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[小倉正男の経済コラム]の記事一覧
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記事一覧 (02/26)【小倉正男の経済羅針盤】中国のバブルは「200年に一度のスケール」
記事一覧 (01/25)【小倉正男の経済羅針盤】アメリカの利上げと円高
記事一覧 (01/20)【小倉正男の経済羅針盤】ひとつの時代の終焉=米国の利上げと中国の低迷
記事一覧 (12/24)【小倉正男の経済羅針盤】ICT、IoTと産業革命の手のひら
記事一覧 (12/14)【小倉正男の経済羅針盤】新年はコーポレート・ガバナンス元年
記事一覧 (11/25)【小倉正男の経済羅針盤】「一億総活躍」は本当に本気といえるのか
記事一覧 (11/04)【小倉正男の経済羅針盤】日韓首脳会談=外交の無礼は高く付く
記事一覧 (10/26)【小倉正男の経済羅針盤】中国版『喪失の時代』は長期化が不可避、潰れるしかない中国のバブル
記事一覧 (10/13)【小倉正男の経済羅針盤】政局より「GDP600兆円」「1億総活躍」具体化こそ緊急課題
記事一覧 (09/28)【小倉正男の経済羅針盤】GDP600兆円、後から中身は付いてくるか
記事一覧 (08/30)【小倉正男の経済羅針盤】中国バブル崩壊とアメリカ利上げの行方
記事一覧 (08/24)【小倉正男の経済羅針盤】世界経済デフレ化=白馬の騎士は不在
記事一覧 (08/15)【小倉正男の経済羅針盤】『談話』は終わった、経済に戻れ
記事一覧 (07/10)【小倉正男の経済羅針盤】「リキャップCB」、問われるのは本質的なROE改善
記事一覧 (06/24)【小倉正男の経済羅針盤】初代・諸戸清六は情報で生き残った
記事一覧 (06/04)【小倉正男の経済羅針盤】「コーポレートガバナンス・コード」は持続的な経済成長のテコ
記事一覧 (05/27)【小倉正男の経済羅針盤】ROE――手のひらを返し走り出した日本企業
記事一覧 (05/06)【小倉正男の経済羅針盤】「ギリシャ・デフォルト」の不確実性
記事一覧 (04/21)【小倉正男の経済羅針盤】経済成長の終焉――中国の米国債売却の背景に「バブル崩壊」
記事一覧 (04/14)【小倉正男の経済羅針盤】ユーロ圏=再生には「辛抱強さ」が必要、どこかと違ってギリシャは大人の「ネゴシエートル」
2016年02月26日

【小倉正男の経済羅針盤】中国のバブルは「200年に一度のスケール」

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■設備過剰・在庫過剰・人員過剰・借金過剰

 もう10年以上も前のことである。トヨタ自動車本社工場で、張富士夫社長(=当時)にインタビューする機会があった。

 トヨタに入社した頃、張富士夫氏は、先輩社員からこんな話を聞かされたというのである。
 「戦後はずっと会社はいたるところトラックなど在庫の山だった」

 トヨタの工場内の敷地や通路は、売れないクルマで埋まり、どうにもならない状態だった。
 いつ潰れても不思議ではない局面だったわけである。

 「会社というのは、(在庫を抱えて)売れないと潰れるものだ・・・」。張富士夫氏は、そう思ったそうである。率直なもの言いなのだが、張富士夫氏が語ると深みがある。
 トヨタの苦難期の風景である。戦後は、不景気でトヨタですら大変だったに違いない。

 メーカー・製造業というものは、つくりたがる。しかし、需要は限定的だから、つくり過ぎれば、売れ残り在庫を抱えて苦しむことになる。売り上げ=おカネは入ってこない。
 生産設備過剰・在庫過剰・人員過剰・借入金過剰――といった状態になる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:54 | 小倉正男の経済コラム
2016年01月25日

【小倉正男の経済羅針盤】アメリカの利上げと円高

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■「いまでしょ」日銀の超金融緩和テコ入れ

 アメリカが利上げに踏み切った途端、世界経済は凄まじい変調に見舞われている。
 日本の場合は、株価が激しく下がり、意外なことに通貨である円は上昇した。為替は、「ドル安円高」になり、それが日本の株価をさらに押し下げることになった。

 「ドル安円高」になったのは、原油価格が大きく下落し、日本の貿易収支が改善されるという思惑から、という見方が言われている。理屈はいつでも後から付いてくるわけである。

その理屈によれば、原油価格が下がっているのに円高が加われば、さらに貿易収支の改善が加速されるという予測が出てくることになる。ますます円高になる方向に作用する。

■円高是正と株価オーバーシュート是正には日銀のテコ入れ効果は絶大

 変動が変動を呼び、オーバーシュート、つまりは行き過ぎた変動に走り出す。マーケットの激震は、収まってほしいものだが、まだ終わっていないという見方が一般的である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:27 | 小倉正男の経済コラム
2016年01月20日

【小倉正男の経済羅針盤】ひとつの時代の終焉=米国の利上げと中国の低迷

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■アメリカの利上げは意味のない「勝利」にならないか

 アメリカは、昨年12月に利上げを行うことを決定した。アメリカが利上げをするのは9年半ぶりということである。

 アメリカ経済は、利上げを行うのだから、良い状態にあるのは確かなのだろう。

 しかし、中国、欧州、中東と世界経済が思わしくない状態にあるのに、アメリカだけが正常化=利上げを行うというのが「正常」なことだったのだろうか。

 アメリカが利上げを行えば、世界中のおカネがアメリカに集まってくる。ドルが強くなるのだから、それだけでおカネがアメリカを目指すことになる。世界のおカネの流れが大きく変化する。

 アメリカ経済の一人勝ち体制に入るわけだが、それが世界経済に「変調」を来たすとすれば、意味のない「勝利」になるのではないか。全体が窮乏化するなかで、一国だけが繁栄を続けることはできないからだ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:25 | 小倉正男の経済コラム
2015年12月24日

【小倉正男の経済羅針盤】ICT、IoTと産業革命の手のひら

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■ICT、IoTは人間が進むスピードでしか進めない

 以前はIT(インフォメーション・テクノロジー)と呼ばれていたが、最近ではICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)といわれることが一般的になっている。

 あるいは、IoT(インターネット・オブ・シングス)というコンセプトも一般に使われてきている。

 IoTは、シスコシステムズ(本社・米カリフォルニア州サンノゼ)が、「あらゆるものにインターネットを」という事業コンセプトを提唱したのがおそらく最初である。だが、いつの間にか一企業の枠を超えて広く使われ始めている。

 ICT、あるいはIoTは、とどまることなく進んでいくのだろうか。いや、意外にも思ったほどは進んでいかないという逆の見方もある。

 ICTもIoTも、人間がどう使うかというツールであり、人間が進むスピードでしか進めない。進むのが速いも遅いも、人間次第ということになるのか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:39 | 小倉正男の経済コラム
2015年12月14日

【小倉正男の経済羅針盤】新年はコーポレート・ガバナンス元年

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■独立社外役員は一般株主と利益相反のおそれがない

 コーポレート・ガバナンス――日本企業が大きく遅れているのは間違いない。チェック&バランスということが、コーポレート・ガバナンスの要諦である。だが、これがなかなかできていない。

 最近、発表された長谷工コーポレーションの「コーポレート・ガバナンス報告書」を見ると、3年程度の移行期間を経て独立社外役員を3分の1以上にするとしている。

 「独立」とは、会社の経営を的確に監督し、「一般株主と利益相反のおそれがない」といった要件を備えていると規定されている。

 経営が、一般株主と利益相反のおそれを持った時には、一般株主のサイドに立つ「独立」性を担保する――。

 長谷工の動きは、かなり進んだものといえるのだろうが、経営に一般株主のチェック&バランスが導入される。これは以前とは、相当に違ったことであり、「画期的」といえる。

 外人にしても、一般株主にしても、コーポレート・ガバナンスがない会社の株式は保有しない。おそらく、そうした線引きになっていくと見られる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:55 | 小倉正男の経済コラム
2015年11月25日

【小倉正男の経済羅針盤】「一億総活躍」は本当に本気といえるのか

■「一億総活躍」というが衆知は集まっているのか

小倉正男の経済羅針盤 「一億総活躍」というのだが、挑戦といえば挑戦だが、簡単ではない。子育て、それに介護といったネックも横たわる。

 老人の企業への就業などをみても、ネックは少なくない。まずは電車、駅の階段が長すぎる。とくにJR駅の階段が昔につくられているためか、急勾配だ。

 電車のなかでも、いまは若い人も疲れているのか、モラルなどが低いのか、席を奪い合っている。他人に席を譲るような余裕はみられない。

 「一億総活躍」というのなら、そうしたところから手直しをすべきである。

 安倍晋三総理は、「一億総活躍」で、衆知を集めるとしている。だが、現状をみれば、なんらココロに響く具体策が出てきていないのではないか。衆知はまったくないということなのだろうか・・・。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:30 | 小倉正男の経済コラム
2015年11月04日

【小倉正男の経済羅針盤】日韓首脳会談=外交の無礼は高く付く

■昼食会(ランチ)もない無礼

小倉正男の経済羅針盤 日韓首脳会談はあったが、昼食会も共同発表・記者会見もないというのだから、呆れるしかない。

 日韓両首脳の笑顔や握手がワン・アンド・オンリーな「中身」ということだ。そんなことで安倍晋三首相が韓国まで出向く必要があったのだろうか。

 日本側が昼食会を提案したが、韓国がそれを断ったという・・・。一国の首相が韓国まで足を運んでいるのにランチもないというのだから、無礼きわまりない。本来は安倍首相が席を立って憤然と帰ってくるぐらいの無礼である。

 韓国は、アメリカが困惑を通り越して怒るほど、中国に接近してしまっている。中国としては、韓国の「同盟国」化は、思う壺ということになる。
「嫌韓」とかいわれるが、これでは「呆韓」というしかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:28 | 小倉正男の経済コラム
2015年10月26日

【小倉正男の経済羅針盤】中国版『喪失の時代』は長期化が不可避、潰れるしかない中国のバブル

小倉正男の経済羅針盤 バブルとおできは大きくなると潰れる。中国のバブルも膨らんだおできと同じで、どうやっても潰れるしかない。

 中国の7〜9月期のGDPが6.9%と発表された。ついに7%を割り込んだわけだが、6.9%ならそう悪くはないのではないかという声もある。株価も「ひと安心」と上昇してみせた。

 ただし、よいも悪いもない、数字そのものが信用できる代物ではない、という見方が前提としてある。適当な数字を出していると思っていなければならない。

 中国は、さらに金利を下げて、同時に金利自由化に踏み切った。
金利を下げても、雇用や所得が増える、あるいは重要が起こる状況ではない。金利自由化も「改革」とはいえるが、需要が極端に低迷しているいまでは意味は低下している。

 中国の場合は、妙な表現だがシャドウバンキングが金利自由化を担ってきた。
銀行は、国有企業などにしか融資しない。シャドウバンキングは、高い金利で一般企業や個人に融資してきた。そのカネが土地や株などの投資に向けられていったわけである。金利自由化は、そうした実体に追随したものということになる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:57 | 小倉正男の経済コラム
2015年10月13日

【小倉正男の経済羅針盤】政局より「GDP600兆円」「1億総活躍」具体化こそ緊急課題

■世界経済は「平穏」を取り戻したが・・・

小倉正男の経済羅針盤 このところ世界は「平穏」のようだ。そんなことを言うと、「内実は変わってない」とお叱りを受けるに違いない。確かに、内実は何も変わっていない。

 だが、一瞬の「平穏」かもしれないが、それはそれで悪いものではない。

 アメリカの利上げはやや遠のいた感がある。世界経済がデフレ状況に突入しているのにアメリカ経済だけがよいというわけにはいかない。雇用も予想を下回る動きとなり、インフレも見られない。とりあえず利上げどころではない。

 中国の株式市場も大きく下げてきたが、ようやく低位で安定してきた。どんどん毎日下げる状況ではなくなってきている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:01 | 小倉正男の経済コラム
2015年09月28日

【小倉正男の経済羅針盤】GDP600兆円、後から中身は付いてくるか

■GDP600兆円=饅頭の皮としては十分

小倉正男の経済羅針盤 神戸の「豚マン」は、包んでいる皮の部分も中身の具も旨い。味は個人個人のものだから、論じてはいけないのだが、一般に関東の「肉マン」は具も皮も豚マンに及ばないのではないか。餃子も「豚マン」と同じことで具、それに具を包んでいる皮が旨くないとお客の評判は上がらない。

 さて新しいステージのアベノミクス、「ニューアベノミクス」だが、GDP600兆円(2014年度490兆円)を実現するとしている。GDPを20%以上増加させるというのだから、野心的な目標を掲げたのは間違いない。

 饅頭を包んでいる皮としては、「GDP600兆円」というのは悪いものではない。チマコマ実現可能な数字では夢も希望もない。目標というものは、これは無理ではないか、論拠は何か、策はあるのか、と頭を傾げるくらいでよい。

■具の具体化は後から付いてくる?

 それでは饅頭の具のほうはどうか。「子育て支援」については、現役世代を応援して人口増加を図るのだから、それはそれで理にかなっている。
現役世代の所得に余裕が生じれば、消費や住宅投資におカネが廻っていく。現役世代は、消費が旺盛な層であり、消費余力を生み出すことになる。

 人口増は経済のベースを広げることになる――。トヨタ自動車など経済界各社も子供手当てなどを分厚くする動きをとっている。共働きが一般化して「配偶者控除」の代わりに「子供手当て」に重点が移っている。子育て支援=人口増には経済界も動き出している。

 ニューアベノミクスでは、子育て支援の新たな中身=具体策は打ち出されていない。饅頭の具のほうの注文はこれからだ。具の具体化は、後から付いてくるということか。おそらく何らかの政策が出されるだろう。これは待つしかない。

■GDP600兆円の新味の具はあるか

 GDP600兆円の実現ということになれば、さらにインパクトを持つ新味の具が必要になる。はたしてそんな具はあるのか。

 「ケイタイ電話代が高い」などという話もあった。だが、政治権力がマーケット経済にいちいち口を出すのは、背景に消費を拡大したいということがあるのだろうがどうなのだろうか。そうではなくテレビ業界など儲かっている各分野で規制緩和を行い、新規参入・マーケット活性化を図っていくべきではないか。

 「経団連に働きかけて広告を出さないようにしろ」「ケイタイ電話代が高い」――、そうしたことは社会主義経済というか、それ以前の中世権力の経済のやり方だ。マーケット経済に即したやり方で改革を進めれば、新しい具を見つけられるのではないか。

 そうした具が後から付いてこないと、皮は旨いが中身の具が乏しいということになる。「GDP600兆円」に見合う中身を手早く打ち出さないと、それこそ再びデフレの暗黒に逆戻りになりかねない。

 (経済ジャーナリスト。『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営』『第四次産業の衝撃』(PHP研究所)など著書多数。東洋経済新報社で編集局記者・編集者、金融証券部長、企業情報部長などを経て現職。)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:54 | 小倉正男の経済コラム
2015年08月30日

【小倉正男の経済羅針盤】中国バブル崩壊とアメリカ利上げの行方

■中国のバブル崩壊とアメリカの利上げ

小倉正男の経済羅針盤 中国・上海株式市場の暴落は収まったのだろうか。底を打ったということで東京市場も回復に転じたが、さほどというかあまりに信頼は置けないのではないか。

 当の中国は、上海株式市場の暴落をもたらしたのは、アメリカが9月に利上げを目論んでいるためだとしている。原因はアメリカにあり、中国はその被害者だというわけである。

 利上げ=インフレ退治ということでドル高になれば、ドルペッグをしているため元の通貨価値も実質的に上昇する。それは困る、中国がやりたいのはデフレ退治だと、人民元の切り下げを実施したのだということになる。その元の切り下げが、上海の株式市場に飛び火した。

 皮肉なことに上海株式市場が落ち着くと、アメリカの利上げが頭を持ち上げる。「世界はアメリカの利上げに対応できる」、と。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:54 | 小倉正男の経済コラム
2015年08月24日

【小倉正男の経済羅針盤】世界経済デフレ化=白馬の騎士は不在

■共産党独裁化で歴史上初の「恐慌」

小倉正男の経済羅針盤 夏も終わりである。まだ暑いが、盛りは過ぎた。

 中国も誰もがわかっていることだがとりあえず終わった。不動産・建設、そして株式もブーム終焉にほかならない。中国発の「恐慌」であり、これは共産党独裁化での歴史上初の「恐慌」ということになる。

 中国の巨大な需要にくっついていた、あるいは依存していたといったらよいのか、そうした諸国は大変である。ロシア、韓国、南米諸国、アジア諸国など・・・。韓国など右往左往しただけであり沈没状態に陥ることになる。

 中国は、リーマンショックの世界経済危機時に、国内インフラ投資など巨大な需要で世界経済を下支える役割を果たした。いわば、世界経済の「白馬の騎士」として大きな貢献を演じたわけである。中国はいま「恐慌」に直面しているが、これは中国経済が、ある意味「一丁前」になったことを意味する。

 中国に依存してきた、あるいは依存しようとしてきた諸国が多いことでも、中国経済が「一丁前」であることがわかる。日本も輸出・輸入に加えて「インバウンド」ということで爆買い需要などに依存してきた。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:06 | 小倉正男の経済コラム
2015年08月15日

【小倉正男の経済羅針盤】『談話』は終わった、経済に戻れ

■「談話」=「戦前」「戦後」の呪縛との格闘
 
小倉正男の経済羅針盤 なんでもそうだが、批評や批判はたやすいものだが、行うのは大変なことである。

 安倍晋三総理だが、政治家なのだから政治に走ることになる。経済をやっているぶんには大きな異論は抱えない。しかし、「戦前」、「戦後」を相手にして政治に走れば、これは大変なことになる。

 私個人のことで恐縮だが戦後教育で育ってきたのだから、映画でも小説でも「戦前」の否定から入っている。「戦後」は大枠それで時が流れてきた。無垢というか粗雑ともいえる「戦前」賛美にはついていけない面がある。

 だが、安倍総理ともなれば、「戦後70年談話」だ、その背景にある「歴史認識」だ、ということで心身を酷く痛めかねないことになる。

 10年ごとに「談話」を出すこと自体が、「戦前」、「戦後」の呪縛のようなものだ。その「談話」を出すというのだから、「戦前」、「戦後」をずしりと背負ってしまうことになる。
総理としては、それが嫌なのに「談話」という呪縛と格闘せざるをえない・・・。
 
■「政治」で支持率を落したが、「経済」では結果を出した

 「アベノミクス」つまり安倍総理の経済については、それこそ様々な批評、批判はあるだろうが、トータルとしては結果を出したといえるのではないか。

 とくに、「スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス・コード」といったマーケット改革を行ったことは何よりも大きい。
 この二つのコード(取り決め)は、デファクトな改革だが、後戻りのできないものだ。これにより日本資本主義は「変革期」に入ったというべきである。

 安倍総理の後継者ははたして誰か――。影が薄いどころか、ほとんど影が見えない。「政治」では支持率を落しているが、経済では支持率をさほど落していないのではないか。
むしろ企業人の多くが、安倍総理なき日本経済を心配しているのが現状といえるに違いない。

■安倍総理の後継は影すら見えない・・・

 後継などつくるものではなく、自然に生まれてくるものだろうが、現状はその影すらない。それもやや恐ろしい話だが、現実でしかない。

 「談話」はもう終わった。「戦前」「戦後」もこのへんでよいではないか――。

 「スチュワードシップ・コード」、「コーポレートガバナンス・コード」などマーケット改革で、大局的にはアベノミクスはその使命を果たした、と見ることもできないではない。

 しかし、時代はまだ求めているといってよいように見える。
「談話」は終わったが、日本経済の改革の仕上げは、まだまだこれからでしかない。
 後継の影が見えない以上は、時代や国民がもういいよ、というまで経済=デフレ脱却に取り組むべきではないか。

(経済ジャーナリスト。『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営』『第四次産業の衝撃』(PHP研究所)など著書多数。東洋経済新報社で編集局記者・編集者、金融証券部長、企業情報部長などを経て現職。)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:57 | 小倉正男の経済コラム
2015年07月10日

【小倉正男の経済羅針盤】「リキャップCB」、問われるのは本質的なROE改善

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■「スチュワードシップ・コード」がもたらした変革

小倉正男の経済羅針盤 歴史もそれなりに築いてきたある名門企業――。アベノミクスで他社の株価が上昇するなか、その企業の株価は上がらない。

 利益準備金など内部留保はタップリ、なんと利益準備金はその会社の時価総額を上回っている。

 いわば、「金持ち会社」だが、設備投資、開発投資、M&A、賃上げ、自社株買い、増配などはやっていない。おカネはあるが使っていない。資本を投資していない。だから、内部留保は増えるばかり――。

 日本の1部、2部の上場企業のなかには、こうした企業が少なくない。おカネはあり余って、株主資本・自己資本のみが肥大化しているから、ROE(自己資本利益率)は2〜3%と低い。

 株価が安いから企業買収にさらされそうだが、株式持合いで「防御壁」があるからなんとか平穏に過ごしてきている。

 しかし、ROEの低い企業の株式持合いは、急速に解消される動きが表面化しそうである。株式持合いでは、資本効率が悪い。企業にとっても、おカネを寝かして持ち合っている余裕がなくなっている。持ち合っているのでは、自社のROEが低いままで資本効率は一向に改善されない。

 そのうえ生保、信託銀行といった機関投資家も、ROEが低い企業への投資は手控えるとしている。金融庁がつくった「スチュワードシップ・コード」は、ニッポン株式会社を根底から変えようとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:35 | 小倉正男の経済コラム
2015年06月24日

【小倉正男の経済羅針盤】初代・諸戸清六は情報で生き残った

■江戸期の「旗振り通信」=大阪から桑名まで10分で情報を伝達

小倉正男の経済羅針盤 「旗振り通信」という通信システムをご存知だろうか。

 江戸中期から明治期に使われていた大型の手旗信号である。大阪・堂島の米相場をほかの地域に伝える。ほかの地域の米相場を大阪に伝える――。

 商売・ビジネスには情報が付きものである。この「旗振り通信」のスピードが凄い。大阪から京都が4分、桑名が10分、岡山が15分といったスピードで情報が伝達された。

 「旗振り通信」は、米相場、つまりは相場による商売・カネ儲けで発達したものだ。おカネの盛衰、勝ち負けがかかっているのだから、スピードと同時に正確さが求められる。情報がなければ売り買いはできない。まして勝てない。

 幕末には英、仏などの軍艦(黒船)が現れた時に「旗振り通信」で情報が各地に伝達されたとされている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:59 | 小倉正男の経済コラム
2015年06月04日

【小倉正男の経済羅針盤】「コーポレートガバナンス・コード」は持続的な経済成長のテコ

■「コーポレートガバナンス・コード」に秘められた狙い

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小倉正男の経済羅針盤 「コーポレートガバナンス・コード」――この6月1日から施行されている。推進役は金融庁、東京証券取引所である。株主総会シーズンに先駆けて導入された。

 おそらく、上場企業各社の株主総会で、このタームが飛び交うことになると想定される。

 タームが飛び交うことはそれほど重要なことではない――。法的な拘束力はない。

 だが、マーケットの「デファクト」あるいは「デファクトスタンダード」としての拘束力はある・・・。

 おそらく、このデファクトな拘束力は、比重を極限まで高めることになる可能性を持っている。企業としては、無視できないどころか、拘束されることを覚悟する必要がある。

 アベノミクス――、いまはあまり取りざたされることはない。だが、この「コーポレートガバナンス・コード」導入は、アベノミクスの一環とみるべきである。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:22 | 小倉正男の経済コラム
2015年05月27日

【小倉正男の経済羅針盤】ROE――手のひらを返し走り出した日本企業

■日本企業の3社に1社がROE10%超という変化

小倉正男の経済羅針盤 ROE(自己資本利益率)――「リターン・オン・エクイティ」、資本効率を示す指標である。いまや、このROEが経営指標としてセンターに位置するようになっている。

 かつては日本企業のROEは5%以下が一般的であり、低いROEが特徴だった。ちょっと以前まではROE5%を確保していれば、日本企業としては儲かっているほうであり、「資本効率がよい」とされてきた。

 アメリカ企業などはROEが10%以上というのが当たり前であり、対照的というか、まったくベクトル(方向性)が違っていた。

 日本企業サイドからは、アメリカ企業は利益を出し過ぎており、「短期的経営」に走っているという見方が流されていたものだ。

 ところが、日本の一部上場企業の3社に1社がすでにROE10%を超えているというのである(2014年度・日本経済新聞)。手のひらを返し、走り出したとはこのことではないか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:23 | 小倉正男の経済コラム
2015年05月06日

【小倉正男の経済羅針盤】「ギリシャ・デフォルト」の不確実性

■ギリシャと債権団――捗らない交渉

小倉正男の経済羅針盤 ギリシャと国際債権団の交渉はなんとも捗っていない。ギリシャは債権団が納得する改革案の提出を果たせていない。

 債権団としては、年金削減、レイオフなど労働改革を求めている。だが、ギリシャはそれを頑として拒否している。債権団は、それではギリシャへの金融支援を行えない。

 ギリシャが、デフォルト(債務不履行)の一歩手前にあるのは周知のことだ。デフォルトを最後の「人質」にしての交渉だが、交渉がまとまらなければ最悪の事態となる。

 ギリシャにとって、「優遇された年金」、「過剰なうえにしかも高給な公務員」といった国家体質は、受益層には既得権益そのものといって間違いない。これはギリシャとしては「国体護持」みたいなことかもしれない。

 「国体護持」か、デフォルトか――。デフォルトになれば、「国体護持」もクソもないのだが・・・。ともあれ、ギリシャの危険な岐路が刻々と迫っている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:01 | 小倉正男の経済コラム
2015年04月21日

【小倉正男の経済羅針盤】経済成長の終焉――中国の米国債売却の背景に「バブル崩壊」

■中国がアメリカ国債を減らして保有額トップの座を降りた原因とは

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小倉正男の経済羅針盤 アメリカ国債にちょっとした異変が起こっている。

 中国が、アメリカ国債では最大の買い手として君臨していたが、その座から降りた。日本が再び買い手としてトップになった。

 このほどアメリカ財務省が国際資本統計で、今年2月のアメリカ国債の国別保有額を発表した。

 それによると日本のアメリカ国債保有額は1兆2244億ドル、中国のそれは1兆2237億ドル――。ほんのわずかだが、日本が中国をアメリカ国債の保有額で抜いた。

 メディアは、「日本が中国を追い抜いてアメリカ国債保有で世界一になった」、と報道している。メディアは、「世界一」というフレーズが付くと、無条件で見出しに使うところがある。

 それはともかく識者からは、アメリカには「国際緊急経済権限法」があり、それが中国のアメリカ国債保有を縮小に向かわせているのではないか、という見方が出されている。

 アメリカは、安全保障面で危機に直面したら、大統領が保有国のアメリカ国債を無効にできる――。一種の部分的な「デフォルト(債務不履行)」だが、その事態を中国が嫌って、アメリカ国債を売っているという推測である。

■中国はリーマンショックの2008年にアメリカ国債保有で「世界一」に

 中国が、アメリカ国債保有額で日本を追い抜いたのは2008年のことだ。いわゆるリーマンショックが勃発した時期で、世界経済における中国のプレゼンス(存在感)が一挙に高まった時期である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:35 | 小倉正男の経済コラム
2015年04月14日

【小倉正男の経済羅針盤】ユーロ圏=再生には「辛抱強さ」が必要、どこかと違ってギリシャは大人の「ネゴシエートル」

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 ラチがあかないとはEU(欧州連合)=ユーロ圏経済におけるギリシャ問題である。ギリシャは、債務返済などが迫ると「流動性が不足している」、つまり、「ないものはない」と資金不足を逆手に取って支援を訴える。これがEUには揺さぶりになる。EUは、財政緊縮策など経済再生の筋道を示せとギリシャに要請する。

 EUとしても、ギリシャを破綻させるわけにはいかない。資金を支援して、とりあえず債務返済させて「先送り」を図る。それを繰り返している。

 ギリシャはどこかの国の隣国と違って、「ネゴシエートル」としてはかなり優秀な部類といえるかもしれない。よくいえば「大人」、交渉と落し所をわきまえている面もあるようだ。
 ドイツに財政緊縮など構造改善策を詰め寄られると、「ナチスドイツによる損害賠償」「ロシアに接近し支援を要請」など、筋の異なる問題を持ち出したり動いてみたり・・・。

 「それとこれは違う問題ではないか」、とドイツが苦虫を噛み潰しても問題をバラけさせる。しかし、収めるところは収める――、EUから離脱・脱退するなどといった破滅的な行動はとらないとみられる。

 ギリシャにしてもEUにしても、いまはそれしかやり様がないというところか。

■ユーロ圏からのギリシャの「スムーズな離脱」とその現実

 ドイツのガブリエル経済相など、「わが国は(ギリシャが)立ち直り、私の個人的な強い見解としてはユーロ圏にとどまるよう支援する用意がある。――だが、どうやって実現できるのか、なお私には明確ではない」と発言している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:43 | 小倉正男の経済コラム