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2018年08月13日

【どう見るこの相場】「大いに難あり」が心配の全般相場下で安値圏でもみ合う「少々難あり」の新工場建設株は逆張りの打診買いも一考余地

どう見るこの相場

 「少々難あり」、「訳あり」などとタグのついた品物から掘り出し物のブランド品をみつけるのは、誰でも経験したことがあるバーゲンセールの楽しみ、面白さである。兜町でも、かつては「少々難あり」、「訳あり」どころか無配株や業績の水面下推移が続く限界企業やボロ株に空売りを誘い込み、株価急騰を演出して「上がる株が優良株」と開き直る仕手株相場が、数々仕掛けられた。足元でも、大塚家具<8186>(JQS)、パイオニア<6773>(東1)の株価が、経営再建を巡って乱高下しており、久々のバーゲンセール相場なのか行方に思惑が集まっている。

 今週の相場全般は、「少々難あり」、「訳あり」どころか「大いに難あり」となると心配される。前週末は、米中両国が、狭いリングのなかで制裁関税の追加の重量級パンチを撃ち合い、トランプ米大統領は、返す刀でトルコへの制裁関税を倍増させ欧州連合(EU)の地政学リスクが高まり、欧州発の金融不安再燃まで懸念しなくてはならなくなったからだ。しかしである。個別銘柄ベースでは、やや事情が異なる可能性があるはずだ。「少々難あり」、「訳あり」の銘柄は、銘柄個々に全般相場に先立って株価的に調整済み、織り込み済みとなって、逆に下値抵抗力を発揮するかもしれないからだ。
 なかでも、本来ならもっと高値評価されていい業績や材料が、「少々難あり」、「訳あり」のタグがついたために、株価感応度が鈍いばかりか安値水準に甘んじている銘柄は要マークとなる。かつての仕手株相場で乱舞した銘柄とは逆のケースである。そうした銘柄の一つに浮上するのが、成長戦略の新工場建設や大規模プロジェクト計画などを発表したにもかかわらず、年初来安値水準に低迷を余儀なくされている銘柄群である。全般相場が調整色を強めれば強めるほど、「少々難あり」「訳あり」程度なら御の字とも評価される展開も想定される。バリュエーション的にも低PER・PBRに放置され、配当利回りでも十分の投資採算圏にあり、ここは逆張りの下値打診買いも一考余地がありそうだ。

■上場来高値追いのOLCと対照的に神戸鋼、東エレクは株価感応度は限定的

 今年度に入った今年4月以降に新工場建設や大規模プロジェクト計画を適時情報開示した銘柄は多数にのぼる。総投資額が約2500億円と過去最高となり、「東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト」を今年6月14日に発表したオリエンタルランド<OLC、4661>(東1)から、直近の8月7日に設備増強の第2期投資約50億円を開示した田中化学研究所<4080>(JQS)まで業種も投資金額の大小もさまざまである。OLCの場合は、業績面では特に目立つ要素はなかったものの、国内証券各社が、相次いで「強気」の投資判断を維持し、目標株価を引き上げたことからプロジェクトをポジティブに評価して、株価は、株式分割を勘案して実質で上場来高値追いとなった。

 OLCと対照的だったのが、神戸製鋼所<5406>(東1)と東京エレクトロン<8035>(東1)である。神戸製鋼は、加古川製鉄所の自動車用ハイテン鋼板設備の5割増強に約500億円を投資し、東エレクは、山梨事業所内と東北事業所内の新棟建設に約260億円を投資して半導体製造装置の生産能力を増強する。成長戦略の積極化であるのは間違いないのだが、株価感応度は、「少々難あり」、「訳あり」で限定的にとどまった。神戸製鋼は、例の検査証明書のデータ書き換えの後遺症が続き、また東エレクは、証券各社が「強気」の投資判断をキープしたものの、目標株価を引き下げられ、さらに米国の同業他社の株価乱高下も響き、いずれも今年7月に年初来安値まで逆行安した。

 その後、神戸製鋼は、今年8月1日に今2019年3月期第2四半期(2018年4月〜9月期)累計業績と今3月期通期売り上げを上方修正し、未定としていた中間配当も10円として実施することを発表した。株価は、PERで8倍台、PBRは0.49倍となお大きく売られ過ぎを示唆した。東エレクも、7月26日に今期第1四半期(2018年4月〜6月期)の2ケタ増収益業績を発表し、純利益が連続して過去最高を更新した。株価は、PERで11倍台と割り負け、配当利回りに至っては連続増配で4.38%と市場平均を大きく上回っている。両社株とも、逆張りの余地が大きいことを示唆している。

■業績上方修正や自己株式取得を実施し社名変更などの株価意識を高めたケースも相次ぐ

 この2社に続くのが、みらかホールディングス<4544>(東1)となる。同社は、今年6月22日に総事業費約750億円で新セントラルラボラトリーの建設を発表し、臨床検査の受託能力を拡大させる。しかし、昨年10月には希望退職者の募集を発表し、前期業績では米国子会社関連の損失を計上、中期経営計画の目標数値の下方修正などが「少々難あり」となり、株価の反応は限定的で今年8月に年初来安値まで調整した。PERは15倍台、配当利回りは4.63%と売り込まれており、線虫を使った尿検査によるがん診断にも関連するだけに逆張り妙味を示唆している。兵機海運<9362>(東2)も、今年5月22日に約9億円で倉庫3棟の取得を発表しいったん年初来高値2890円まで1000円超高したものの、今2019年配当を未定としていることもあって年初来安値1682円まで往って来い以上の大幅調整となった。8月8日に今2019年3月期業績の上方修正を発表して100円超幅の底上げを演じたが、それでもPERは7倍台、PBRは0.8倍の低評価でしかない。

 このほか、東北地方進出に向け約12億円でGP工場を建設、農場も取得したホクリヨウ<1384>(東1)、約23億円を投資して岡山工場内に第9工場を建設する北興化学工業<4992>(東1)、原町工場内に9億8500億円で工場建屋を建設の藤倉ゴム工業<5121>(東1)、約9億円で新愛知事業所を建設のエヌアイシ・オートテック<5742>(JQS)、投資総額約33億6000万円で中国に第2工場を建設のツガミ<6101>(東1)、約70億円でR/Dセンターなどの本社工場の第W期工事に着工する京三製作所<6742>(東1)、約130億円〜140億円で米国に第2工場を建設のニチハ<7943>(東1)、投資額約49億円で神奈川県横浜市の所有地の第2期再開発計画を推進する澁澤倉庫<9304>(東1)、米国での現地法人設立に続きタイ子会社が支店を開設しバンコクとともに2営業拠点体制とする日伝<9902>(東2)も、要注目だ。投資金額は、OLCには遠く及ばないが、いずれも成長戦略の推進であることは間違いない。また業績を上方修正した兵機海運に加え、自己株式取得を相次いで実施したツガミ、株式の立会外分売を実施した北興化学、社名変更を決定した藤倉ゴムと京三製など株価意識を強めた銘柄も含まれる。株価は年初来安値水準で底もみ、PER・PBR評価では売られ過ぎを示唆している。(本紙編集長・浅妻編集長)

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