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2022年08月08日

ジェイグループホールディングスは上値試す、事業ポートフォリオ改善を推進して収益回復基調

 ジェイグループホールディングス<3063>(東証グロース)は食文化を主軸とした総合サービス企業を目指し、飲食事業、不動産事業、ブライダル事業、その他関連事業を展開している。コロナ禍の影響で業績が悪化したが、アフターコロナにおいて成長可能な会社基盤を整えるため、事業ポートフォリオの改善や新規事業の展開などを推進している。23年2月期はコロナ禍の影響が和らいで大幅増収・黒字転換予想としている。第1四半期は大幅増収で赤字縮小した。事業ポートフォリオ改善も奏功して収益回復基調だろう。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。収益回復基調を評価して上値を試す展開を期待したい。

■食文化を主軸とした総合サービス企業

 食文化を主軸とした総合サービス企業を目指し、東海エリアを地盤として、飲食事業、不動産事業、ブライダル事業、その他関連事業を展開している。

 23年2月期第1四半期のセグメント別売上高構成比(調整前)は、飲食事業(アウトドア事業含む)が72%、不動産事業が20%、ブライダル事業が5%、その他事業(広告代理業、卸売業、人材派遣業、新規事業など)が3%だった。

 飲食事業は居酒屋やレストランを中心に多業態で展開している。23年2月期第1四半期末時点の店舗数は72業態・127店舗(国内125店舗、海外2店舗)となった。主要業態は焼酎の酒蔵を再現した居酒屋「芋蔵」などである。

 東海エリアおよび東京エリアの繁華街、ビジネス街、商業施設を中心に出店し、各エリアにおけるドミナント出店を基本戦略としている。さらに、単一業態の多店舗化を図る従来型のチェーン展開手法と異なり、立地特性や周辺顧客層などマーケットニーズに応じて最適な業態を開発する個店主義に基づいて多業態展開していることが特徴である。単一業態のチェーン展開手法に比べて出店条件に対する柔軟性が高く、業態変更による市場環境変化への柔軟な対応が可能という利点がある。なお後述するように、アフターコロナに向けた成長戦略として脱総合居酒屋業態を推進し、海外店舗についても撤退方針としている。

 不動産事業は自社保有不動産の賃貸および管理業務を展開している。飲食事業とのシナジーを生かした総合プロデュースにより、恒常的な収益基盤を構築している。なお、保有する商業ビル・レジデンス等の流動化および有効活用を進めており、23年2月期第1四半期末時点で保有している5物件(飲食ビル3棟、レジデンス2棟)についても今後、流動化・有効活用を進める方針としている。

 ブライダル事業は、直営の挙式・披露宴会場およびレストラン(名古屋駅直結のルーセントタワー)においてレストランウエディングサービスを展開している。挙式・披露宴から2次会まで総合プロデュースする。

 その他関連事業では広告代理業、食品卸売業、人材派遣業などを展開し、さらに新規事業として21年10月に高速道路のサービスエリア事業を開始した。

■アフターコロナに向けて事業ポートフォリオ改善

 コロナ禍の影響で業績が悪化したが、アフターコロナにおいて成長可能な会社基盤を整えるため、収益拡大に向けた「攻め」の戦略として事業ポートフォリオの改善、新規事業の展開、エリアマーケティングの強化、経営基盤強化に向けた「守り」の戦略として店舗運営の効率化、本社経費の削減などの重点施策を推進している。

 事業ポートフォリオの改善および新規事業の展開については、外食市場における環境変化に対応して、宴会需要やサラリーマンをターゲットとした繁華街・ビジネス街の総合居酒屋業態から酒類提供に左右されない食事業態や専門業態への業態シフト、出店立地の都心立地から郊外立地へのシフト、さらに店舗規模の大箱店舗(60坪以上)から小箱店舗(40坪未満)へのシフトを推進している。

 具体的には、脱総合居酒屋や小箱店舗の戦略として、若者をターゲットとする専門居酒屋「寿司と串とわたくし」「寿司と天ぷらとわたくし」の出店、既存店を活用したデリバリーやテイクアウトの拡大、予約の取れない焼鳥屋として話題を呼んだ「博多かわ屋」のEC販売・催事の拡大などを推進している。

 さらに新規事業として、ブランド認知度の高い食事業態のFC展開として「大阪王将」の出店(21年8月1号店、21年11月2号店、22年3月3号店オープン)を拡大するとともに、高速道路のサービスエリア事業(名神高速道路下り線大津サービスエリアでの飲食・物販事業を21年10月開始、その後リニューアルを経て22年3月グランドオープン)を開始している。また21年8月には外食企業・介護事業等への人材派遣業を開始している。

 エリアマーケティングの強化については、リピート顧客獲得に向けた飲み放題のサブスクサービス、SNSやアプリを使用したCRMなどを推進している。飲み放題のサブスクサービスは名古屋エリア(名駅・栄・金山)で実施し、さらに東京エリアへの展開も予定している。

 なお「攻め」の戦略の数値目標は、小箱店舗の割合が20年2月期実績34.0%から24年2月期計画47.2%、郊外立地の割合が20年2月期実績1.9%から24年2月期計画13.5%、そして専門業態の割合が20年2月期実績42.7%から24年2月期計画56.2%としている。

 経営基盤強化に向けた「守り」の戦略については、店舗運営効率化に向けた施策として正社員数の削減、集中加工場の開設、みなし残業時間圧縮・総労働時間削減、セルフオーダーシステム拡大によるホール人件費削減など、本社経費削減に向けた施策として東京オフィス閉鎖、自社物流センター売却、間接部門人員削減、中間管理職削減、諸経費削減などを推進している。

 なお「守り」の戦略の数値目標は、1店舗当たり社員数が20年2月期実績3.4人から24年2月期計画2.3人、本社経費が20年2月期実績15億23百万円から24年2月期計画11億93百万円としている。

■23年2月期大幅増収・黒字転換予想で1Q順調

 23年2月期の連結業績予想は、売上高が22年2月期比122.0%増の104億42百万円、営業利益が1億07百万円の黒字(22年2月期は18億88百万円の赤字)、経常利益が28百万円の黒字(同19億00百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が8百万円の黒字(同6億02百万円の赤字)としている。配当予想はコロナ禍の影響が不透明なため未定としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比138.3%増の16億52百万円、営業利益が3億79百万円の赤字(前年同期は5億37百万円の赤字)、経常利益が3億47百万円の赤字(同5億52百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が67百万円の黒字(同3億42百万円の赤字)だった。

 大幅増収となって営業・経常赤字が縮小した。まん延防止等重点措置(22年1月9日〜3月21日)の解除によって4月以降はコロナ禍の影響が和らいだ。継続的なコスト抑制策も寄与した。さらに、特別利益に助成金収入(臨時休業に伴う時短要請協力金等)5億69百万円を計上し、コロナ特損(店舗臨時休業による損失)が減少したことも寄与して純利益は黒字転換した。

 飲食事業は売上高が162.7%増の14億42百万円、営業利益が1億51百万円の赤字(同3億45百万円の赤字)だった。通常営業できる店舗が前年より大幅に増えたことにより大幅増収で営業赤字縮小した。既存店売上は132.9%増(居酒屋業態が171.9%増、レストラン業態が105.3%増、カフェ業態が0.8%減)だった。新規出店は1店舗、業態転換は0店舗、閉店は4店舗で、22年5月末時点の店舗数は72業態・127店舗となった。なお、まん延防止等重点措置の解除によって徐々に通常営業に戻っているが、5月時点で8店舗が依然休業中となっている。

 不動産事業は売上高が8.4%増の3億89百万円、営業利益が110.3%増の55百万円だった。テナントビルの「EXIT NISHIKI」や「ジェイチル名駅」などの賃貸収入が安定収益に寄与した。

 ブライダル事業は売上高が60.9%増の93百万円、営業利益が16百万円の赤字(同11百万円の赤字)だった。婚礼の施行組数や受注残数は一定の回復の兆しが見られたものの、コロナ禍の影響が継続した。その他事業は売上高が172.6%増の67百万円、営業利益が55百万円の赤字(同1百万円の赤字)だった。新規事業として開始した人材派遣業が大幅増収に寄与した。

 通期予想は据え置いている。コロナ禍前の水準までは戻らないものの、前期との比較ではコロナ禍の影響が和らいで大幅増収を見込み、コスト削減による損益分岐点売上高の改善も寄与して黒字転換予想としている。第1四半期は大幅増収で赤字縮小と概ね順調だった。事業ポートフォリオ改善も奏功して収益回復基調だろう。

 なお財務面では、金融機関と締結した金銭消費貸借契約における財務制限条項に抵触したが、借入先の金融機関と建設的な協議を継続しており、当該契約が継続されると見込んでいる。また22年5月11日付で発行した新株予約権による資金調達により、当面の資金状況は安定的に推移する見通しとしている。

■株主優待制度は2月末と8月末の年2回

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)については、毎年2月末および8月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて店舗で利用できるお食事優待券を贈呈している。なお22年3月に創業25周年を迎えたため、22年2月末および8月末対象については、創業25周年記念株主優待を追加贈呈している。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。収益回復基調を評価して上値を試す展開を期待したい。週足チャートで見ると下値を切り上げる形の三角保ち合いであり、上放れの展開になれが上げ足を速める可能性もありそうだ。8月5日の終値は552円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS89銭で算出)は約620倍、そして時価総額は約59億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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