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2019年11月11日

京写は下値切り上げ、20年3月期大幅減益予想だが21年3月期V字回復期待

 京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。20年3月期は需要低迷の影響で下方修正して大幅減益予想となったが、21年3月期のV字回復を期待したい。株価は8月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。20年3月期大幅減益予想の織り込みが完了して出直りを期待したい。

■プリント配線板の大手

 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。

 プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、電子部品の急速な小型化に対応した業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面配線板の受注拡大が期待されている。

 19年3月期の製品別売上高構成比は片面配線板46%、両面配線板40%、その他(実装治具関連)14%、製品用途別売上高構成比は自動車関連32%、家電製品26%、事務器10%、映像関連9%、電子部品・電子機器8%、アミューズメント関連1%、その他13%、地域別売上高構成比は日本48%、中国32%、東南アジア16%、北米3%、その他2%だった。

 収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得している。

 生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。18年5月には中国で両面配線板および多層配線板の生産を委託しているサンティス香港、およびその子会社のサンティス南沙と資本・業務提携した。

 また19年6月にはメキシコ子会社で実装搬送治具事業を開始した。工場は現地企業から事業譲渡により、生産設備・人材・顧客を引き継いだ。さらに20年4月には両面配線板の新たな生産拠点としてベトナムの製造子会社が稼働予定である。

■20年3月期大幅減益予想だが21年3月期V字回復期待

 20年3月期連結業績予想(10月31日に下方修正)は、売上高が19年3月期比8.7%減の192億円、営業利益が69.9%減の1億50百万円、経常利益が72.4%減の1億30百万円、純利益が65.9%減の1億円としている。配当予想は2円減配の6円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.1%減の95億81百万円となり、営業利益が72.3%減の54百万円、経常利益が75.5%減の51百万円、純利益が73.4%減の35百万円だった。実装治具関連は堅調だったが、米中貿易摩擦の影響で、特に中国においてLED照明など家電製品関連を中心に、プリント配線板の需要が低迷した。減収や海外子会社立ち上げ準備費用などで大幅減益だった。

 通期予想は下期の需要回復を見込まず大幅減益予想とした。21年3月期はベトナムの立ち上げ費用(減価償却費含む)が増加するが、需要拡大や拡販でV字回復を期待したい。

■24年3月期営業利益15億円目指す

 中期経営計画(20年3月期〜24年3月期)では、目標数値に24年3月期の売上高320億円、営業利益15億円、営業利益率4.7%、ROE10%、配当性向25%以上を掲げている。製品別売上高は片面配線板145億円(独自技術を活用した金属基盤46億円含む)、両面配線板125億円、新製品15億円、実装関連10億円、拠点別売上高(連結調整前)は日本140億円、中国145億円、インドネシア25億円、ベトナム(20年4月稼働予定)50億円としている。

 6つの重点戦略として、グローバル供給体制、戦略的ネットワークによる競争優位獲得、IT化・自動化によるコスト競争力強化、独自印刷技術を活用した新製品・新技術による差別化・シェア拡大、成長実現に向けたキャッシュ・フロー経営、人財戦略を推進する。

 グローバル供給体制は、優位性のある片面配線板や印刷技術の提案、ベトナムにおける両面配線板生産体制の確立、営業拠点の再編・最適化、メキシコEMSやアセアンEMSへの治具販売強化などを推進する。戦略的ネットワークによる競争優位獲得は、主要材料メーカー・EMS・商社・OEM協力先・同業との戦略的業務提携・パートナーシップ構築による製品開発や販路拡大、産学官連携による共同研究などを推進する。

 IT化・自動化によるコスト競争力強化は、生産地・生産方式の最適化、新潟工場の能力アップと京都工場の少量多品種化、AIスマート工場化など省人化・自動化投資を継続的に推進する。独自印刷技術を活用した新製品・新技術による差別化・シェア拡大は、両面から片面への基板低層化提案、0603実装部品対応基板など電子部品業界における微細化ニーズへの対応、金属基盤やストレッチャブル基板の量産などを推進する。

 成長実現に向けたキャッシュ・フロー経営は、成長事業への優先投資と早期収益化による投資回収、自己資本の充実、有利子負債の適正化、積極的な株主還元などを推進する。人財戦略は、グローバルマネジメント人材の育成、グループCSR体制の構築、BCP・BCMのグローバル展開、職場環境の向上、ITやIoT活用による業務効率化などを推進する。

 19年1月には業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面配線板を発表している。新製品拡販も寄与して収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は8月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。20年3月期大幅減益予想の織り込みが完了して出直りを期待したい。11月8日の終値は313円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約45倍、今期予想配当利回り(会社予想6円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS471円18銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約46億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)




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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 05:22 | アナリスト水田雅展の銘柄分析