新日本理化<4406>(大1)は、去る、27日(水)の出来高が2011年12月7日以来の水準に膨らみ注目される展開。株価は年初来高値が3月2日の1297円、安値は5月15日の390円。年初来高値から安値までの下落率は69.9%と、この間のTOPIX(東証株価指数)の20.6%下げを大きく上回っている。ただ、TOPIXの安値が6月4日だったのに対し、同社株は5月15日に底打ちしている。日柄整理は進んでいる。
TOPIXを上回る下げ率となっているのは、昨年、某上げした反動。2011年3月の安値66円から今年3月の高値1297円まで1年間で19.6倍に上昇した。この間、東日本大震災の影響からマーケットが大不振だった中で大活躍したわけだ。
人気株に特有の「業績変化率の大きさ」を手がかりとした。今3月期の営業利益は2.4倍の10億5000万円と大幅増益の見通し。配当は前期に年5円復配した。「復配接近のときが株価はもっともおもしろい」(中堅証券)、という通りの展開だった。
今期は年5円配当継続の方針で、今日の株価610円台では利回りは0.8%にすぎない。今期予想1株利益19.8円でのPERも30.8倍とマーケット平均を大きく上回っている。1株純資産(解散価値)320円に対してもPBR1.9倍とマーケット平均の0.9倍台を上回る。
投資指標からの割安感はない。しかし、この点は昨年からの活躍場面においても現在も大差ない。結局、同社株の動く背景には、「マーケットに手詰まり感が強まり、他に、手がけ難いときに動く」(同)ということになりそうだ。この先、7〜9月は年間でもマーケットが薄商い状態となりやすく同社株のような人気株に目が向くことは十分予想される。
しかも、週足チャートは5月の安値390円を挟んで、4月の452円、6月の471円によって「逆三尊」の底打ち足の形となっている。このため、人気株と割り切れる向きなら7〜8月にひと相場を期待して610円前後は拾っておくのもよいだろう。
ただ、仮に、7〜9月に動いたとしても昨年の活躍に対しては、お茶でいうところの「二番煎じ」であり、味は劣るはず。とくに、昨年は「空売り」が急増したのに対し、現在は少ない。とくに、昨年の株価スタートが100円以下と低かったことで空売りが入りやすかった。現在の株価位置は高いところにあり空売りは入り難い。
チャート的には夏場に1000円前後も見込める形ではあるものの、基本は深追いせず飛び乗り飛び降りを心がけておくのがよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 11:45
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