ<3774>(東1)、クラウドワークス<3900>(東マ)、テラスカイ<3915>(東マ)、サイボウズ<4776>(東1)、ネットワンシステムズ<7518>(東1)などと幅広く、事業形態や業績、株価ポジションなども多彩である。

 総務省は、今年も2020年の東京オリンピックの開会式の7月24日に合わせた第2回目の「テレワーク・デイズ」を実施する。7月23日から27日までの間に、24日とその他の日で合計2日間の「テレワーク・デイ」を実施することを求めており、参加企業・団体は、昨年の第1回の950団体を上回る2000団体、参加人数は、同じく6万3000人をオーバーする延べ10万人を計画している。関連株に政策支援の追い風が強まろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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