[小倉正男の経済コラム]の記事一覧
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記事一覧 (12/05)【小倉正男の経済コラム】中国・バブル崩壊 生産者物価がマイナスに転落
記事一覧 (11/23)【小倉正男の経済コラム】米国 大幅利上げで景況悪化だが強い消費
記事一覧 (11/15)【小倉正男の経済コラム】米国 インフレにも経済の厚みと凄み
記事一覧 (10/19)【小倉正男の経済コラム】プーチン大統領「控えめにいっても不愉快」の苦境
記事一覧 (10/12)【小倉正男の経済コラム】苦境のプーチン大統領 歴史は韻を踏むのか
記事一覧 (09/23)【小倉正男の経済コラム】関ヶ原の戦い 毛利輝元は「利益相反」戦略で破綻
記事一覧 (09/15)【小倉正男の経済コラム】関ヶ原の戦い 吉川広家は三万の兵を南宮山に“足止め“
記事一覧 (08/25)【小倉正男の経済コラム】「ジャクソンホール講演」利上げはデータ次第
記事一覧 (08/07)【小倉正男の経済コラム】設備投資:半導体、EV関連で活発化
記事一覧 (07/24)【小倉正男の経済コラム】日本で8〜9%インフレになったらパニックか?
記事一覧 (07/14)【小倉正男の経済コラム】「アベノミクス」依存〜継続か離脱か
記事一覧 (06/16)【小倉正男の経済コラム】マイナス金利・円安・補助金、保護はアニマルスピリット(野生)を殺す
記事一覧 (06/11)【小倉正男の経済コラム】アップルが中国離れ、「ゼロコロナ」でリスク極大化
記事一覧 (05/23)【小倉正男の経済コラム】ウクライナ侵攻は「サプライチェーンの戦争」
記事一覧 (04/27)【小倉正男の経済コラム】「スタグフレーション」の兆候、「需要不足」が根本原因
記事一覧 (04/12)【小倉正男の経済コラム】「大ロシア主義」プーチン大統領の暴走を止める者たち 「東部ドンバス」が趨勢を決定
記事一覧 (04/05)【小倉正男の経済コラム】ウクライナ侵攻、プーチン大統領は大誤算の果て「ドンバス決戦」
記事一覧 (03/17)【小倉正男の経済コラム】「プーチンの戦争」ロシアは兵站に欠陥という致命的な誤算
記事一覧 (03/10)【小倉正男の経済コラム】「飢餓輸出」というウクライナが経験した過酷な歴史
記事一覧 (02/20)【小倉正男の経済コラム】なぜ日本の平均所得(平均賃金)は上がらないのか?
2022年12月05日

【小倉正男の経済コラム】中国・バブル崩壊 生産者物価がマイナスに転落

■「習近平下台」ゼロコロナへの反乱

kk1.jpg 「ワールドカップ」で世界はサッカーに“発狂”している。そうしたお祭は嫌いではない。その喧噪にややかき消されているが、中国が大変なことになっている。

 ゼロコロナに反発して「習近平下台(辞めろ)」「共産党下台(辞めろ)」「自由が欲しい」と大規模デモが各都市に広がっている。厳重に統制されている国民が、身の危険をかえりみず異議を唱えるのは天安門事件(1989年)以来のことだ。“息苦しさ”にもう黙ってはいられないという行動にみえる。

 天安門事件は、民主化を求めた学生などエリート層を中心にした反乱だったが、今回は若い人たちを中心に国民の多数がゼロコロナという国家統制に憤っている。天安門事件では、実権を握っていたケ小平がデモ弾圧を命じたといわれている。天安門事件では「死者3000人(推定)」という凄まじい制圧が行われ、中国共産党の一大汚点となっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | 小倉正男の経済コラム
2022年11月23日

【小倉正男の経済コラム】米国 大幅利上げで景況悪化だが強い消費

■ようやく消費者物価、卸売物価とも低下

kk1.jpg 米国の消費者物価指数(CPI)だが、10月は前年同月比7.7%増(事前予想8.0%増)と伸び率を鈍化させている。10月の卸売物価指数(PPI=生産者物価指数)も前年同月比8.0%増(事前予想8.3%増)と伸び率はようやく低下の傾向をみせている。

 消費者物価、卸売物価ともほぼ軌を同じくするトレンドとなっている。ピークは6月の消費者物価9.1%増、卸売物価11.3%増。10月の消費者物価はなんとか伸び率8%を割り込み、卸売物価も同じ趨勢といえる。物価の大幅高騰はようやく峠を越えたかのようにみえる。

 「景気よりインフレ」と物価抑制を最重点とする連邦準備制度理事会(FRB)の急ピッチな連続大幅利上げが景気を抑え込んでいる。連続大幅利上げで景気(需要)を抑え込めば、経済の循環が悪くなり雇用、所得などに傷みが走る。だが、例え痛みがあってもインフレを削ぎ落とすには景気の過熱を冷やす必要があるというわけである。

■10月小売売上高は大幅贈

 ところが、10月の小売売上高は前月比1.3%増(事前予想1.0%増)となっている。9月の小売売上高は0.0%と横ばいだったが、10月は大幅増に転じている。年末セールを前倒しにしたアマゾンなど流通各社の「大規模セール」が寄与したといわれている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 22:56 | 小倉正男の経済コラム
2022年11月15日

【小倉正男の経済コラム】米国 インフレにも経済の厚みと凄み

■インフレは徐々に緩和の兆し

kk1.jpg 米国の中間選挙では、バイデンVSトランプにばかり焦点が当てられている感がある。「バイデン大統領は大きく負けたわけではないからむしろ勝利だ」「トランプ前大統領は不正選挙だと周囲に怒鳴り散らしている」――。両者とも次期大統領選挙を睨んでいるのだが、普通の国民からしたら猛烈な物価高(インフレ)のほうが生活面でリアルな争点であるのは間違いない。

 米国の消費者物価指数(CPI)だが、10月は前年同月比7.7%増となっている。消費者物価指数は6月9.1%増とピークをつけたが、7月8.5%増、8月8.3%増、9月8.2%増と4カ月連続で低下している。確かにインフレは高止まりから、ようやく緩和の兆しが現れてきている。

 9月はガソリン、食料品の上昇率がやや鈍化をみせた。だが、サービス価格が騰がり続けている。住居費の上昇が止まらない。医療、輸送などが上昇している。10月にはガソリン価格がピークアウト、食料品も低下している。サービスでは中古車販売、医療など低下している。ただ、住居費は依然上昇し、ホテル宿泊費は大幅高騰となっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:48 | 小倉正男の経済コラム
2022年10月19日

【小倉正男の経済コラム】プーチン大統領「控えめにいっても不愉快」の苦境

kk1.jpg ウクライナの反転攻勢が凄まじい。9月以降、ウクライナは東部、南部で627集落を奪還したと発表している。ハルキウ州502、ドネツク州43,ルハンシク州7、ヘルソン州75集落がその内訳である。

 ゼレンスキー大統領は、「領土の一体性を回復する」と宣言。東部、南部、そしてクリミアのすべてを奪還するとしている。「勢い」はウクライナに傾いている。

■「控えめにいっても不愉快」と心境を晒す

 一方のプーチン大統領だが、さすがに苦境を認めている。
 旧ソ連の構成国による独立国家共同体(CIS)首脳会議でのロシアメディアとの一問一答、そのやり取りが興味深い。

 「プーチン大統領、後悔していませんか」
 メディアの質問は、ウクライナ東部、南部でのロシアの電撃的な敗退を指している。ズバリ、肺腑をえぐるような問いをシレっと投げかけている。ロシアはすでに9万人という膨大な兵員死傷者を出している。国民から反感を惹起する「部分的動員令」発令に追い込まれ、通貨・株式・国債のトリプル安に陥っている。

 「いや、はっきりさせておきたい。いま起こっていることは控えめにいっても不愉快だ。しかし、遅かれ早かれ同じことが起きていたし、最悪の状況になっていただろう」

 プーチン大統領は「後悔」を否定している。確かに「後悔している」とは、仮に思っていたとしても吐けない。ただ、(こんなはずではなかった)という感は拭えない。百戦錬磨のプーチン大統領にしては、絶対に見せないはずの心境を晒した発言といえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:32 | 小倉正男の経済コラム
2022年10月12日

【小倉正男の経済コラム】苦境のプーチン大統領 歴史は韻を踏むのか

■腐肉で始まった「戦艦ポチョムキンの反乱」

kk1.jpg 『戦艦ポチョムキン』(セルゲイ・エイゼンシュテイン監督=1925年制作公開)というサイレント映画がある。1905年、ロシア黒海艦隊の新鋭戦艦ポチョムキンで起こった水兵たちの反乱を描いている。

 日露戦争(1904〜1905年)の日本海海戦でロシアバルチック艦隊は壊滅している。戦艦ポチョムキンの反乱事件は、その日本海海戦の1カ月後のことである。いわばロシアの敗色がいよいよ濃厚になってきた日露戦争末期に勃発している。

 水兵たちの反乱は腐った肉をきっかけに起こっている。ウジ虫が湧いた肉でつくったボルシチに水兵たちは抗議したが、将校は水兵を処刑した。水兵たちはこれに怒って一斉蜂起したという出来事である。ロシアの第1次革命期を象徴する事件が、戦艦ポチョムキンの反乱といえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:24 | 小倉正男の経済コラム
2022年09月23日

【小倉正男の経済コラム】関ヶ原の戦い 毛利輝元は「利益相反」戦略で破綻

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■南宮山の何とも不思議な展開

 南宮山麓にあるのが「南宮大社」(美濃一の宮=岐阜県不破郡垂井町)。

 「関ヶ原の戦い」では、南宮山に東軍の毛利勢が陣を築いた。南宮大社の近くの麓に先手の吉川広家、その上の南宮山登り口に安国寺恵瓊、さらに登った山稜に西軍総大将である毛利輝元の名代・毛利秀元が毛利本軍を率いて陣を構えている。

 毛利勢は総勢二万余。その背後には長束正家、長宗我部盛親が布陣、これを加えれば三万に迫る軍勢になる。毛利勢が動けば長束、長宗我部もすぐに連携して撃って出る体勢となっている。

 慶長5年(1600年)9月15日早朝、関ヶ原で合戦の火蓋が切られている。大垣城を背にして南宮山を越えた所に広がる関ヶ原では一進一退の激戦が繰り広げられている。石田三成など西軍は総じて笹尾山など高地に陣を取っており、襲いかかってくる福島正則、井伊直政など東軍を押し返している。

 しかし、東軍を率いる徳川家康が本陣を構える桃配山の背後に聳える南宮山は、吉川広家が毛利、長束、長宗我部など西軍を抑えて動かないでいる。桃配山本陣の東軍後詰めは池田輝政、浅野幸長、山内一豊、蜂須賀至鎮などが中山道沿いを毛利勢に備えている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:26 | 小倉正男の経済コラム
2022年09月15日

【小倉正男の経済コラム】関ヶ原の戦い 吉川広家は三万の兵を南宮山に“足止め“

■石田三成に勝つチャンスはなかったか

 「関ヶ原の戦い」は、慶長5年(1600年)の旧暦9月15日に行われている。

 「西軍を実質的に率いた石田三成は、幼君(豊臣秀頼)でも群臣がまとまれば天下を治めることができるという考え方。東軍の総大将の徳川家康は、天下は力ある者の回り持ちという考え方だ。信長、秀吉もそれをやった、と。それがぶつかったのが関ヶ原の戦い」
 小和田哲男・岐阜関ヶ原古戦場記念館館長はそう説明している。

 名刺交換の立ち話で小和田哲男先生に、「関ヶ原の戦いで石田三成に仮に勝機があったとすれば、どういう局面でどうすることが必要だったか」とお伺いした。関ヶ原以外に戦場を設定するというやり方もあるが、関ヶ原しか決戦の場がないとしても石田三成に勝つチャンスはなかったか。

 小和田哲男先生は、「大阪城に籠もっていた西軍総大将の毛利輝元を関ヶ原の戦いに引っ張り出していたら、結果は違っていたかもしれない」と。

 ほとんど間髪を入れないでの答えであり、石田三成が形勢逆転する可能性は乏しいにしても“毛利輝元を関ヶ原に持ってくる”、それが唯一の方策だったという響きだった。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:40 | 小倉正男の経済コラム
2022年08月25日

【小倉正男の経済コラム】「ジャクソンホール講演」利上げはデータ次第

■総合購買担当者指数はさらに低下

kk1.jpg 米国の総合購買担当者指数(PMI)だが、8月速報は45・0となり2カ月連続で50を下回っている。7月に好況・不況の分かれ目といわれる50を割り込んだが、8月はさらに低下している。

 総合購買担当者指数は、一般に景気先行性が高い指標といわれている。製造業、サービス産業とも購買担当者に代表される企業心理は、利上げなど金融引き締めから縮小に転じているようにみえる。とりわけ、サービス産業が低調に転じている。

 生産者物価指数は、7月に前年同月比9・8%上昇にとどまっている。前月比では0・5%低下した。久々の低下で、ガソリン価格などの低下、サプライチェーン正常化が寄与しているといわれている。消費者物価のほうは、7月は前年同月比8・5%上昇、家賃、外食などの高騰が影響している。だが、消費者物価も6月の9・1%上昇に比べるとやや緩和されている。

 7月はインフレのピークになるとみられていたが、インフレの勢いが少し弱くなっている。インフレのピークは越えたようにみえないではない。しかし、依然として高止まりしている。ただ、一方で景気のほうは頭を打って後退の兆しが現れているようにもみえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:52 | 小倉正男の経済コラム
2022年08月07日

【小倉正男の経済コラム】設備投資:半導体、EV関連で活発化

■設備投資は自己資金、あるいは借入金で?

kk1.jpg 配管工事のある有力企業なのだが、用地を取得し資材加工工場、研究開発センターなどをつくると発表した。優良企業であり、内部留保(利益剰余金)は、その企業の時価総額を少し上回る金額となっている。

 工場用地取得、そして工場、研究開発施設建設も「すべて自己資金で賄う」としている。企業サイドの経営者たちとしたら、自己資金で設備投資ができるというのはきわめて素晴らしいというか、世間から評価される、褒められるという認識にほかならない。

 ところが株主総会で、「設備投資は自己資金ではなく借入金で行うべきだ。自己資金というのはそもそも株主資本であり、本来は配当、自社株買いなど株主還元に廻すべき」という株主提案があったというのである。もちろん、その提案は却下されているのだが。

 いやはや日本の株主総会もそこまで来ている。やはり主力工場老朽化で新工場建設構想を進めている他の企業も「当社もそういう提案、要求があるのではないかと懸念している」と。内部留保が充分であり、自己資金で設備投資に踏み切る企業が続出している。経営サイドと株主サイドの立場の違いではあるが、設備投資は自己資金で行うか、借入金で行うか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50 | 小倉正男の経済コラム
2022年07月24日

【小倉正男の経済コラム】日本で8〜9%インフレになったらパニックか?

■米国はインフレ直撃だが消費は順調

kk1.jpg 米国の小売売上高だが、6月は前月比1%増と順調な動きをみせた。ガソリンが高止まりしているが、在庫不足が解消された自動車販売が好転している。家電製品なども需要が堅調で、バー・レストランなどサービス産業への消費も悪くはなかった。

 6月の消費者物価指数は前年同月比9・1%増(5月8・6%増)と40年ぶりの異常な高騰を記録している。インフレに直撃されているわけだが、案外なことに米国の消費は底堅さを示している。雇用増、賃金アップなどが消費を下支えしている格好だ。

 前月の5月の小売売上高は0・3%減(当初0・1%減と発表されたが0・3%減に改訂)であり、景気後退が強く意識された。大幅利上げの動きも相まって米国景気について悲観論が大きく浸透することになった。

 しかし、6月の小売り(消費)の健闘は、インフレへの抵抗をみせた格好になる。いわば、米国景気の決定要因である消費が簡単にインフレに屈するわけではないという傾向を示したことになる。6月もそうだったが、あるいは7月がインフレのピークになるという見方が根強いが、果たして米国の景気はどうなるか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:10 | 小倉正男の経済コラム
2022年07月14日

【小倉正男の経済コラム】「アベノミクス」依存〜継続か離脱か

■支払い金利は極小化

kk1.jpg 銀座、新橋などの目抜き通りを歩いてみたら、もう何年も以前からのことらしいのだが大手銀行の路面店が消えている。おそらく元の路面店の周辺なのだろうが、銀行店舗は近隣のビルの何階かに移転したということである。確かに、郊外でも駅前から銀行路面店は消え、駅から離れたビルの上階フロアに移転している。

 金融の異次元緩和、ゼロ〜マイナス金利が9年ほど継続している。以前には、企業各社は金利支払いで赤字化し、倒産したりしたものだが、支払い金利というコスト負担は極限まで軽減されている。反面では何もなすことなく、といえば語弊があるが貸し出しで巨額収益を稼いでいた銀行の路面店が目抜き通りから去っている。

 ある大手機械企業A社の決算でみると、A社の有利子負債は1070億円だが支払い金利は13億円に収まっている。同様に中堅機械企業のB社でみると、170億円の有利子負債で支払い金利は2・2億円である。A社、B社とも実質的な支払い金利負担率は1・2%内外。企業は普通にやっていれば、金融超緩和により収益が生み出される構造になっている。

 新型コロナ禍下の2021年度の税収だが、法人税、所得税、消費税の「基本3税」が伸長している。法人税が伸びているのだから、企業でいえば収益が増加していることになる。もちろん、企業収益のなかには「雇用調整助成金」など補助金の注入も含まれている。国としても、金利安、円安、そして補助金給付などを何とか複雑にやりくりを繰り返しながら、税収を上げている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:44 | 小倉正男の経済コラム
2022年06月16日

【小倉正男の経済コラム】マイナス金利・円安・補助金、保護はアニマルスピリット(野生)を殺す

■何故、日本は補助金行政になるのか

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 日本の失業率だが2・5%(4月)と、一見すると凄まじい優等生ぶりである。金融ではマイナス金利、為替は超円安である。それでは株価は上昇しているのかといえば、その反対で極端な低下となっている。

 ある音響関連機械企業の事例だが、この企業は雇用調整助成金4億円を計上している。雇用調整助成金という補助金が経常利益の25%を占めている(2021年度)。

 コロナ禍の極端な事例とはいえるが、補助金が失業率の低さを裏側で支えている。「社内失業」、仕事がない社員を企業内に置いている。異様な失業率の低さは維持されている。もっとも企業サイドは、「コロナ禍に直撃されており、補助金でも何でももらえるものはもらって生き残るのが先決」と必死である。

 役人OBの同級生と一杯やった時に「何故、日本は補助金行政ばかりをやるのか」という話になった。「それは政治家にとっても役人にしても何かと都合がよいからだ」。それがアンサーだった。なるほど補助金なら選挙で票につながるかもしれない。業界団体などに再就職(天下り)の地ならしになる可能性もありうる。そういえば身近にも「GoToイート」、「県民割」そして「GoToトラベル」(7月再開意向)と飲食、旅行などにも継続的に補助金が出ている。石油元売りへの「ガソリン補助金」もある。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:36 | 小倉正男の経済コラム
2022年06月11日

【小倉正男の経済コラム】アップルが中国離れ、「ゼロコロナ」でリスク極大化

■長期ロックダウンでGDP(4〜6月)はマイナス成長

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 中国経済が分岐点に立っている。あるいは、曲がり角を迎えているといったほうがよいかもしれない。

 中国のGDP(国内総生産)だが、1〜3月は実質成長率で4・8%増(前年同期比)だった。不動産開発投資が一服状態に入っているが、消費、民間投資などが順調だった。だが、3月には消費が急減速し、飲食などが大幅なマイナスに転じている。この時期、新型コロナ感染症が徐々に都市部に浸透し始めたことを示している。

 4〜6月のGDPは、マイナス成長に陥るという見方が出ている。「ゼロコロナ政策」による上海など各都市・地域の長期ロックダウン(都市封鎖)が本格化し、経済そのものが停止したためである。

 日本の自動車産業なども上海などから部品供給が止まり、国内工場の操業を一時的に休止する動きが表面化している。6月には上海などのロックダウンが解除された。だが、中国の長期ロックダウンは、中国に集中しているサプライチェーンが寸断され、機能不全に陥るというリスクを顕在化させた。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:49 | 小倉正男の経済コラム
2022年05月23日

【小倉正男の経済コラム】ウクライナ侵攻は「サプライチェーンの戦争」

■自由貿易主義に経済安全保障のタガをはめる

kk1.jpg バイデン大統領が主導する「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)立ち上げが表明された。中国を意識した通商枠組みであり、参加国が半導体などサプライチェーン(供給網)について情報を交換し有事には協力して対応するとしている。

 その中国は「特定の国を排除するなら正しい道を外れている。米国がなすべきことは自由貿易のルールに従って行動することだ」(王毅外相)と牽制している。

 いわば、IPEFは中国外しの経済圏構想であり、サプライチェーンに経済安全保障のタガがはめられている。有事となれば、中国とのサプライチェーンは遮断される。あるいは、平時においても中国とのサプライチェーンは見直され、極端な依存関係は是正される方向とみられる。

 自由貿易主義は、米ソ冷戦終了後に戦争がないことを前提に世界を覆った経済システムである。冷戦時には、中国は国を閉鎖しており、入国することさえ困難だった。冷戦が終わって米欧、それに日本などが中国の安い労働力を狙ってサプライチェーンに組み込んでいった。労働力だけではない。人口の多さは巨大なマーケットを意味するから、魅力はそれなりに十分だった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:01 | 小倉正男の経済コラム
2022年04月27日

【小倉正男の経済コラム】「スタグフレーション」の兆候、「需要不足」が根本原因

■企業物価は「第3次オイルショック」、消費者物価は控えめなインフレ

kk1.jpg 世界はすでにインフレに覆われている。米国などが典型的であり、3月の消費者物価は前年同月比8・5%アップと40年ぶりの高騰となっている。しかし、日本のインフレは異様な展開となっている。

 日本の消費者物価は、4月に製品値上げが顕著になってきたが米国のインフレに比べると相当にマイルドだ。需給ギャップでいうと日本は「需要不足」、企業サイドの供給過剰が否定できない。つまり、企業各社は原材料高騰をフルに価格転嫁=値上げできていない。企業経営としては、フル価格転嫁したいが実現は困難と判断している。一応値上げはしたものの小幅にとどまっている。いわば様子を見ながらチャンスを捕まえて、小刻みに再度の値上げを狙う意向である。「川下」の消費者物価はまだインフレになりきれないでいる。

 企業物価指数(企業間で取引される物価指数)は、1月9・2%、2月9・7%、3月9・5%(前年同月比)と異常な高騰が続いている。企業物価は、原材料などの高騰が反映され、インフレはすでに昨年から爆発している。2月9・7%、3月9・5%アップは「第2次オイルショック」直後の1981年以来でトップ1位、同2位の上昇率である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:08 | 小倉正男の経済コラム
2022年04月12日

【小倉正男の経済コラム】「大ロシア主義」プーチン大統領の暴走を止める者たち 「東部ドンバス」が趨勢を決定

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■ドネツ炭田発見、ドンバス地方は「産業革命」の地に発展

 ロシアのウクライナ侵攻はすでに8週目だ。ロシアは戦力を再編しドネツク州、ルハンシク州の東部ドンバス地方に振り向けている。ロシアの戦車、装甲車、兵員の損害もすでに相当に深刻だが、ウクライナ政府高官筋は「東部ドンバス地方で今後2週間にわたり次の段階の趨勢を決定的に左右する重大な戦いが起こる」としている。

 そのドンバス地方だが17世紀後半にコサックが定住するまで無人の荒野が無限に広がる地域だった。帝政ロシアの18世紀にドンバス地方で世界有数といわれるドネツ炭田が発見されている。「大帝」の呼称があるエカテリーナ2世の時代に重なるのだが、帝政ロシアはウクライナ、ポーランドを制圧してロシアの領土を拡大している。エカテリーナ2世はドンバス地方、さらにオスマントルコの勢力と戦ってクリミア半島を制圧し黒海、アゾフ海にまで領土を広げている。

 クリミア半島では、オスマントルコに保護・支援されていたモンゴル族の「クリミア・ハン国」を滅亡させている。ドンバス地方は石炭に加えて鉄鉱石鉱山も発見され、19世紀になると採炭、採鉱、冶金など工業が本格的に開始されている。当時でいえば石炭は戦略商品そのものといえる燃料で、工場の機械設備、鉄道、艦船などいずれも石炭がないと動かせなかった。炭田発見は重要な意味を持ったわけである。ドンバス地方は、甚だしく後手に廻っていた帝政ロシアの国家的使命である「産業革命」の地となり、工業地帯になっていった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | 小倉正男の経済コラム
2022年04月05日

【小倉正男の経済コラム】ウクライナ侵攻、プーチン大統領は大誤算の果て「ドンバス決戦」

■ロシアはキーウ(キエフ)は断念、東部ドンバスに集中

kk1.jpg ロシアのプーチン大統領は、「(停戦、首脳会談について)まだ機は熟していない」と発言している。イタリアのドラギ首相は、ウクライナ侵攻について速やかな停戦とウクライナ・ゼレンスキー大統領との首脳会談を働きかけた。しかし、プーチン大統領は「停戦のための条件はまだ熟していない」と否定している。(3月31日・電話会談)

 その前日の3月30日ロシア国防省は、「キーウ、チェルニヒウの部隊を再編成してウクライナ東部ドンバス地方を解放する作戦に集中する」と発表している。平然と虚偽情報を流すロシアだが、東部のドンバス地方すなわちドネツク、ルハンシク(ルガンスク)に戦力を集中するとしている。

 首都キーウを陥落させるというロシアの当初の戦略目標は断念・放棄した格好といえる。プーチン大統領としては手酷い大誤算だが、ドンバス地方に集中して侵攻を再編・巻き返すのが狙いとみられる。“停戦の機が熟すのはその後”というのがプーチン大統領の計算になる。ただし、キーウのゼレンスキー大統領がドンバス地方に兵力を集中させないためにロシアはキーウを再度狙うという構えだけは残している。大枠そうした構図にみえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:20 | 小倉正男の経済コラム
2022年03月17日

【小倉正男の経済コラム】「プーチンの戦争」ロシアは兵站に欠陥という致命的な誤算

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■米国、NATOともクリミア侵攻・併合時は見て見ぬフリ

 2014年3月、プーチン大統領のロシアはクリミアに軍事侵攻、当時ウクライナ領とされていたクリミア半島を一方的に併合した。このコラムでは、「ウクライナ軍事介入はロシアの”ストーカー行為“」「ウクライナが嫌悪する”ロシアのくびき“」(14年3月)「振り返れば”財政の崖“オバマ大統領の内向き行動」(14年同4月)など関連記事3〜4本が掲載されている。

 いまの「プーチンの戦争」と14年のウクライナとロシア、それに米国、NATO(北大西洋条約機構)の対立する構図は大枠では変わっていない。その前年の13年9月、米国のオバマ大統領は「アメリカは世界の警察官ではない」と演説した。シリアのアサド政権が化学兵器を使用、ところがオバマ大統領は一旦決意したシリア空爆を回避すると表明した。オバマ大統領の翻意は財政面(巨額財政赤字)からの制約であると説明されている。

 プーチン大統領のクリミア侵攻は、米国、NATOの「宥和策」を見越したうえで実行されている。14年には米国,EU(欧州連合)がロシアに経済制裁を行ったが、ほとんど形だけのものだった。ロシアのクリミア半島併合を黙認、見て見ないふりをした。当時、ロシアはウクライナ国境で大規模軍事演習を実施しているとして居座り続けた。しかし、オバマ大統領は「ウクライナで軍事行動に関与しない」と早々に表明した。(14年コラム参照
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:38 | 小倉正男の経済コラム
2022年03月10日

【小倉正男の経済コラム】「飢餓輸出」というウクライナが経験した過酷な歴史

■ゼレンスキー大統領が表明した中立化の条件

kk1.jpg ウクライナのゼレンスキー大統領・与党「国民の奉仕者」はロシアが要求する中立化について「米国、欧州にロシアを加えた周辺諸国が安全保障を確約することを条件にNATO(北大西洋条約機構)早期加入を断念することもあり得る」と表明した。(3月8日・タス通信)

 難物中の難物であるロシアのプーチン大統領だから何を言い出すかわからない。とんでもない条件を打ち出す可能性が十分にあり得る。しかし、このあたりが現実的な落としどころ、あるいは少なくとも落としどころの切り口になるのではないか。大変甘いかもしれないが、「プーチンの戦争」を一刻も早く停止させ、平和の方向に向かってほしいものである。

■「飢餓輸出(きがゆしゅつ)」という過酷な経験

 ロシアとウクライナの近代史で避けて通れないのがスターリンの「飢餓輸出(きがゆしゅつ)」である。

 レーニンの「ロシア革命」(1917年)でソビエト政権が樹立されたが、経済は内戦もあって破綻状態に陥っている。1921年にネップ(新経済政策)がレーニン、ブハーリンの主導で採用され、部分的に市場経済が認められた。中国の「社会主義市場経済」のようなもので、資本主義(市場経済)を国家管理の枠組みの下に公認したわけである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:17 | 小倉正男の経済コラム
2022年02月20日

【小倉正男の経済コラム】なぜ日本の平均所得(平均賃金)は上がらないのか?

■平均所得がピークを付けたのは1997年

kk1.jpg このところ、枕詞のように「日本の賃金が25年の長きにわたって上がっていない」と報道されることが一般的になっている。確かに、それは間違いではないのだが、正確にいうと「平均所得」、あるいは「平均賃金」が上がっていないということを指している。賃金が上がっていない、それと平均賃金が上がっていないとでは、中身が少し異なる。

 日本の平均所得(平均賃金)がピークだったのは1997年である。山一証券、北海道拓殖銀行などが破綻したのが97年である。世界的にはこの年にアジア通貨危機が勃発している。日本経済にとっては“地獄の道行き”がスタートした年に奇しくも平均所得はピークアウトしたわけである。

 91〜92年から「バブル崩壊」が始まっていたが、いよいよ崩壊が顕在化したのが97年である。賃金のほうは過去からの“慣性”で形としてピークを付けたが、ついにカタストロフィー(大破局)を迎えたわけである。金融機関の破綻・倒産が表面化し、大手企業の多くが大規模な人員整理といったリストラに乗り出したのがこの97年である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:50 | 小倉正男の経済コラム