株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2022年12月05日

インフォマートは下値切り上げ、22年12月期減益予想だが上振れの可能性

 インフォマート<2492>(東証プライム)はBtoBビジネスを革新する信頼のリーディングカンパニーを目指し、企業間の商行為を電子化する国内最大級のBtoB電子商取引プラットフォームを運営している。22年12月期は先行投資で減益予想としている。ただし第3四半期累計の利益は経費発生の期ズレも寄与して通期予想を大幅に超過達成した。第4四半期に経費増加を見込んでいるが、通期利益予想は再上振れの可能性がありそうだ。さらに外食産業における受発注の電子化、企業における請求書の電子化、23年開始のインボイス制度など、DXニーズが高水準に推移する見込みであり、先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く上値の重い展開だが、一方では徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。

■国内最大級のBtoB(企業間電子商取引)プラットフォーム

 企業間の商行為を電子化する国内最大級のBtoBプラットフォームを運営している。受発注は従来の電話やFAXによる受発注業務を電子化したシステム、規格書は食の安全・安心に関わる商品規格書を電子管理するツール、請求書は請求書発行・受取業務を電子化したシステム、商談は全国の食材売り手・買い手が商談できるマッチングサイト、契約書は契約書締結をブロックチェーン基盤上で電子化したシステムである。21年7月には全業界向け受発注BtoB TRADEをリリースした。

 21年12月期の売上構成比はBtoB−PF FOOD事業(受発注、規格書)が71%、BtoB−PF ES事業(商談、請求書、契約書)が29%、営業利益構成比はBtoB−PF FOOD事業が210%、BtoB−PF ES事業が▲110%だった。

 飲食店と食材卸・メーカー間のBtoB受発注を主力として、全業界を対象とするBtoB請求書も拡大している。21年6月にはBtoBプラットフォーム請求書が公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の電子取引ソフト法的要件認証制度第1号認証を取得した。22年7月にはBtoBプラットフォーム契約書がJIIMAの電子取引ソフト法的要件認証」「電帳法スキャナ保存ソフト認証」を取得した。22年10月にはBtoBプラットフォームTRADEがJIIMAの電子取引ソフト法的要件認証を取得した。

 22年9月にはBtoBプラットフォーム請求書が「BOXIL SaaS AWARD Autumn 2022」で「Good Service」に選出された。11月9日には、BtoBプラットフォーム請求書がアイティクラウド「ITreview Grid Award 2022 FALL」の2カテゴリ(請求書作成・見積書作成および請求書受領サービス)の内の4部門(総合部門、大企業部門、中堅企業部門、中小企業部門)において「Leader」を受賞したと発表している。

■26年12月期営業利益50億円目標

 中期業績目標に26年12月期売上高200億円、営業利益50億円を掲げ、成長に向けた積極投資と収益源多角化を推進している。5年間平均のCAGR(売上高成長率)は全社16%(FOOD事業8%、ES事業30%)としている。

 将来を見据えた仕掛けとして、既存システム使用料以外の多様な収益源確保(多業界受発注、フード業界縦横展開、海外進出など)や、次世代BtoBプラットフォーム構築に向けた最先端テクノロジーの研究にも取り組んでいる。

 20年8月には、電子インボイス推進協議会の趣旨に賛同し、10社と協力して電子請求書の普及に向けた活動を開始した。23年10月から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として、適格請求書保存方式(インボイス制度)が導入される。

 21年4月には、DX推進プロジェクト「Less is More.Project」を始動し、本プロジェクトの理念に賛同して共に活動する参画企業の募集を開始した。22年5月には経済産業省の「IT導入補助金2022」においてIT導入支援事業者として認定された。22年6月には一般社団法人日本飲食団体連合会(食団連)のオフィシャルパートナーに決定した。

 なおFood Techに特化した出資枠(ファンド)を設置し、20年6月にはAIを活用した飲食店向けの自動発注クラウドサービス「HANZO自動発注」を開発・提供するGoalsに出資して資本業務提携した。さらに22年6月にはGoalsに追加出資した。協業関係を一段と強化する。

■アライアンスを積極推進

 アライアンス戦略を積極推進している。21年2月には食品卸企業向け受発注・販促サービスのタノムと資本業務提携、21年3月には三井物産と共同出資で特別目的会社I&Mを設立し、中国フードテック企業のトップAcewillのグループ会社である博君と資本業務提携した。

 21年10月には串カツ田中ホールディングス<3547>と業務提携し、合弁会社Restartz(リスターツ)設立を発表した。外食産業の店舗運営の生産性向上を目指し、共同で店舗運営プラットフォームアプリ(仮称)等を開発する。

 21年12月には、BtoBプラットフォーム請求書と三谷産業<8285>のChalaza(カラザ)とのサービス連携を開始、食品関連事業者とフードバンク活動団体をBtoBプラットフォーム商談でつなぐフードバンクコーナーをオープン、請求書処理の業務プロセス改革を目的として鹿児島県奄美市と電子請求書(BtoBプラットフォーム請求書)の実証実験を開始した。

 22年4月にはプロダクト・データ・プラットフォームを開発・提供するLazuliに出資した。また、大塚商会<4768>とセールスパートナー契約を締結、野村證券とパートナー契約を締結した。22年5月には日本マルチメディア・イクイップメントとセールスパートナー契約を締結した。建設業界におけるバックオフィス業界のDX化を協働で推進する。22年6月にはデジタルインボイス構想の推進に向けてコンカーと協業した。

 22年7月にはNTT東日本のIT導入補助金コンソーシアムに参画した。22年9月にはBtoBプラットフォーム請求書とAmazonの法人・個人事業主向けEコマース「Amazonビジネス」のシステム連携を発表した。

 22年11月には、串カツ田中ホールディングスとの合弁会社Restartzが飲食店舗運営のDXを支援する店舗オペレーション管理アプリ「V−Manage」をリリースした。外食産業の店舗運営の生産性向上を目指し、共同で店舗運営プラットフォームアプリ(仮称)等を開発する。また、ソフトバンクグループのSB C&Sが幹事を務めるIT導入補助金コンソーシアムに参画した。

■利用企業数は増加基調

 売上高の約95%が月額システム利用料であり、利用企業数の増加に伴って収入が拡大するストック型収益モデルである。利用企業数は増加基調である。21年12月期末時点の全体の利用企業数は67万9684社、事業所数は130万9477事業所となった。21年1月〜12月の流通金額は18兆5006億円だった。国内最大級のBtoBプラットフォームである。

 21年12月期末時点の利用企業数の内訳を見ると、BtoB−PF FOOD事業の受発注買い手企業数は20年12月期末比316社増加の3439社、買い手店舗数は6310店舗増加の6万6010店舗、売り手企業数は2652社増加の4万120社となった。規格書の買い手機能は86社増加の892社、卸機能は12社増加の709社、メーカー機能は487社増加の8599社となった。

 BtoB−PF ES事業の請求書は有料契約企業数が1192社増加の6528社(受取モデルが678社増加の4192社、発行モデルが514社増加の2336社)で、請求書ログインは15万7488社増加の67万528社となった。契約書ログインは1万3870社増加の2万7296社となった。電子帳簿保存法改正による請求書電子化や「脱ハンコ」による契約書電子化の流れで、請求書と契約書が急増している。そして22年11月には請求書の利用企業数80万社を突破した。

 21年11月にはNEC<6701>にBtoBプラットフォーム請求書が採用された。また東京商工リサーチが実施した調査でBtoBプラットフォーム請求書が請求書クラウドサービス市場において国内シェアNO.1を獲得した。

 22年3月には三井住友フィナンシャルグループ、ワコールにBtoBプラットフォーム請求書が採用された。22年4月にはトヨタファイナンス、22年5月にはアイリスオーヤマ、22年6月には肥後銀行、叙々苑、サッポログループ物流、神戸市にBtoBプラットフォーム請求書が採用された。

 22年9月には日本最多のパチンコホール経営店舗数を誇るダイナムジャパンHDがBtoBプラットフォーム請求書を採用した。また乃村工芸社がBtoBプラットフォーム契約書を導入した。22年11月には大分県がBtoBプラットフォームTRADEとBtoBプラットフォーム請求書を採用した。また東洋水産がBtoBプラットフォーム請求書を採用した。大企業にとどまらず、地方自治体などにおける採用も進展している。

■22年12月期22年12月期減益予想だが上振れの可能性

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響なし、22年7月20日付で上方修正)は売上高が21年12月期比13.0%増の111億13百万円、営業利益が55.4%減の4億60百万円、経常利益が60.3%減の4億05百万円、親会社株主帰属当期純利益が47.4%減の2億83百万円としている。配当予想(22年7月20日付で上方修正)は、21年12月期比71銭減配の72銭(第2四半期末36銭、期末36銭)としている。

 サーバーコスト、人件費、販売促進費の増加など積極的な先行投資の影響で減益予想だが、売上原価におけるBtoBプラットフォーム請求書の手数料の未発生、販管費における人件費の未発生などにより、期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みとなった。

 修正後の通期セグメント別計画は、BtoB−PF FOOD事業の売上高が21年12月期比10.1%増の77億08百万円で営業利益が2.9%減の20億99百万円、BtoB−PF ES事業の売上高が20.1%増の34億05百万円で営業利益が16億39百万円の赤字(21年12月期は11億37百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計(1月〜9月)は、売上高が前年同期比12.8%増の80億67百万円、営業利益が20.5%減の7億23百万円、経常利益が26.2%減の6億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が17.4%減の4億84百万円だった。積極的な先行投資の影響で減益だが、売上面は利用企業数の増加で順調だった。

 売上高は、BtoB−PF FOOD事業が11.4%増の56億87百万円、BtoB−PF ES事業が16.3%増の23億80百万円だった。BtoBプラットフォーム受発注は、フード業界の買い手企業(外食チェーン、ホテル、給食、テイクアウト・デリバリー等)および店舗の新規契約数が増加し、コロナ禍に伴う規制が解除されて食材流通金額が増加したことも寄与した。BtoBプラットフォーム請求書は新規有料契約数が順調に増加した。なお、全社ベースの利用企業数は前年同期比23.4%増の79万1016社、事業所数は19.7%増の148万6073事業所となった。

 利益面では、サーバー体制強化に伴うデータセンター費の増加(5億92百万円増加)に加えて、稼働業務の外注化に伴う支払手数料の増加、事業拡大に向けた営業および営業サポート人員の補強による人件費の増加、積極的なマーケティングによる販売促進費の増加などの影響で減益だった。ただしデータセンター費やソフトウェア償却費の発生の期ズレ、販管費における販売促進費や支払手数料の発生の期ズレなどにより、各利益は計画に比べて上振れて着地した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が25億60百万円で営業利益が1億83百万円、第2四半期は売上高が27億23百万円で営業利益が2億58百万円、第3四半期は売上高が27億84百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期予想は据え置いている。売上面は新規契約数の増加や食材流通金額が増加などで増収だが、売上成長の加速を優先して積極的な先行投資を継続するため、利益面はサーバーコスト、人件費、販売促進費の増加など積極的な先行投資の影響で減益予想としている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が72.6%、営業利益が157.2%、経常利益が167.8%、親会社株主帰属当期純利益が170.8%と、経費発生の期ズレも寄与して利益は通期予想を大幅に超過達成している。第4四半期に経費増加を見込んでいるが、通期利益予想は再上振れの可能性がありそうだ。

 さらに、外食産業における受発注の電子化、企業における請求書の電子化、23年開始のインボイス制度などのDXニーズも背景として、先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は反発力が鈍く上値の重い展開だが、一方では徐々に下値を切り上げている。そして週足チャートで見ると26週移動平均線を突破している。調整一巡して出直りを期待したい。12月2日の終値は451円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円24銭で算出)は約364倍、今期予想配当利回り(会社予想の72銭で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS49円59銭で算出)は約9.1倍、時価総額は約1170億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:52 | アナリスト水田雅展の銘柄分析