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2022年11月25日

【決算記事情報】科研製薬は23年3月期2Q累計減収減益、通期の営業・経常減益、最終増益予想据え置き

決算情報

 科研製薬<4521>(東証プライム)の23年3月期第2四半期累計業績は、主に薬価改定影響で減収となり、さらに研究開発費の増加も影響して減益だった。通期予想は据え置いている。売上面(主要医薬品の売上高計画は一部を組み替え)は原発性腋窩多汗症治療剤エクロックの伸長などで増収予想、営業利益と経常利益は研究開発費の増加などで減益予想、親会社株主帰属当期純利益は特別損失の一巡で増益予想としている。

■医療用医薬品・医療機器メーカー

 医薬品・医療機器、農業薬品などの薬業、および文京グリーンコート関連などの不動産賃貸事業を展開している。

 主要医薬品・医療機器は、外用爪白癬治療剤のクレナフィン、関節機能改善剤のアルツ、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、創傷治癒促進剤のフィブラスト、排尿障害改善剤のエブランチル、原発性腋窩多汗症治療剤のエクロック、歯周組織再生剤のリグロス、腰椎椎間板ヘルニア治療剤のヘルニコア、およびジェネリック医薬品である。

 22年5月には外用爪白癬治療剤クレナフィンについて、21年7月に欧州における独占的開発および販売の権利を供与したアルミラル社(スペイン)が、ドイツおよびイタリアで分散審査方式によって販売承認申請を提出した。

■M&A・アライアンス

 M&A・アライアンス関連では、21年1月にブロックチェーン技術を活用したデータプラットフォーム事業で医療・ヘルスケア領域に展開するジーネックス(マネックスグループの関係会社)に出資して業務提携した。21年12月にはバイオベンチャーのARTham社(横浜市)を買収して連結子会社化した。

 22年11月には、アクシル・キャピタル・パートナーズ2号有限責任事業組合が設立したアクシル・ライフサイエンス&ヘルスケアファンド2号投資事業有限責任組合に対して、最大10億円を出資する契約を締結した。

■開発パイプライン

 23年3月期第2四半期末時点の開発パイプラインの状況は、熱傷焼痂除去剤KMW−1(メディウンド社から導入、海外での製品名NexoBrid)が承認申請中、アタマジラミ症を適応症とするKAR(アーバー社から導入、海外での製品名Sklice)が第3相、難治性脈管奇形を適応症とするART―001(アーサム セラピューティクス社の開発品)が第2相、水疱性類天疱瘡を適応症とするART―648(アーサム セラピューティクス社の開発品)が第2相、原発性掌蹠多汗症を適応症とするBBI−4000(原発性腋窩多汗症治療剤エクロックの適用拡大)が第1相、固形がんを適応症とするKP−483(がん免疫療法、自社創薬品)が第1相、アトピー性皮膚炎を適応症とする多重特異性抗体医薬候補物質NM26−2198(ニューマブ セラピューティクス社との共同開発)が第1相である。

■23年3月期2Q累計減収減益、通期は営業・経常減益、最終増益予想

 23年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比2.0%減の368億19百万円、営業利益が9.2%減の82億09百万円、経常利益が7.9%減の85億55百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が11.3%減の59億64百万円だった。主に薬価改定影響で関節機能改善剤のアルツなどが減収となり、さらに研究開発費の増加(8.0%増の43億30百万円)なども影響して減益だった。

 主要医薬品・医療機器の売上高(単体ベース)は、クレナフィンが前年比1.6%減の96億33百万円、アルツが9.1%減の86億73百万円、セプラフィルムが5.5%減の40億14百万円、フィブラストが0.6%増の13億78百万円、エブランチルが3.1%減の9億43百万円、エクロックが47.8%増の8億23百万円、リグロスが4.1%増の4億44百万円、ヘルニコアが4.1%増の2億09百万円、ジェネリック医薬品が5.0%減の41億90百万円だった。

 セグメント別に見ると、薬業(医薬品・医療機器、農業薬品)は売上高が2.2%減の356億円、利益(営業利益)が9.6%減の75億92百万円だった。なお海外売上高は16.7%増の33億85百万円だった。不動産事業(文京グリーンコート関連賃貸料など)は売上高が2.3%増の12億19百万円、利益が2.9%減の6億16百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が181億97百万円、営業利益が40億56百万円、経常利益が43億32百万円、第2四半期は売上高が186億22百万円、営業利益が41億53百万円、経常利益が42億23百万円だった。

 23年3月期通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比0.5%増の764億円、営業利益が12.1%減の150億円、経常利益が11.6%減の155億円、そして親会社株主帰属当期純利益が25.7%増の120億円としている。配当予想も据え置いて22年3月期と同額の150円(第2四半期末75円、期末75円)としている。

 売上面は主力製品が薬価改定の影響を受けるが、原発性腋窩多汗症治療剤エクロックの伸長などで増収予想、営業利益と経常利益は研究開発費の増加(23.5%増の104億円の計画)などで減益予想、親会社株主帰属当期純利益は特別損失の一巡で増益予想としている。

 主要医薬品・医療機器の売上高計画(単体ベース)は一部を組み替えて、クレナフィンが0.8%減の183億円、アルツが6.6%減の176億円、セプラフィルムが2.0%増の86億円、フィブラストが4.7%増の29億円、エブランチルが3.3%増の20億円、エクロックが68.4%増の16億円、リグロスが16.3%増の10億円、ヘルニコアが31.2%増の5億円、ジェネリック医薬品が5.3%増の93億円としている。

■長期経営計画2031

 22年5月に2023年3月期から10か年の長期経営計画2031を発表している。

 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命に貢献し続ける企業、皮膚科・整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業を目指し、長期的課題を見据えた戦略として、研究開発では上市確度の向上、パイプラインの拡充、新規ニーズおよび海外展開への対応、新規分野へのチャレンジ、海外展開では海外展開品の充実、海外自社開発体制の整備、生産・海外自社販売体制の整備、農業事業では北米や新市場での伸長、EU市場への参入・拡大、日本国内での使用促進を推進する。また、経営基盤強化に向けて、プロフェッショナルとして新たな挑戦・変革を追求し続ける人材の育成、データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成、患者さんファーストのための製品価値最大化を推進する。

 業績目標としては32年3月期の売上高1000億円、営業利益285億円、ROE10%以上、海外売上高比率30%以上を掲げている。研究開発では10年間で8品目上市するためのパイプライン確保、毎年1品目以上の開発導入品あるいは販売提携品の確保を目指す。海外展開では医薬品の海外売上高比率25%以上を目指す。農業事業では、微生物由来の天然物質農薬ポリオキシンを中心に、農薬事業全体で売上高100億円を目指す方針としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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