■外国人投資家の決算対策売り一巡で底打ち、夏相場は再び日経平均1万6000円に

――予想外に大きく下げました。
【海老原氏】 前週23日に日経平均が1100円を超える下げとなったときに証券会社の店頭にいました。わずか3分で1000円も下げるということは、私の経験からはなかったことです。明らかに、コンピューターによる超高速売買のなせる業だと思います。東証のカタを持つわけではありませんが、今や高速取引は世界の常識でしょうから日本が遅れるわけにはいかないと思います。
――今回も外国勢にやられたということでしょうか。
【海老原氏】 上にも下にもNYダウが動けば東京市場も写真相場のように動くということがあると思います。シガゴ先物を高くしたり、安くしたりすることで、あるていど東京マーケットに影響を与えることはできます。今回は海外ファンドの決算ということが強く作用したと思われます。昨年秋からの上昇で、日本株に対する含み益は大きく増えていると思いますが、含みはあくまで含みであり、決算ということから実現益を出したかったのだろうと思われます。アべノミクスに対する評価から外国人投資家は、また買ってくると思います。
――日経平均は、これ以上、大きくは下げない?
【海老原氏】 決算対策売りは今日あたりで一巡とみられます。ただ、日本の投資家には信用買いを膨張させていたため、この処分売りが予想されます。それを見込んでも日経平均の下値は1万3500円までだろうとみています。
――夏相場はいかがでしょうか。
【海老原氏】 日経平均の下値は1万3500円、上値は1万6000円とみています。円安がどこまで続くかは注目点ですが、2014年3月期について多くの有力企業は1ドル・90円で予算を組んでいますから、これからアナリストの強めのレポートが出始めると思います。その意味ではアナリストレポートに注目しておくことが大切でしょう。敢えて、夏対応銘柄ということなら、iPS関連、農業関連、猛暑関連といったところではないでしょうか。
――高速売買時代に個人投資家はどうすればよいでしょう。
【海老原氏】 コンピュータによる1秒間に何度も売買をするような取引には個人は無理です。しかし、個人の方でも以前と違って、最近はネットを活用され1日間で何回も売買されるようになっています。ただ、現物中心に取引される投資家に対しては、なんらかの配慮があってもよいと思います。たとえば、配当金に対し、所有期間が長い場合は配当金を増やすといったことも考えるところに来ているのではないでしょうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:52
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