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2022年09月27日

エイトレッドは売られ過ぎ感、23年3月期2桁増収増益予想

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)はワークフローシステムの開発・販売およびクラウドサービスを展開している。社内文書電子化のリーディングカンパニーである。なお9月26日には「エイトレッド・ワークフローの日」を記念して特別イベントを実施した。23年3月期は導入企業数増加やクラウドサービス拡大などで2桁増収増益予想としている。ストック型収益を勘案すれば第1四半期の進捗率は概ね順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。DXの流れも背景として積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■ワークフローシステムの開発・販売

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローシステム(ソフトウェア)の開発・販売およびクラウドサービスを展開している。

 ワークフローシステムとは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書など、稟議・申請から承認・決裁に至る事務工程(ワークフロー)を電子化(システム化)するソフトウェア製品である。

 ワークフローシステムを導入することによって、業務プロセスの効率化(作業工数削減や時間短縮)、ペーパーレス化によるコスト削減(用紙・印刷・郵送・保管に係るコストの削減)、内部統制の強化(意思決定プロセスや承認日時のデータ化・可視化)などのメリットが得られる。

 主力製品は、大手・中堅企業向けパッケージ型のAgileWorks、小規模企業向けクラウド型のX−point Cloudである。22年8月にはX−point Cloudの最新版「X−point Cloud V3.2」の提供を開始した。

 クラウド型X−point Cloudへの移行により、以前の主力製品であった小・中規模企業向けのパッケージ型X−pointは22年3月に新規ライセンス販売を終了した。さらに25年3月に通常サポート終了、27年3月に延長サポート・追加ライセンス販売終了予定である。AgileWorksへのアップセル、またはX−point Cloudへの移行を促進する。

 22年3月期の製品別売上高はAgileWorksが10.4%増の9億85百万円、クラウドサービスX−point Cloudが23.1%増の7億39百万円だった。いずれも大幅伸長している。X−pointは新規ライセンス販売が終了して9.9%減の3億87百万円だった。全体の導入企業数は累計3500社以上に達している。

■社内文書電子化のリーディングカンパニー

 社内文書(申請書・稟議書)電子化のリーディングカンパニーである。複数の市場調査レポートで、X−point Cloudがワークフロー市場における出荷金額・売上金額実績シェア1位を獲得している。

 アイ・ティ・アールの「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021」では、AgileWorksの伸長も寄与してワークフロー市場における20年度ベンダー別売上金額シェア1位、X−point CloudがSaaS型ワークフロー市場ベンダー別売上金額で16年度から6年連続シェア1位を獲得した。

 富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2021年版」においては、X−point CloudがSaaSワークフロー市場占有率推移(金額)で2015年度から6年連続シェア1位(2020年度実績シェア21.7%)を獲得した。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所の「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望2021年度版」では、X−point CloudがSaaS・ASP型ワークフロー市場シェア(出荷金額)で10年連続トップシェアとなった。この結果、X−point Cloudは複数の市場調査レポートにおいて、2020年度の出荷金額/売上金額の実績でSaaS型ワークフロー市場シェアNO.1を獲得した。

 テクノ・システム・リサーチが22年1月に発行した「2021年SaaS型ワークフロー市場データ」では、X−point Cloudが全体市場シェア24.5%で1位を獲得した。

 MS―Japanが運営するビジネスメディア「Manegy」が実施した「Manegy Award 2021」では、X−point CloudとAgileWorksが総務部門で優秀賞を受賞した。

 アイティクラウド「ITreview Grid Award 2022 summer」では、AgileWorksおよびX−point Cloudが、ワークフロー部門において最高位の「LEADER」を2期連続で受賞した。

■開発特化型企業

 事業戦略の基本は、日本型業務プロセスに適した製品によって他社製品との差別化を図る、導入企業ごとの個別カスタマイズを行わずに開発コストを抑制する、開発に特化して販売パートナー企業(販売代理店)を活用するとしている。販売パートナーは大手SIerなどで構成され、全国に営業網を構築している。

■ワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」市場は拡大基調

 同社の調査(21年12月公表、中小企業経営者185名を対象とした東京都の中小企業におけるDX実態調査)によると、57.3%の企業が「DXを推進できていない」と回答したが、このうちの44.4%が「今後DXを推進したい」と回答している。なお現在導入しているツールはオンライン会議・テレワークが42.7%、グループウェアが38.9%、チャットツールなどが31.9%だった。

 電子文書を導入せずに、依然として紙・手書きベースで事務処理を行っている企業が多いが、今後は中堅・中小企業においても、業務効率化を実現するワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」の導入が加速し、市場は拡大基調が予想される。

 こうした事業環境に対応し、AgileWorksとX−point Cloudを2本柱として、カバレッジ拡張や他社サービスとの連携を強化しながら売上拡大を推進する方針だ。なお同社の主力3製品による紙削減量は年間約50トンと試算されている。

 22年1月にはワークフローの認知度向上に向けて、中小企業のチカラが運営する「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」に参画し、同プロジェクト公式アンバサダーの郷ひろみ氏を起用したPR活動を開始した。また毎月26日を「フローの日」と定め、マーケットリサーチ等を活用した情報のマンスリー発信も開始する。

 22年3月にはクラウド型のX−point Cloudについて、ウェブ上で外部のクラウドサービスと連携できる機能を公開すると発表した。顧客の利便性向上を目指すとともに、認知度向上や新たなサービス・市場創出につなげるとしている。

 また22年3月には、ワークフロー総研が実施した「ITreview」会員向けワークフローシステム導入に関するリサーチ結果を公表している。7割以上の企業が「ワークフローシステム」を認知し、約7割の企業が「ワークフローシステム」を導入済みという結果だった。

 22年6月には、SaaS事業者向け連携開発のストラテジットと業務提携、チャットボット大手のチャットプラスと業務提携した。

■23年3月期2桁増収増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の業績(非連結)予想は売上高が22年3月期比10.7%増の23億40百万円、営業利益が10.7%増の10億05百万円、経常利益が10.6%増の10億05百万円、当期純利益が14.5%増の6億92百万円としている。配当予想は22年3月期比2円増配の24円(第2四半期末12円、期末12円)としている。連続増配予想である。

 製品別売上高の計画はAgileWorksが15.4%増の11億37百万円、クラウドサービスX−point Cloudが19.6%増の8億84百万円、X−pointが18.0%減の3億18百万円としている。

 売上面では、パッケージ型のX−pointがクラウドサービスへの移行に伴って22年3月に新規ライセンス販売を終了したため減少するが、2本柱であるAgileWorksとX−point Cloudへのアップセルなども寄与して導入企業数が増加し、全体で2桁増収予想としている。利益面では、営業・サポート体制強化に伴う人件費の増加、クラウドサービス拡大に伴うクラウドインフラコストの増加、製品機能強化のためのソフトウェア償却費の増加、さらに広告宣伝費の増加などを見込むが、増収効果で吸収して2桁増益予想としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比8.6%増の5億31百万円、営業利益が0.6%増の2億05百万円、経常利益が0.6%増の2億05百万円、そして四半期純利益が0.1%減の1億34百万円だった。

 売上面は、クラウドサービスへの移行に伴ってパッケージ型のX−pointが減収だが、テレワークや在宅勤務等によるワークフロー需要の拡大、ワークフローソフトウェアの機能強化などにより、主力製品である大手・中堅企業向けパッケージ型のAgileWorks、およびクラウドサービスのX−point Cloudの導入企業数が順調に増加した。利益面は、広告宣伝費の増加、クラウドインフラコストの増加、減価償却費の増加などで横ばいにとどまった。

 製品別売上高はAgileWorksが16.3%増の2億46百万円、X−point Cloudが16.0%増の2億01百万円、X−point(27年3月に製品サポート終了予定のため22年3月に新規ライセンス販売終了)が19.4%減の83百万円だった。なおフロー・ストック別売上高は、フロー売上高が4.3%増の1億21百万円、ストック売上高が13.1%増の4億22百万円だった。

 通期予想は据え置いている。第1四半期の進捗率は売上高が22.7%、営業利益が20.4%、経常利益が20.4%、当期純利益が19.4%だった。ストック型収益が積み上がる特性を勘案すれば第1四半期の進捗率は概ね順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。DXの流れも背景として積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は9月末と3月末の年2回

 株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月26日の終値は1733円、今期予想PER(会社予想のEPS92円53銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS471円66銭で算出)は約3.7倍、そして時価総額は約130億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:08 | アナリスト水田雅展の銘柄分析